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■自由と平等の追求■~不逞な石工の妄想~

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おはようございます。 昨日とは一変、 梅雨らしい曇り空の川崎の朝です。 韓国でのMARSが収まらない。 感染が疑われ入国した人が6人いたが、 潜伏期間の2週間経過し、 発症がなかったとのことである。 この時代、ウイルスを 完全に国境で防ぐことはできない。 一人ひとりが自己防衛を 考えなければならないんでしょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 自由と平等の追求 ヨーロッパにおいて 自由と平等は、 二つの基本概念である。 200年にわたって、 キリスト教の秩序からスタートし、 自由と平等を目的とし、 その実現を正統性の根拠としてきた。 ヨーロッパの歴史は、 この2つの概念を 現実の社会に実現しようと企てる歴史だった。 この企ては、 初めは宗教的な領域で求められた。 それは、あの世ではあらゆる人間が平等であり、 あの世の運命は、 準備段階であるこの世における行動と思考によって 自由に選択できるという信条であった。 これは、単に大衆を慰める手段に すぎなかったかもしれないが、 当時の人たちにとっては、 その約束は現実のものだった。 「教会の扉に法皇や司教、  王たちの堕獄を描いた「最後の審判」の図は、  不逞な石工の妄想ではなく、  自由と平等を精神の領域で実現しようとした  当時の真理の表現だった。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■経済学の成立■~自由と平等を実現するという約束~

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おはようございます。 昨日分のブログをアップします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 経済人の概念が、 人間の本性を表すものとして 受け入れられるようになり、 経済学の発展が可能となった。 経済学が支配的な地位に置かれ、 経済学者は、企業の経営者、 政治の指導者、セミナーの講師、 ラジオの解説者として引っぱりだこである。 ドラッカーはこの動きを、 表層的な現象とし、 これは人を誤らせかねないとする。 ”われわれは、経済人の社会を救うための最後の絶望的な試みとして、経済学者を配置しているにすぎない。” 「マルクス主義の先には、  経済の領域の優越性と、  社会の目的としての自由と  平等への信条を融合させる手立てはなかった。  経済人の概念そのものにせよ、  経済人の概念を基盤とするいかなる社会にせよ、  それを正統なものとする唯一の根拠は、  自由と平等を実現するという約束だった。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■エコノミック・アニマルとする概念■~虚構のナンセンスである~

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おはようございます。 梅雨空の川崎の朝、 今日も降ったりやんだり、 しかたないですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 資本主義とマルクス主義の信条と秩序は、 経済的な自由が、 自由と平等を自動的にもたらすという 目論見が誤っていたために失敗したとした。 そして、そのもっとも深刻な影響は、 社会の基盤としての基本的な概念である、 人間の本性と社会における位置づけと役割 についての考え方に対するものである。 経済的な自由が、 自動的に自由と平等をもたらさない ということが明らかになったために、 資本主義と社会主義の双方の基盤となっていた 人間の本性についての概念、 すなわち「経済人」の概念が崩れた。 「経済的な地位、経済的な報酬、  経済的な権利は、  すべて人間が働く目的である。  これらのもののために、  人間は戦争をし、死んでもよいと思う。  そして、ほかのことはすべて偽善であり、  街いであり、虚構のナンセンスであるとする。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■破綻した「経済人」の概念■~偽りの神であること~

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おはようございます。 関東地方の昨日は、突然の横殴りの雨に驚かされた。 今日も同様の急変が予想されてます。 お気を付けください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 現実に存在する階級社会は、 資本主義そのものの信条と相容れないため、 資本主義は意味をなさなくなった。 そして、”階級闘争”は、 現実を認識し説明はしたが、 何ももたらさなかっがゆえに、 マルクス主義にも意味がなくなった。 資本主義とマルクス主義の信条と秩序は、 経済的な自由を実現すれば 自由と平等が自動的にもたらされるという 論理の誤りにより失敗した。 そして、この失敗は、 経済の領域で影響をもたらしつつあるが、 政治の領域でも、 あらゆる制度を無意味なものにしているとする。 「資本主義が、  厳格に仕切られた階級の間に  必然的に階級闘争をもたらすために、  偽りの神であることが明らかになった一方で、  社会主義も、  階級をなくすことができなかったがゆえに、  偽りの神であることが明らかになった。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■飢えだけの、悲惨で意味のないもの■~安定を捨てることを求めた。~

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おはようございます。 曇り空の、川崎の朝。 今日も雷雨等、不安定な天候。 お気を付けください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、資本主義以前の 貧しく飢えた職人や農民にとって、 経済的な自由は脅威を意味したとする。 それは、なぜか? 経済的な自由は、 彼らに安定を捨てることを求めた。 その安定とは、彼らにとって、 飢えがあるだけの、 悲惨で意味のないものだったが、 それが彼らの持つ全てだった。 それすら、 経済の自由という名のもとに 奪われたからだ。 「経済的な自由は、  一人ひとりの人間に経済的な不安定をもたらし、  経済的な利益をもたらさなかった。  それは、親から譲り受けた小さな土地、  市場を守ってくれる関税、  ギルドの最低賃金を奪った。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■経済的な自由は脅威■~これが資本主義である。~

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おはようございます。 雲の多い川崎の朝、 日中は雨が降りそうです。 昨日は群馬県で突風で被害が出た。 いつどこで起きてもおかしくない状況、 気を付けましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、資本主義は、 経済の領域に 独立性と自立性を与えるとする。 資本主義において、経済活動は、 経済要因以外に干渉されることはない。 しかし、本来あるべき社会的な目的を 実現できなければ、正当化されず、 永続の可能性すらない。 資本主義の発達によって得られた 物質的、経済的な成果から見れば、 経済活動の自由というものは 望ましい形だった。 しかし、資本主義以前の 貧しく飢えた職人や農民にとって、 経済的な自由は脅威を意味した。 「経済活動は、  経済以外の要因に左右されることなく、  上位に位置づけられる。  まさに経済的な進歩が千年王国を実現するがゆえに、  経済的な目的の実現のためには、  あらゆるエネルギーを注がなければならない。  これが資本主義である。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■プロレタリア自身に対する独裁■~神なき教権階級~

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おはようございます。 雲の多い川崎の朝、 今日は雨の様ですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ そのような仕組みが、 経済的な効率と生産性を 生み出すかもしれないが、 そのような社会は、 階級のない社会どころか、 敵対する階層による硬直的な社会である。 こうしてマルクス主義は、 農奴が受益者として宣言されただけの 完全な封建社会を生みだした。 12、13世紀の封建主義の時代でさえ、 当時の社会信条にもとづいて正当化されていた。 ところが社会主義国では、 この社会階層が正当化されない。 したがって、そのような社会が 必然の結果であることが明らかになったとき、 マルクス主義は、あらゆる基盤を失った。 「マルクス主義は、  ロシアにおいて真に自由な   社会主義実現の日を「無期延期」したとき、  その革命が失敗したことを   結果として認めることになった。  これを普通の言葉に翻訳するならば、  プロレタリアの名のもとに   権力を握った少数の人間が、  それをプロレタリアに返す日は   永遠に来ないということだった。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■マルクス主義の失敗■~階級のない社会の実現~

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おはようございます。 雨は降ってはいないが、 梅雨らしい暗い空の川崎の朝です。 週末をお楽しみください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 その後起こるファシズム全体主義の台頭の要因は、 マルクス主義の失敗にあるとする。 そして、それは経済の失敗ではなく、 階級のない社会を 実現できなかったことにあるとする。 マルクス主義の基本的な教義は、 ”資本主義は、生産規模の拡大に伴い 必然的に、労働者中心の社会構造になる。” というものであった。 このことから、少数の搾取者の手から 生産手段を解放すれば、 階級のない社会を もたらすことができるはずであった。 ところが実際には、 共産主義国において 特権を有する者の数は、 生産単位の拡大に伴い、 減少するどころか 幾何級数的に増加していった。 「マルクス主義が教義としての力を失ったのは、  階級のない社会を実現できず、  それどころか自由のない硬直的な階級を  必然的にもたらさざるをえないからだった。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■秩序なき大衆への賛美■~不合理の魔力に従う。~

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おはようございます。 小雨の降る川崎の朝です。 梅雨なので、雨降りは当たり前ですが、 長くは続かないようで、 関東地方の週末は良い天気みたいですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは相対主義の誤りを指摘した。 そして、さらに理念や信条しか考えない 絶対主義も間違いであるとする。 絶対主義は、社会が機能して初めて 意味をもちうること、 さらには、機能する社会の代わりとなるものは、 無秩序な大衆という社会の崩壊しかないことを 理解しようとしない。 そして、権力に正統性がなければ、 専制政治が起こる。 そのとき、個人は”不合理の魔力に従う。” 変化を約束する者でありさえすれば、 独裁者にさえ身を投げだすのだ。 「社会をもたない大衆は失うものがない。  束縛するものさえない。  しかも、理念をもたない大衆は、  彼らを思いのままにしようとする専制者に対して、  抵抗すべき組織的基盤をもたない。」 ~『イノベーターの条件』 (1章 社会の存在を当然としてはならない)

■相対主義と絶対主義の間違い■~何を目的とし、何を犠牲にするか~

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おはようございます。 昨日は、さわやかな天候の一日でしたが、 今朝は少し雲が出て、湿気が多い川崎です。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ これまでで明らかになったことは、 社会は、その成員である個人一人ひとりに対し 位置づけと役割を与えることと、 そこにおける権力に正統性がないかぎり 機能しないということである。 ドラッカーはこれは、 社会の一般理論であるとする。 そして、この一般理論というものは、 典型的に形式的である。 社会の中身である自由、平等、正義、 権利、進歩、平和、信教、 その他諸々の内包する価値については 言及しない。 社会は効率的に機能さえすれば よいということになる。 「何を目的とし、  何を犠牲にするかを考えないかぎり、  効率には意味がない。  社会は機能しさえすればよいとする相対主義は、  私のもっとも忌み嫌うところである。」 ~『イノベーターの条件』 (1章 社会の存在を当然としてはならない)

■権威とはなりえない権力■~正統性から離れていく。~

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おはようございます。 梅雨入りの関東地方、 今日は早速、快晴の一日になりそうです。 中休み? ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 正統ならざる権力とは、 社会の基本理念にもとづかない 権力であるとした。 そして、正統ならざる権力は 必ず腐敗するとする。 いかに善良、賢明、 正義の人間であろうとも、 制御も制限もない、 無責任で定義不能な権力をもたされれば、 短時間のうちに暴君となってしまう。 「正統ならざる権力は必ず腐敗する。  なぜなら、それは単なる権勢にすぎず、  権威とはなりえないからである。  制御不能であって、無制限、  しかも無責任である。  したがって、それは正統性からどんどん離れていく。」 ~『イノベーターの条件』 (1章 社会の存在を当然としてはならない)

■正統ならざる権力■~正当化に必要な権威が存在しない。~

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おはようございます。 未明の川崎、関東地方も梅雨に入った。 今朝はそれらしい天候。 しばらく鬱陶しい日々が続きますね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 正統ならざる権力とは、 社会の基本理念にもとづかない 権力であるとする。 そういった権力は、 社会的な認知が得られないことから、 その権力を使うことができない。 そして、正当化に必要な権威が 存在しないことから 責任の基準が存在せず、 何ものに対しても責任を負わないこととなる。 正統ならざるものに、 責任はありえない。 「正統ならざる権力を手にした支配者は、  その権力の行使を保証されない。  その権力には社会的な理念、  目的が伴わないからである。」 ~『イノベーターの条件』 (1章 社会の存在を当然としてはならない)

■社会的に機能する権力■~正統性以前の問題~

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おはようございます。 明るい陽射しの川崎の朝です。 夜には雨、そして梅雨入り、 でしょうか。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ここでいう決定的な権力とは、 社会的な権力で、 政府の権力は法的な権力である。 ドラッカーは、アフリカ植民地、 特にイギリスの植民地における 間接統治を例に挙げる。 法的には、イギリス総督が 権力をもっていたが、 社会的に決定的な権力は、 部族が持ち、 白人が支配する政府は 社会的な権力をもたなかった。 法と秩序という、 形式的で柔軟な枠組みのなかで、 部族の社会制度を支援するために、 警察の役割を果たしているにすぎなかった。 権力の持つ正統性とは、 機能に関わる概念であるため、 絶対の正統性などというものはありえない。 権力は、社会の基本的な理念との関連において 正統でありうるにすぎない。 「正統な権力とは、  社会的に機能する権力である。  何のために、なぜ機能するかは、  正統性以前の問題である。」 ~『イノベーターの条件』 (1章 社会の存在を当然としてはならない)

■決定的であり、正統でもあった。■~ジェントルマン(紳士)が、社会の理想~

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おはようございます。 雲の多い、涼しい朝を迎えた川崎の朝です。 今日は祝いの集まりがある。 嬉しくもあり、寂しくもある。 二人の門出に幸あれ。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 社会が自由、平等社会として機能できるのは、 権力が、自由、平等をめざし、 制度がそれらを実現するために 機能している間だけであるとした。 そして、いかなる社会についても、 何が決定的に重要であるかを 定量的に示すことはできないとする。 ”人間の鼻の数を数えて納税額を計算し、 所得水準を比較することほど 無意味なことはない。” 決定的な重要さとは、 政治的な意味合いのものであり、 純然たる定性的な尺度である。 ドラッカーは、イギリスにおける、 貴族の理想像であるジェントルマンを、 例に挙げる。 「彼らの理念が社会の基本となり、  彼らの基準が国の基準となり、  彼らの生き方が社会の規範となってきた。  そして彼らの理想の人間像、  すなわちジェントルマン(紳士)が、  社会が理想とする人間像となっていた。」 ~『イノベーターの条件』 (1章 社会の存在を当然としてはならない)