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■リーダーシップは、精神や美学ではない。■~明確な選好基準がある。~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝です。 今日は、立秋。 暦の上ではあるが、秋に向かって涼しくなるということではなく、 これ以上の暑さは来ない、暑さのピークを示すとのこと。 そのとおり、これからしばらくの間、安定した猛暑日が続くとのこと。 水分補給、休息に十分配慮して下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 引き続き、製品のリーダーシップについて。 ドラッカーは、市場においてリーダーシップを得るためには、 様々な要因があるとする。 価格、信頼性、メンテナンスの容易さ、メンテナンス不要の保証、 外観、スタイル、デザイン、知名度、最終製品への組み入れコスト、 サイズ、アフターサービス、早期の引き渡し、技術指導などがある。 しかし、いくらメーカー自身が高品質と考えても、 顧客が買ってくれなければ意味がない。 低価格でもダメ、高品質でもダメ、と顧客が主張する場合がある。 しかしこれを、顧客のわがままで、不合理な主張とみなす企業は取り残される。 顧客は、明確な選好基準をもっており、それに対して支払いをするのだ。 企業が理解すべきことは、顧客の持っている選好基準なのだ。 「高品質をうたっても、市場が認めてくれなければ、  リーダーシップは成立しない。  顧客が喜んで買ってくれなければならない。  製品のリーダーシップとは、精神や美学ではなく、  経済にかかわる用語である。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第3章 利益、資源、見通し)     

■独占企業の危険■~限界的な存在へと変わる~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝です。 今日は、広島「原爆の日」である。 アメリカによる原爆投下から68年が経つ。 原発、テロ、地域紛争、核開発等人類全体に対する脅威は増え続け、 危うささえ感じる世界情勢だ。 この日に、鎮魂と祈りを捧げ、改めて平和を祈りたい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、独占企業は、競争相手が現れた瞬間に、 限界的な存在へと変わる危険をもつとした。 市場シェアの大きな企業は、あらゆる領域において 事業を行おうとする。 しかし、あらゆる領域において、卓越した活動を 行うことのできる企業など存在しない。 卓越した活動ができない製品は、リーダーシップを取れない。 それは、すぐに限界的な存在になることを意味する。 主力製品は企業の中で売上げの大部分を占め、 同時に主たるコストの発生源となり、 最も貴重な資源を割り当てている製品である。 この製品がリーダーシップを握れなければ、 十分な利益をあげられない。 常に、駆逐される危険にある。 「事業の分析においては、  競争相手からの挑戦のない製品は  危険な製品であるという認識が、  何よりも重要である。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第3章 利益、資源、見通し)     

■製品リーダーシップをもたらすもの■~定量的な概念ではない。~

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おはようございます。 明るい日差しの川崎の朝です。 北陸、東北でやっと梅雨明け。 日本列島全体が本格的な夏突入です。 この夏は平均以上の暑い夏になるとのことです。 気をつけましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、製品分析には、製品の定義と作業の種類という 二種類の意思決定が必要になるとした。 さらに、製品分析のためには、企業の外部における評価及び 製品の将来性についての評価を示す製品リーダーシップに関する分析を 行う必要がある。 リーダーシップを握るとは、どういうことなのか? 自社の製品が、市場や顧客のニーズに適合し、 顧客が、その製品に喜んで代価を払ってくれるという状態と言える。 企業が、いかにハイレベルな技術や知識を駆使して、高品質な生産物だと考えたとしても、 顧客がそう考えてくれなければ、リーダーシップを握っているとは言えない。 市場には、同じ種類の製品が競合品として沢山存在し、 顧客は、その中からどれを選ぶこともできる。 その中で、顧客が自社の製品を選択するということは、 競合品よりも優れた製品であると評価し、 そしてそのことを、自ら進んで代価を払うという 具体的な経済行為として表明してくれるということである。 一方、その半面で絶対的な市場シェアにある場合は、 リーダーシップは握っていないということになるとする。 なぜか? 独占的な企業や製品は、市場に競合品が存在しないということを意味し、 顧客は、ほかの製品を選ぶ選択肢がなく、選択可能な権利が与えられていない 状態になっているからだ。 ドラッカーは、独占企業の顧客は、常に第二の供給企業の出現を待望しており、 出現してくれさえすれば、そこへ群がり集まるとする。 「ある製品がリーダーシップをもつということは、  市場や顧客のニーズに最も適合しているということである。  純然たるニーズに適合し

■事業は作業のシステム■~作業の種類を決定すること~

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おはようございます。 湿気は多いが、窓に入る風は涼やかです。 ゲリラ豪雨の一方で、首都圏の水ガメで水不足の危機。 どうなっているんだろう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、作業量による配分が、最も現実に近い唯一の計算だとした。 デパートの場合は、来店した顧客の人数が作業量の単位として使える。 コンピューターメーカーでは、送り状の数や、作成した見積書の数が作業量の単位として使える。 何を作業量の単位とするかは、高度のリスクを伴う事業上の意思決定である。 もし違う尺度を採用したために製品コストの計算が違うということになった場合は、 そこには、違った観点での重要な要素が存在していることを示している。  このように、製品分析には、製品を定義することと、 コストの基準としての作業の種類を決定することの、 少なくとも二種類の意思決定が必要になる。 「これまでマネジメントは、事業を作業のシステムとしては考えてこなかった。  しかし、ひとたびこの考え方をとるならば、特に、理論としてではなく、  具体例によって理解するならば、その自らの事業への適用は容易である。  そして、いかに行動すべきかも、ただちにわかるはずである。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第3章 利益、資源、見通し)     

■最も現実に近い唯一の計算■~作業量による配分~

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おはようございます。 薄曇り空の川崎の朝、だんだんと日差しが強くなって、 日中の猛暑を予想させます。 熱中症、ゲリラ豪雨にはお気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、間接費が比例配分によって決定されるようなコスト会計の誤りを指摘した。 しかし、例外はある。 例えば、自動車メーカーのGMのように、一種の製品しかない事業である。 このような場合、発生した総コストを生産台数で割ることによって、 一台当たりのコストを計算する。 これも一種の一般化にすぎないが、概念的には間違っていない。 しかし、これは例外であり、そもそも、コストの計算は簡単ではない。 にも拘らず、現実的な製品コストを知る必要がある。 ドラッカーは、明確な焦点のない事業のコストは、 作業量による配分が、最も現実に近い唯一の計算だとする。 そして企業活動のコストのほとんどが、このようなコストであり、 原材料や部品の購入費などのいわゆる直接費は、 利益への貢献やコストの負担を分析するには不適切であるとする。 「われわれは、現実のコストを見ていかなければならない。  明確な焦点のない事業のコストは、作業量による配分が、  最も現実に近い唯一の計算となる。  今日の企業活動のコストのほとんどが、  そのようなコストである。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第3章 利益、資源、見通し)     

■コストの配分という判断■~労務費は、時間にかかわるコスト~

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おはようございます。 今日は「カレーうどんの日」。 「カレーうどん100年革新プロジェクト」チームが、 制定したもので、6月2日が「カレーの日」で7月2日が「うどんの日」の流れかららしい。 色々ありますね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ コスト会計について、ドラッカーは特定の製品コストを 事業の総コストに占める割合から計算するために、 コスト会計を使うことは間違いであるとした。 なぜなのか? 例えば、営業マンが自社の様々な商品やサービスを紹介するために営業活動を行う。 このコストを、それぞれの商品やサービス独自のコストとして割り出すことは困難である。 また、営業会議のために使用するスペースや電気料金についても同様で、特定の製品コストに割り振ることはできない。 なので、それらのコストは全製品に配分して計算される。 しかも、その計算は、コストが正規曲線(ガウス曲線)に従って、 平均的に発生するという最も起こりえない状況を想定しての比例配分である。 つまり、コストの膨大な部分を占める間接費が比例配分によって決定されているような数字は、役に立たない。 これがドラッカーが間違いとすることの根拠だ。 「工場で何を生産しようと、   直接労務費はほとんど変化しない。   ほとんどの製造業、およびすべてのサービス業において、   労務費は、生産高ではなく   時間にかかわるコストである。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第3章 利益、資源、見通し)     

■なぜコスト会計を使わないか■~作業量に直接比例する?~

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おはようございます。 曇り空の川崎の朝です。 今日から8月、来週からは本格的な猛暑復活との予想。 熱中症とゲリラ豪雨双方に注意して、この夏を乗り切りましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ コスト会計について、ドラッカーは特定の製品コストを 事業の総コストに占める割合から計算するために、 コスト会計を使うことは間違いであるとする。 いくつかの例を示す。 ●5万ドルの取引は、500ドルの取引と、コストはあまり変わらない。  ⇒いずれも、同じ営業処理、事務処理である。 ●売れない製品の設計も売れる製品の設計も、コストは同じである。100倍はかからない。  ⇒設計内容が異なるだけで、設計作業は同じ活動である。 ●小口注文の処理は、大口注文の処理とコストは同じである。  受注、生産の手配、日程の管理、請求、集金のいずれも作業は同じである。  ⇒受注後の事務や、工程管理なども変わらない。   請求する金額が100万円から10億円に増えたとしても、一枚の請求書に記載する請求金額変わるだけである。 ●小口注文の製品の生産、包装、保管、出荷のコストさえ、大口注文のそれと、ほとんど同じである。  ⇒小口注文は、生産工程は短くて済む可能性があるが、その他の時間や手間は小口注文も大口注文も同じである。 「売れない製品の設計も売れる製品の設計も、  コストは同じである。  100倍はかからない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第3章 利益、資源、見通し)     

■利益に寄与するもの■~成果の90%は10%の原因から生まれる。~

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おはようございます。 曇り空の川崎の朝です。 朝から湿度が高い、今日も一日暑そうだ。 7月の東京の平均気温は31度、これは平均より3度程高い。 8月もこの調子、慣れなければ。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、事業の分析は、第1章「企業の現実」に関する仮説からスタートするとした。 おさらい ●利益とコストの流れは異なる。   利益は、必要なコストを賄うことになるが、逆にコストは必ずしも利益にはならない。 コストは単純には可視化できないので、意識しない限り無意味な活動、無益な多忙に向かう。 ●成果の90%は10%の原因から生まれる。   社会的事象の一般原則と同様に、全体の一割の商品や、営業マンが全体の9割の売り上げをあげている。 ●利益は売上げに比例し、わずかな種類の製品や市場や顧客にから生じる。   利益は売上に比例するが、その売り上げは全体の一割の市場や顧客から得られる。 ●コストは作業量に比例し、あまり利益を生まない90%の作業量から生じる。   コストは、作業量に比例する。そして全体のコストは、利益を生まない全体の9割の作業から生じる。 「企業の行う活動の10%が成果の90%を占め、  90%の活動は成果の10%しか占めていない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第3章 利益、資源、見通し)     

■利益、資源、見通し■~事業のレントゲン写真~

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おはようございます。 曇り空の涼しい川崎の朝です。 昨日も西日本を中心に豪雨被害がでている。 「これまでに経験のないような大雨」、 お気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 事業や、業績をもたらす領域の分析については、様々な数字が出てくる。 数字の洪水である。 それらのうち、意味のあるものを明確にし、その意味を、迅速、 かつ効果的に、しかも信頼できる形で明示することが重要とする。 そしてドラッカーは、これを”事業のレントゲン写真”に例える。 この分析は、第1章「企業の現実」に関する仮説からスタートする。 ●利益の流れとコストの流れは、同じではない。 ●事業上の事象は、成果の90%が10%の原因から生まれるという社会的事象に特有の分布の仕方をする。 ●利益は売上げに比例し、そのほとんどは、ごくわずかな種類の製品や市場や顧客によってもたらされる。 ●コストは作業量に比例し、そのほとんどは、ごくわずかの利益しか生まないおそらく90%という膨大な作業量から生じる。 「今日、あらゆるエグゼクティブが数字の洪水に悩まされている。  毎日、次から次へと数字が出てくる。  しかし、それらのうち、意味のあるものは何か。  そしてその意味するところを、迅速、かつ効果的に、  しかも信頼できる形で伝えるには、何をいかにして示すべきか。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第3章 利益、資源、見通し)     

■致命的に重要な存在■~純粋の顧客、純粋の流通チャネル~

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おはようございます。 うす曇りの川崎の朝です。 参議選の総括がメディアで盛んだ。 得票数でみると自公47%、野党52%、 投票率52%とすると有権者の7割以上が支持していないこととなる。 圧勝と言ってもこういう危うい基盤である。 政権与党の真摯さと有効野党の確立が求められる。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、企業には二種類の顧客があるとした。 山崎パンなどの、大衆消費財メーカーはこのことを理解しているが、 食パンやクロワッサンの材料となる、小麦粉や甘味料などを作る生産財メーカーは、 山崎パンを顧客としてみており、流通チャネルとみていないとする。 しかし、山崎パンは、小麦粉や甘味料をスーパーやコンビニなどの販売店や 顧客のために購入しているのであり、 流通チャネルの機能を果たしているのである。 山崎パンなどの製パン会社は、純粋の顧客であるとともに、 純粋の流通チャネルという二つの役割を演ずる。 例えば、自社の甘味料が製パン会社から購入されなくなった場合、 その原因は、一般消費者が購入しなくなったのか、 もしくは製パンメーカーが他社の甘味料に乗り換えたことなどが考えられる。 消費者が購入しないことの原因は、その材料自体が受け入れられなくなった可能性があるとともに、 製パン会社の製造・販売プロセスでこの甘味料が生かされていない可能性もある。 これは、流通チャネルという役割での問題であり、致命的に重要な問題である。 そして最後に、この流通チャネルの変化は速いとする。 「流通チャネルは、技術よりも速く変化する。  顧客のニーズや価値観よりもはるかに速く変化する。  実際のところ、流通チャネルに関する意思決定のうち、  五年たっても陳腐化せず、新しい考え方や根本的な変化が必要にならないものはない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第2章 業績をもたらすもの)     

■市場、顧客、最終用途■~流通チャネルは、顧客でもある。~

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おはようございます。 うす曇りの川崎の朝、すでに湿気が多い一日になりそうですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、流通チャネルは、特有で複雑な事情を持つとする。 流通チャネルは、文字どおり流通の経路である。 メーカーが作った製品を運び、保管し、販売する。 これら運送会社、倉庫会社、小売店などがメーカーにとっての流通チャネルとなる。 メーカーにとって、これらの流通チャネルが存在しなければ、製品が市場・消費者に届かない。 つまり、流通チャネルはメーカーにとっての顧客でもあるのだ。 この流通チャネルは、製品、市場、顧客、最終用途に適合していなければならず、 製品が、顧客としての流通チャネルと適合していなければならない。 そうでなければ、製品は市場に到達せず、消費者から購入されることはないし、 企業が業績をあげることもできない。 たとえば、Shibuya 109で女子高生向けの洋服を販売しているアパレルメーカーは、 女子高生とShibuya 109という二種類の顧客を持っていることとなる。 しかも、この二つの顧客は、それぞれ期待するものと要求するものが異なる。 女子高生は自分にあった洋服を期待し、109は多くの女子高生が来店することを期待し要求する。 アパレルメーカーは、この双方の期待と要求を理解し対応しなければならない。 「流通チャネルは、流通の経路であると同時に顧客でもある。  流通チャネルは、製品に適合していると同時に、  市場、顧客、最終用途に適合していなければならない。  そしてなおかつ、製品の方が、顧客としての流通チャネルと  適合していなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第2章 業績をもたらすもの)     

■製品は二義的に存在する。■~流通チャネルは、コントロールできない。~

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おはようございます。 うす曇りの川崎の朝、涼しいです。 参議院選挙後、敗北の政党は責任問題で揺れ動いている。 今回の結果は、与党不支持者の受け皿がなかったことが原因との分析がされている。 なので、野党再編の議論が盛り上がるのだろう。 しかし、今、日本には見通しのつかない様々な問題が存在しており、 国民の多くはこれらに対する確かなビジョンを望んでいる。 ビジョンのない離合集散には辟易しているのだ。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、市場と流通チャネルは、業績をもたらす領域として、製品よりも重要なことがあるとする。 製品は、事業活動としてコストと売り上げを計上する。 一方、市場と流通チャネルは、収益はなく事業経費としての支出のみが発生する。 企業の製造物(製品)は、市場、流通チャネルを経てエンドユーザに購入されて初めて製品となり、収益源となる。 ドラッカーは、市場と流通チャネルは、製品からは独立して一義的に存在し、 一方の製品はそれに依存した二義的な存在と定義する。 つまり、製品は市場と流通チャネルがあって初めて、製品としての意味を持つのだ。 一つの例を示す。 ある家庭用消耗品メーカーが、アフターサービスの必要性から、 ある製品を専門店で売らなければならないと考えた。 優れた製品で、販売チャネルも積極的に販売したが売上げは伸びなかった。 原因はその製品がは二か月ほどで消費される大衆消費財で、専門店ではなく、 量販店で売らなければならなかったのだ。 「市場と流通チャネルは、事業の外部にあるために、  製品のように自由にコントロールはできない。  製品の変更は命令できても、  市場や流通チャネルの変更は命令できない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第2章 業績をもたらすもの)     

■業績をもたらす三つの領域■~製品、市場、流通チャネル~

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おはようございます。 うす曇りの川崎の朝、涼しいです。 ガソリンの値上げが続いている。 今月初めエジプトで起こった政変も一因だろう。 マーケットは様々な環境要因の影響を受ける。 イギリスのプリンス・ジョージは日本のマーケットにどのような影響を与えるのか? ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 企業が作り出した製品は、市場がなければ消費者に届かないし、収益を上げることができない。 そして、市場に届けるためには流通チャネルが必要となる。 この製品、市場、流通チャネルのそれぞれが、収益上の貢献をもたらすとともに、コストを発生させる。 なので、これらは、総合的に、かつ互いの相関関係において分析しなければならない。 ドラッカーは、これらの三つの領域間の不適合から業績不振を生み出した例を示す。 アメリカのある大手食品量産メーカーが、グルメ食品を、食品専門店だけで売ることに決め、 この新事業は失敗に終わった。 その後まもなく、同業他社が、同じような食品をスーパーを通じて売り出して成功した。 一般の主婦にとって、食品専門店は、日常利用する流通チャネルではない。 一方、食品専門店で買物をする少数の主婦にとっては、 どこで売られていても、どのようなネーミングをしても 量産メーカーによって作られた加工食品は購入しないのだ。 「企業に働くあまりに多くの人たち、特に生産財メーカーの人たちが、  自分は散文で話していたことを知らなかった  モリエールの主人公ジュルダン氏のように、  流通チャネルに依存していることはもちろん、  流通チャネルを利用していることさえも、  気づいていないかのようである。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第2章 業績をもたらすもの)     

■製品を定義する■~かみそりと替え刃~

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おはようございます。 うす曇りの川崎の朝、涼しいです。 昨日は都内で、記録的豪雨で電車が一時的にストップし混乱した。 前代未聞の気象現象が増加することは、”すでに起こった未来”だろう。 命を守るために、行政も、個人も工夫が必要でしょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは事業の分析に当たっては、”正しい答えではなく、正しい問いが必要で ある。”とした。 そして、業績をもたらす領域についての分析は、製品の分析からスタートすることが 賢明であるとする。 まず、主力製品とそれに付属する製品の関係について、二つの例をあげて問題点を示す。 ●販促用製品の例;ジレットの安全かみそり 利益率の高い替え刃市場を創出するために、利益率の低いかみそりをただ同然で販売した。 そして、成功している。 ●事務用コピー機メーカー:コピー機と消耗品 この企業は当初、消耗品市場を生み出すためにコピー機を販売していた。 コピー機を、製品とは定義せず、消耗品を主力製品と定義していた。 しかし、肝心の消耗品は専門企業に市場を奪われ失敗だった。 そこで、品質が劣り高価な自社の消耗品を無理に売ることをやめ、 コピー機を主力製品とすることにより売上げが急増した。 これらの例は、単なる言葉の定義の問題ではなく、 いかなる事業活動を行うかを決める、事業上の重要な意思決定の問題である。 「機能的には同じだが、多様なサイズ、形状、色彩を伴う製品は、  すべてをまとめて一つの製品と見るべきか、  別の製品と見るべきかという問題がある。  マーケティング、生産、そして財務分析のそれぞれの論理が、  それぞれの答えを出すに違いない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第2章 業績をもたらすもの)     

■事業の目的は、顧客の創造■~経済価値への転換プロセス~

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おはようございます。 うす曇りの川崎の朝、涼しいです。 参議選挙終わった、大方の予想通り、 自民圧勝し衆参のねじれが解消した。 問題の投票率は、これも予想どおり低調、 52.61%と過去3番目に低い水準にとどまった。 受け皿ないとの理由で投票しなかった声が多いが、 言い訳でしかない。 投票しなかった人間は、 この結果を自ら選択したに等しい責任を負うこととなる。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 自社の事業にとって、どのような領域が業績をもたらしているかについて分析した。 次に、事業と顧客の関係について指摘する。 そもそも事業の目的は、顧客の創造である。 大原則である。 その顧客とは、自社の製品を経済価値に転換してくれる人、 自分のお金で自社の製品を購入してくれる人たちである。 そして、その製品は企業の持つ資源である知識を元に生み出されるものである。 つまり、事業とは、市場において知識という資源を経済価値に転換するプロセスと言える。 そのために、顧客は自社の何に対して対価を支払うのか、自社の強みはどこにあり、 さらに伸ばすべきことはなにか、などについて常に追及する必要がある。 市場を本当に知っているのは顧客本人なので、顧客を創造するためには、 顧客自身に聞き、顧客を見、顧客の行動を理解する必要がある。 そうして初めて、顧客とは誰であり、彼らが何を行い、いかに買い、 いかに使い、何を期待し、何に価値を見出すかを知ることができる。 「事業の目的は、顧客の創造である。  買わないことを選択できる第三者が、  喜んで自らの購買力と交換してくれるものを供給することである。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第1章 業績をもたらすもの)     

■業績をもたらすものはなにか■~製品、顧客、流通チャネル~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝です。 昨晩も涼しく快適な夜でした。 今日は参議選挙。 原発のことも、消費税のことも、TPPのことも皆慣れて鈍感になっている。 この日に改めて、問題としてとらえ、意思決定する必要がある、 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 企業の現実を理解するための8つの仮説を検証した。 次は、自社の事業にとってどのような領域が 業績をもたらしているかについての分析プロセスとなる。 この分析では、以下のプロセスを実行する。 「事業を分析する」 ⇒ 「製品を定義する」 ⇒ 「3つの領域を対象とする」 業績をもたらす領域は、製品、顧客、流通チャネルの3つにあり、 それぞれが収益をもたらすと同時にコストを発生させる。 それらの領域のなかで、顧客と流通チャネルは企業の外部に存在し、 企業のコントロールから外れた位置にあるため、 製品以上に重要な場合がある。 自社の製品と販売チャネルが相互に適合していなければ、 自社の思いの詰まった製品は顧客に届かない。 また、流通チャネルも自社の製品とマッチしていなければ、 製品は顧客に届かない。 例えば、アサヒスーパードライは、コク、キレ、鮮度をコンセプトに開発された。 このコンセプトを生かすために、ビール工場から3日以内に販売店に届く保管・流通体制を構築する必要があった。 そして、この新鮮さが伝わるようにビールがよく冷えた状態で見える冷蔵庫のあるコンビニで販売されて初めて、 顧客は”スーパードライ”を購入する。 このように、企業は常に3つの領域について分析する必要がある。 「製品には市場がなければならないということは、  明らかでありながら、しばしば忘れられる。  さらに製品を市場に届けるには、  流通チャネルがなければならないということも忘れられる。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第1章 業績をもたらすもの)