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■明快と単純は同じではない。■~成果どころか障害となる。~

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ドラッカーは、マネジメントの持ついくつかの側面から分類した組織構造の種類について述べた。 そして、いかなる組織構造であっても、組織として最小限持たなければならない条件が7つあると続ける。 ◆明快さ ◆経済性 ◆方向づけの容易さ ◆理解の容易さ ◆意思決定の容易さ ◆安定性と適応性 ◆永続性と新陳代謝 その1 ◆明快さ ”明快と単純は同じではない。 単純に見えて明快でないものがある。 複雑に見えて明快なものもある。” ドラッカーは、二つの建築様式を比較しながら、組織構造の明快さについて、指摘する。 ≪ゴシック建築の教会≫ 装飾や抽象的コンセプトが豊富で建築様式としては極めて複雑だが、訪れる人にとっては、キリスト教についての信仰や知識がなくても、建物が宗教を目的としていることを明快に理解できる。 ”複雑に見えて明快である。” ≪近代ビル≫ それ以上単純にできないほど単純化されている立方体の集積にすぎない。 しかし、案内図や標識なしに近代ビルから外へ出ることは困難であり、 標識どおりに歩いてさえ迷う。 建築様式としては至って単純だが、建築物として使用する人にとっては”明快”ではない。 ”単純に見えて明快ではない。” ドラッカーはこの建築に例えて、組織構造の明快さの必要性を説く。 「組織マニュアルの助けなしでは、自らの所属や行くべきところ、  あるいは自らの位置がわからない組織構造は、  無用の摩擦、時間の浪費、論争や不満、意思決定の遅れをもたらす。  そのような組織構造は、成果をあげる助けとなるどころか障害となる。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 33 組織の条件)