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■イノベーションの戦略とは?■~昨日を捨てる。~

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おはようございます。 今日も肌寒いが、青空が穏やかな川崎の朝です。 今週もはや月中日、今週も頑張りましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、まず初めに、予測可能なイノベーションに焦点を合わせた戦略を持つ。 そして、その戦略実行のプロセスの中で、予測不能なイノベーションに対する感覚を育て、 早く察知し活用する体制をつくっておかなければならないとした。 次に、イノベーションの戦略について触れている。 まず、既存事業の戦略と同様に「われわれの事業は何か。何であるべきか」 との問いから始まるべきだが、次の点で、イノベーションと既存事業の戦略は 異なるとする。 ▲未来に関する仮定  既存事業の戦略:現在の製品、サービス、市場、流通チャネル、技術、工程は 継続するものと仮定する。  イノベーションの戦略:既存のものはすべて陳腐化すると仮定する。 ▲戦略の指針  既存事業:より良くより多くのもの。  イノベーション:より新しくより違ったもの。  イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、 陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。 ▲組織活動  既存事業:昨日を守るために時間と資源を使う。  イノベーション:昨日を捨て、資源、特に人材という貴重な資源を 新しいもののために解放する。 そして、次に重要なことは、目標を高く設定することであるとする。 なぜなら、イノベーションの成功率はせいぜい10%なので、 残り90%のコストの埋め合わせを行う必要があるのだ。 一つの成功が他の九つの失敗の埋め合わせをしなければならないこととなる。 「イノベーションを行う組織は、  昨日を守るために時間と資源を使わない。  昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を  新しいもののために解放できる。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第9章 マネジメントの戦略 44 イノベーション)     

■真に重要なイノベーション■~99件の失敗~

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おはようございます。 肌寒い朝だが、日中は穏やかな気候になりそうだ。 「モヒートを一口すすり、ミントの葉の形をいくつかの角度から点検した。」 薄暗いバーのカウンターでのカップルの会話、彼女がこのあと口にする問いかけは、 違和感を含む微妙なものだろうということが目に浮かぶ。。 このような表現が、村上春樹作品の魅力の一つだと思う。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、イノベーションの機会は、体系的に探せるとする。 意識の変化、ビジョンの変化、期待の変化もイノベーションの種となるが、 予測不能なイノベーションもあるとする。 動きを利用することではなく、動きそのものを変えることである。 それらは、真に重要なイノベーションであるが、確率分布の外にある。 ほとんど起きないかもしれない類で、当然のことながらリスクは大きい。 ”成功一件につき99件の失敗がある。 99件の失敗は、話題にもならずに終わる。” この種のイノベーションは、真に偉大な歴史的イノベーションであるが、 マネジメント不可能であり、体系的かつ意図的な活動として組織することは難しい。 これらは、桁はずれに重要ではあるが、まれにしか起こらないので、 例外として扱わなければならない。 どうすべきなのか? ドラッカーは、次の通り示唆する。 まず初めに、予測可能なイノベーションに焦点を合わせた戦略を持つ。 そして、その戦略実行のプロセスの中で、予測不能なイノベーションに対する感覚を育て、 早く察知し活用する体制をつくっておかなければならない。 「世界の動きそのものを変える予測不能な  イノベーションがある。  それらのイノベーションは起業家が何事かを  起こそうとして試みるイノベーションである。  それらこそ、真に重要なイノベーションである。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第9章 マネジメントの戦略 44 イノベーション)     

■イノベーションの力学■~確率分布に従う~

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今日は穏やかな一日でした。 村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」届いた。 明日はこの本をゆっくり読もう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、イノベーションとは、価値であるとした。 そして、イノベーションには、”力学”がある。 どのような変化が、イノベーションの機会となりうるかは、 確率分布に従うとする。 そして、ドラッカーは、成果をもたらす分野は体系的に探せるとする。 まず、需要が増大しているにもかかわらず収益が伸びないときの対処を示す。 収益が伸びない理由は、製造プロセスの無駄や製品が価格競争におかれていること、 チャネルの適合性が低いこと、顧客満足が低下したことなどが考えられる。 なので、これらを変えるイノベーションが大きな成果を生む。 その際に注意すべき変化は、すでに発生していながら、 経済的な衝撃がまだ表れていない変化である。 そのなかでも、もっとも重要で確実なものが人口構造の変化である。 これに対し、知識の変化もイノベーションの機会だが、不確実性が高いとする。 なぜなら、知識というものは、眼には見えないもので、どのようなスピードで、 どのような大きさで変化しているかはわからないからである。 「イノベーションを行う組織は、  イノベーションの力学というものの存在に気づいている。  それが確率分布に従うことを知っている。  いかなる種類のイノベーションが、  製品、工程、事業、市場となりうるかを知る方法を知っている。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第9章 マネジメントの戦略 44 イノベーション)     

■イノベーションの尺度とは■~組織の外にもたらす変化~

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おはようございます。 快晴の川崎、肌寒い朝です。 今日発売の村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」。 行列して購入するファンは恒例になっている。 アマゾンから届くのを待とう。 福島第一原発、汚染水漏れが続く。 東電は漏れを”事象”としてとらえるところから間違っている。 当事者意識が欠如している表れで、 対応しては漏れ、また洩れるという泥縄状態。 自分自身で収拾できなければ国として対応しなければ 実質的な被害が拡大するばかりだ。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ イノベーションを行う組織はまず、その意味を知っている。 ドラッカーは、イノベーションとは、”価値である。”とする。 「がん幹細胞」の研究が進んでいる。 がんの発生メカニズムを解明し、根本的ながん制圧に有効になる可能性がある。 この研究結果が医療現場に活かされることになると、 もしかすると”がん治療薬”は売れなくなるかもしれない。 すぐれた医薬品メーカーは自社の薬を売れるようにすることを目的にするのではなく、 医療そのものを変えることを目指す。 イノベーションの好例だろう。 企業の活動結果は外の世界、つまり市場への貢献として現れなければならない。 イノベーションは、単に新しい商品を作り、変わったサービスを 生み出すというだけではだめ。 製品に焦点を合わすのではなく、外の世界、つまり市場に焦点を合わせ、 そこに”価値”ある影響を生み出すものでなければならない。 「イノベーションとは、科学や技術そのものではなく価値である。  組織のなかではなく、組織の外にもたらす変化である。  イノベーションの尺度は、外の世界への影響である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第9章 マネジメントの戦略 44 イノベーション)