投稿

■エルザ先生は「ソクラテス式問答の名手」■~ゾフィー先生は「禅師」~

イメージ
 おはようございます。 まだ少し雨が残る高知の朝ですが、 この雨も昼までの様ですね。 週明けの月曜日、 今週もよろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ゾフィー先生は生徒が絵を描けずにいると、 クレヨンや絵筆を手にとり、 非写実的な手法で幾何学模様のような絵を 描いて見せたがそれはちゃんと ネコの絵だとわかった。 いくつもの線やかたちのなかから、 ふいにネコの姿が浮かび上がり、 生徒たちが歓声をあげると、 先生も目を細めるのだった。 ドラッカーは、 先生は生徒を褒めるとき、 ただ笑みを浮かべるだけだが、 褒められたほうにしてみれば 無上の喜びだったとする。 そしてクレイムズは、 先生は何があろうとも、 決して生徒を叱責しなかったとし、 ドラッカーは、 エルザ先生を「ソクラテス式問答の名手」、 ゾフィー先生を「禅師」と呼んだ、 とする。 ついでドラッカーは、 次のとおり驚くべき告白をしている。 「自分は収入を必要としていたため、  いずれにしても教職の道に入ることに  なったかもしれないが、  エルザ先生とゾフィー先生という  ふたりの素晴らしい恩師に出会わなかったなら、  それが実現する可能性は低かっただろう。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■言葉ではなく表情やしぐさ■~とても小柄な先生~

イメージ
 おはようございます。 小雨が降る高知の朝、 今日は一日雨ですね。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ゾフィー先生は美術を教えており、 その工房はイーゼル、クレヨン、絵筆、 木工具、ハンマー、小さなミシンなどで溢れる 不思議な空間だった。 そして先生は、 たいていのものを生徒たちに 試しに使わせてくれたという。 ドラッカーは、 先生はいつでも手を差し伸べてくれたが、 助言や戒めの言葉はまったくなかったとし、 言葉ではなく表情やしぐさをとおして 生徒を教え導いた、 とする。 生徒たちが絵を描いたり、 工作に取り組んだりしていると、 その様子をしばらく眺めてから、 自分の小さな手 ―先生はとても小柄だった― で生徒の手をとり、 正しいやりかたを 相手が体得するまで教えるのだった。 「生徒が絵を描けずにいると、  先生はクレヨンや絵筆を手にとり、  幾何学模様のような絵を描いて見せた。  非写実的な手法だったが、  それでもちゃんとネコの絵だとわかった」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■美術を教えるゾフィー先生■~生徒の名前を覚えなかった~

イメージ
 おはようございます。 薄曇りの高知の朝です。 これから晴れますが、 夜には一雨ありそうです。 土曜日、良い週末をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ゾフィー先生は エルザ先生とは正反対に、 生徒自身に大きな関心を持っており、 生徒たちはゾフィー先生のまわりに 輪をつくっていた、 とした。 そしてゾフィー先生のそばには いつも生徒がおり、 何かがうまく行かないと、 いちばん年長の生徒でさえ、 先生のもとへ駆け込むのだった。 ゾフィー先生のもとには 悩みや自慢話が持ち込まれ、 先生は生徒たちの名前を まったく覚えていなかったが、 いつでも彼らを抱きしめたり、 背中をぽんと叩いたりして、 褒め言葉やお祝いの言葉をかけるのだった。 「ゾフィー先生は美術を教えており、  その工房はイーゼル、クレヨン、絵筆、  木工具、ハンマー、小さなミシンなどで溢れる  不思議な空間だった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ゾフィー先生のまわりに輪■~生徒自身への関心~

イメージ
 おはようございます。 今朝も快晴の高知です。 昨日は肌寒い一日でしたが、 今日は暖かくなりそうです。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 エルザ先生は力を伸ばすべき分野、 特に、力があるはずの分野で足踏みをしていると、 まるで報復の天使のように、 生徒たちに厳しい態度で臨むのだった、 とした。 そして、 エルザ先生の素晴らしさ、 偉大さについて、 ドラッカーは、 先生は生徒たち自身ではなく、 生徒の『学び』に関心を寄せていたが、 それでも、 ひとりひとりの生徒の名前や性格、 そして何より強みを、 ものの一週間で頭に入れてしまったととし、 生徒は先生を慕うというより、 むしろ崇拝していたと書いているとする。 姉妹教師のもう一人、 ゾフィー先生についてドラッカーは次のとおり 記している。 「ゾフィー先生は  エルザ先生とは正反対に、  生徒自身に大きな関心を持っていた。  生徒たちはゾフィー先生のまわりに  輪をつくっていた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■報復の天使のように■~力があるはずの分野~

イメージ
 おはようございます。 東の空に赤く染まった雲が浮いています。 高知の朝は肌寒く感じるくらいです。 今日は一日晴れても、 気温は穏やかなようです。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 エルザ先生が生徒の力を伸ばし、 独力で前へ進めるように、 フィードバックを与えるという考えは 後年ドラッカーの代表的な教えの ひとつとなった、 とした。 それは、 能力が向上するかどうかは すべて本人の努力しだいであるため、 自己啓発ができるように、 従業員には必ずフィードバックを 与えなくてはいけない、 という主張である、 と続ける。 学年のはじめにエルザ先生はピーターに、 よい成績をあげても決して 大げさに褒めたりはしない、 褒めるのはたまにだと伝えた。 「ところが、  力を伸ばすべき分野、  特に、力があるはずの分野で足踏みをしていると、  まるで報復の天使のように、  生徒たちに厳しい態度で臨むのだった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■独力で前へ進む■~ドラッカーの代表的な教え~

イメージ
 おはようございます。 東の空から明るくなり始めた 高知の朝です。 少し冷やっとします。 日中も落ち着いた気温の様ですね。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ エルザ先生とは、 毎週一回、 一対一で進み具合を 確かめることになった。 先生は、何度もうそをつくなど、 ひどく行いの悪い生徒には、 とても厳しい罰を与えたが、 決してほかの生徒たちの前で 叱りつけることはなかった。 エルザ先生は、 ひとりひとりの生徒の得意分野を大切にし、 それを伸ばすために、 短期長期、 両方の目標を設け、 そのあとではじめて、 弱い分野にも目を向けるのだった。 「そして、  生徒が力を伸ばし、  独力で前へ進めるように、  フィードバックを与えた。  これは後年、  ドラッカーの代表的な教えのひとつとなった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■算数がよくできますよ。■~見直しや検算の方法~

イメージ
 おはようございます。 雲が空を覆う高知の朝です。 昨晩は断続的に雨が降ったようです。 これから晴れ、 夏日予報になってます。 GW明けの火曜日、 頑張りましょう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ エルザ先生はピーター少年に、 自分で思っているよりも 算数がよくできますよと 励ました。 ほかの先生からは算数のできが悪い、 と告げられていたので、 計算が得意だと言われたのは、 ピーター少年にとっては 予想外だった。 エルザ先生は、 成績は思わしくないが、 それは算数がわかっていないからではなく、 途中で気を抜いてしまい、 しっかり見直しをしないから、 良い点数がもらえないだけだと、 辛抱強く説明した。 さらに、 ほかのみんなより 間違いが多いわけではなく、 ただ、間違いを見つけられずに いるだけなので、 今年は見直しや検算の方法を 身につけましょうと言った。 「きちんと身につくように、  あなたと同じ列と前列にすわっている  五人の計算の見直しを  お願いしますからね。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)