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■マネジメントを軽視する者■~活動中心の組織~

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職能別組織について続く。 職能別組織は、一人ひとりのポジションや自らの課題を理解しやすいという明快さなどの長所と共に、全体の目標と自らの仕事との関係性が見えにくいなどの欠点を持つ。 この組織は仕事がうまくいっているときには、マネジメントや調整などの組織を動かすための仕事は少なく、高度の経済性を発揮する。 しかし、うまくいかないときは非常に不経済となる。 作業が一定の規模や複雑さに達すると、組織内部に誤解や反目を生み、摩擦が多発し、強固な壁を持った縦割り組織となる。 こうなると、”複雑で、金がかかり、しかも扱いにくい”マネジメントのための道具だてが必要となるが、これらは問題解決に役立たず、関係者の時間を浪費するだけである。 これらの長所や欠点は、この組織が活動中心の組織であるところから来る。 この組織の各部門マネジャーは、自らの活動の源泉である職能がもっとも重要と考えると共に、職人的な技能や専門家的な能力を重視する。 そして、自らの職能のために、他の職能を犠牲にしようとする。 この結果、技能優先のスタイルを生み出し、成果に向かうマネジメントを軽視することとなる。 「職能別組織は、マネジメントに適さない人間をつくる。  成果よりも技能に重点を置いているからである。  優れた技能を持っているほど、マネジメントの意味を軽く見る。  それだけ明日のマネジャーを育てることが難しくなる。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 34 五つの組織構造)     

■職能別組織の長所と限界■~安定性と硬直性を併せ持つ~

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続いてドラッカーは、5つの組織形態の持つ特色を示す。 ◆職能別組織  ★メリット   △組織の中の一人ひとりが、自らのポジションと自らに与えられる課題を、   一目で理解できるという明快さがあること。   △一人ひとりに拠るべき家となること。   つまり、家族の如く、組織の人間関係に安定性があること。  ×デメリット   ▼一人ひとりが組織全体の目標を理解しにくいため、   各人の仕事を全体目標に結びつけることが難しいこと。   ▼組織としての動きが硬直的であって適応性に欠ける。   これは、単純な工程を持つ業務には適するが、新しい知識や技術のトレーニングに適さない。   ▼新しいアイデアや新しい方法を進んで受け入れる気風に欠けやすく、   現状維持を受け入れ、抜本的な変化に力を注ぐことが少ない。 「職能別組織は、明快さにおいて優れている。  組織のなかの者すべてに拠るべき家がある。  誰もが自らに与えられた課題を理解する。  安定性の点でも優れている。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 34 五つの組織構造)     

■人が動くか、仕事が動くか■~二つの組織構造を理解する。~

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ドラッカーは、仕事を組織する方法は三通りあるとした。 そして、組織は、職能別組織とチーム型組織の一方または双方の原理に基づいて設計する必要があるので、この二つの構造を理解しておかなければならないと続ける。 ◆職能別組織 経理や人事はそれぞれ一つの技能、職能である。 経理部や人事部といった技能別組織になる。 一方生産やマーケティングはどうか。 ”生産”には、設計や組み立て、検査など複数の異なる技能が混ざり、 ”マーケティング”には、リサーチ、商品設計、プロモーションなど複数の異なる技能が混ざっている。 従ってこれらは独立した職能ではなく、市場ニーズを調査し、商品化し、市場投入し収益を上げるという基幹業務の一つのプロセスを表す概念つまりコンセプトなのだ。 これらは段階別組織と言える。 ”職能別組織においては、仕事の段階や技能の間を仕事が動く。 人は動かず仕事が動く。” ◆チーム型組織 建築、建設、情報システム構築等各種の技能と道具を持つ者が、一つのプロジェクトチームやジョイントベンチャーとして集まり仕事や課題を遂行する組織形態を指す。 「職能別組織においては、仕事の段階や技能の間を仕事が動く。  人は動かず仕事が動く。  これに対し、チーム型組織では仕事が固定される。  各種の技能と道具を持つ者が、一つのチームとして  ビルの設計や研究開発などの仕事や課題を遂行する。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 34 五つの組織構造)     

■仕事を組織する方法■~職能別組織とチーム型組織~

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引き続きドラッカーは、仕事を組織する方法について述べる。 労働は大きく分けて肉体労働と知識労働に二分できる。 しかしこの分類に関わらず、すべての仕事は次の三通りの方法で組織できる。 ◆仕事は段階別に組織できる。  米の収穫を表すと、、  「設計する」 ⇒ 設計部   ↓  「基礎工事をする」 ⇒ 工事部   ↓  「柱を立て、屋根を作る」 ⇒ 建築部   ↓  「内装を仕上げる」 ⇒ 内装部  となる。 ◆仕事は技能別に組織できる。  自動車の製造工場をイメージすると、、  「シャーシが流れてくる」 ⇒ 担当技術者が工具を使いエンジンを取り付ける。   ↓  「エンジン付きシャーシが流れてくる」 ⇒ 担当技術者がシートを取り付ける。   ↓  「エンジンと座席が付いたシャーシが流れてくる」 ⇒ 担当技術者が車体を乗せる。   ↓  「車体が流れてくる」 ⇒ 担当技術者がタイヤを取り付ける。   ↓  となる。  製造すべき自動車が、工具、作用場所や担当者間を移動して製品として作られていく。 ◆仕事自体は動かさず、異なる技能や道具を持つ人たちが一つのチームとして動く。  ネットワークシステムの構築プロジェクトは、設計、プログラミング、品質管理、テストなどの各分野の専門技術者が集まって実行される。 「仕事は、常になんらかの形において組織される。  職能別組織とチーム型組織のいずれかの設計原理に基づいて組織される。  職能別組織とチーム型組織の双方を必要とすることも多い。  したがってあらゆる組織が、この二つの組織構造を  理解しておかなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 33 組織の条件)     

■組織構造の種類■~仕事、成果、関係及び意思決定~

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続いてドラッカーは、組織構造の種類について述べる。 マネジメントの側面から見て次のとおり分類する。 【仕事中心の組織構造】  ◆職能別組織   営業部、総務部等の機能別・段階別に分割したいわゆる縦割り型組織を指す。   この組織は、自らの組織上の立ち位置が明確に理解でき、   自部門の目標も明確になるというメリットがある。   逆に、組織全体の目標が見えにくく組織の目標と自分の目標を   関連付けにくくなるというデメリットがある。   この組織構造は、単一のサービスや製品を作り出す比較的単純な工程を持つ企業に向いている。   複雑な作業が不可欠な組織には、不向きである。  ◆チーム型組織   組織内の専門分野からメンバーを集めて特定の課題に対して、チームで取り組む形態を指す。   タスク・フォース、フロジェクト・チームなどが該当する。   この組織には明確に規定された目標が必須で、デメリットとして、   意思疎通に費やす時間が長くなる傾向にあり、人数か多くなると機能維持が困難になる。 【成果中心の組織構造】  ◆分権組織   この組織は、自立的な事業体から編成され、事業部制や社内企業制などを指す。   一般的には、事業体内部に職能型組織を職能別組織を持つ。   そして、個々にマネジメント機能を所有し、自立的に事業体を運営する。   事業体が自主的に運営されるので、メンバーは事業体の目標と自分自身の目標を把握しやすくなり、   コミュニケーションや意図決定も円滑に進むこととなる。  ◆擬似分権組織   規模が大き過ぎて職能別組織では効率的に機能しない場合に採用する形態である。 【諸々の関係中心の組織構造】  ◆システム型組織   多様な価値観や変化を統合できる形態だが、明快性や経済性に欠ける。 【意思決定中心の組織構造】  ◆この組織構造は未だ開発されていないが、   ドラッカーは、これが実用化されれば、   その影響はきわめて大きなものとなると期待する。 「マネジメントには、仕事、成果、関係のほかに意思決定という側面がある。  今日のところ、この意思決定中心の組織構造は開発されていない。  可能性の域を出ない。  だが、これが実用に供しうる形で開発されるな