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■自己規律が必要な難しい組織■~専門知識だけでは無用の長物~

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5つの組織形態の持つ特色、チーム型組織。 ◆チーム型組織の適用範囲 トップマネジメントの仕事に関しては、唯一最高の組織構造である。 また、イノベーションのための仕事にも最適であるが、 現業の活動については、単独ではなく補完的に適用すべきであるとする。 チーム型組織が最大の貢献を果たす領域は、知識労働の領域である。 知識労働者は、それぞれ職能別の本拠を持ちながら、他の職能や 専門分野の知識労働者とともに、一つのチームを作って働くことになる。 例えば自動車メーカーの設計部や製造部、品質部に所属する専門労働者が、 新車開発チームで仕事をするといったことだ。 これらの労働者はチームの仕事を通して、自らの知識や技術が組織に貢献する機会を見出し、 さらににその知識や技術を進化させる意欲を持つ。 この進化をドラッカーは”専門分化”という。 専門的知識や技術が進化すると、その専門領域における内容が狭く深くなり、それにつれて他の領域との境目が鮮明になるということだ。 その専門分化した知識は、単独では無用の長物で、他の人の仕事に対するインプットとなるとき初めて意味を持つ。 例えば、タイヤ技術だけがいかに進化しても、エンジンやシャーシとマッチしなければ適切な自動車は製造できないということだろう。 ドラッカーはこのチーム型組織は、自己規律を必要とする難しい組織であり、限界も欠陥もあるとする。 専門知識や技術はその専門家自身が一番良く理解しているので、それらがより有効性を発揮させることができるのは本人のみ。 部分最適を全体最適に”統合”する、ここが大きな課題なんでしょう。 「専門分化した知識は、単なるデータとまではいかなくとも、  それだけでは何ら用をなさない断片にすぎない。  専門知識は、他の人の知識と結合するとき、初めて生産的になる。  他の人の意思決定、仕事、理解に対するインプットとなるとき意味を持つ。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 34 五つの組織構造)