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■美術館に飾れる組織図はない。■~問題は組織そのもの~

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≪悪い組織≫ その3 ◆主要な人の注意を、重要でない問題や的はずれの問題に向けさせること 組織構造の原則は、組織運営に大きく関わる人が、重要な問題にのみ関心が持てるものでなければならない。 では、重要でない問題や的はずれの問題とは? 例えば、勤務態度、礼儀作法、手続きなどは、活動に対する制約条件であり、組織の成果や業績に大きな影響を与えるものではない。 また、持つべき機能を考慮することなく、一般的な組織論に則って組織構造を機械的・形式的に部門を組み立てると、その組織自体が目的となりそれぞれが縄張り意識を持つこととなってしまう。 これは重要な問題ではないが、組織全体の障害事項であるので、注意を向けざるを得なくなる。 こういった問題に、主要な人の関心を向けさせることは、本来行うべき重要な問題への対応を制限することとなる。 これらの問題は、成果ではなく、組織構造そのものに焦点を合わせていることから発生するもので、手段が目的を超え独り歩きしていると言える。 また、組織構造を表す組織図は、組織構造の認識を合わすための共通言語とするために、現実の組織構造を分かりやすく単純化したものにすぎない。 なので、組織図には現実の役目や活動の全てが網羅されているものではない。 あくまでも、組織図は組織が成果を上げるためのひとつの手段でしかないにもかかわらず、一旦作り上げた組織図自体が目的化してしまう。 ドラッカーは、この組織図を絶対視して組織構造の改革に手をつけてしまうことは、まちがった組織をつくりあげてしまうとする。 「美術館に飾れる組織図などありえない。  問題はあくまでも、組織図ではなく組織そのものである。  組織図は、組織構造について議論するとき、  同じ言葉で話し合えるようにするための道具である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 32 組織の基本単位)