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■エルザ先生は「ソクラテス式問答の名手」■~ゾフィー先生は「禅師」~

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 おはようございます。 まだ少し雨が残る高知の朝ですが、 この雨も昼までの様ですね。 週明けの月曜日、 今週もよろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ゾフィー先生は生徒が絵を描けずにいると、 クレヨンや絵筆を手にとり、 非写実的な手法で幾何学模様のような絵を 描いて見せたがそれはちゃんと ネコの絵だとわかった。 いくつもの線やかたちのなかから、 ふいにネコの姿が浮かび上がり、 生徒たちが歓声をあげると、 先生も目を細めるのだった。 ドラッカーは、 先生は生徒を褒めるとき、 ただ笑みを浮かべるだけだが、 褒められたほうにしてみれば 無上の喜びだったとする。 そしてクレイムズは、 先生は何があろうとも、 決して生徒を叱責しなかったとし、 ドラッカーは、 エルザ先生を「ソクラテス式問答の名手」、 ゾフィー先生を「禅師」と呼んだ、 とする。 ついでドラッカーは、 次のとおり驚くべき告白をしている。 「自分は収入を必要としていたため、  いずれにしても教職の道に入ることに  なったかもしれないが、  エルザ先生とゾフィー先生という  ふたりの素晴らしい恩師に出会わなかったなら、  それが実現する可能性は低かっただろう。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■言葉ではなく表情やしぐさ■~とても小柄な先生~

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 おはようございます。 小雨が降る高知の朝、 今日は一日雨ですね。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ゾフィー先生は美術を教えており、 その工房はイーゼル、クレヨン、絵筆、 木工具、ハンマー、小さなミシンなどで溢れる 不思議な空間だった。 そして先生は、 たいていのものを生徒たちに 試しに使わせてくれたという。 ドラッカーは、 先生はいつでも手を差し伸べてくれたが、 助言や戒めの言葉はまったくなかったとし、 言葉ではなく表情やしぐさをとおして 生徒を教え導いた、 とする。 生徒たちが絵を描いたり、 工作に取り組んだりしていると、 その様子をしばらく眺めてから、 自分の小さな手 ―先生はとても小柄だった― で生徒の手をとり、 正しいやりかたを 相手が体得するまで教えるのだった。 「生徒が絵を描けずにいると、  先生はクレヨンや絵筆を手にとり、  幾何学模様のような絵を描いて見せた。  非写実的な手法だったが、  それでもちゃんとネコの絵だとわかった」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■美術を教えるゾフィー先生■~生徒の名前を覚えなかった~

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 おはようございます。 薄曇りの高知の朝です。 これから晴れますが、 夜には一雨ありそうです。 土曜日、良い週末をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ゾフィー先生は エルザ先生とは正反対に、 生徒自身に大きな関心を持っており、 生徒たちはゾフィー先生のまわりに 輪をつくっていた、 とした。 そしてゾフィー先生のそばには いつも生徒がおり、 何かがうまく行かないと、 いちばん年長の生徒でさえ、 先生のもとへ駆け込むのだった。 ゾフィー先生のもとには 悩みや自慢話が持ち込まれ、 先生は生徒たちの名前を まったく覚えていなかったが、 いつでも彼らを抱きしめたり、 背中をぽんと叩いたりして、 褒め言葉やお祝いの言葉をかけるのだった。 「ゾフィー先生は美術を教えており、  その工房はイーゼル、クレヨン、絵筆、  木工具、ハンマー、小さなミシンなどで溢れる  不思議な空間だった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ゾフィー先生のまわりに輪■~生徒自身への関心~

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 おはようございます。 今朝も快晴の高知です。 昨日は肌寒い一日でしたが、 今日は暖かくなりそうです。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 エルザ先生は力を伸ばすべき分野、 特に、力があるはずの分野で足踏みをしていると、 まるで報復の天使のように、 生徒たちに厳しい態度で臨むのだった、 とした。 そして、 エルザ先生の素晴らしさ、 偉大さについて、 ドラッカーは、 先生は生徒たち自身ではなく、 生徒の『学び』に関心を寄せていたが、 それでも、 ひとりひとりの生徒の名前や性格、 そして何より強みを、 ものの一週間で頭に入れてしまったととし、 生徒は先生を慕うというより、 むしろ崇拝していたと書いているとする。 姉妹教師のもう一人、 ゾフィー先生についてドラッカーは次のとおり 記している。 「ゾフィー先生は  エルザ先生とは正反対に、  生徒自身に大きな関心を持っていた。  生徒たちはゾフィー先生のまわりに  輪をつくっていた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■報復の天使のように■~力があるはずの分野~

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 おはようございます。 東の空に赤く染まった雲が浮いています。 高知の朝は肌寒く感じるくらいです。 今日は一日晴れても、 気温は穏やかなようです。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 エルザ先生が生徒の力を伸ばし、 独力で前へ進めるように、 フィードバックを与えるという考えは 後年ドラッカーの代表的な教えの ひとつとなった、 とした。 それは、 能力が向上するかどうかは すべて本人の努力しだいであるため、 自己啓発ができるように、 従業員には必ずフィードバックを 与えなくてはいけない、 という主張である、 と続ける。 学年のはじめにエルザ先生はピーターに、 よい成績をあげても決して 大げさに褒めたりはしない、 褒めるのはたまにだと伝えた。 「ところが、  力を伸ばすべき分野、  特に、力があるはずの分野で足踏みをしていると、  まるで報復の天使のように、  生徒たちに厳しい態度で臨むのだった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■独力で前へ進む■~ドラッカーの代表的な教え~

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 おはようございます。 東の空から明るくなり始めた 高知の朝です。 少し冷やっとします。 日中も落ち着いた気温の様ですね。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ エルザ先生とは、 毎週一回、 一対一で進み具合を 確かめることになった。 先生は、何度もうそをつくなど、 ひどく行いの悪い生徒には、 とても厳しい罰を与えたが、 決してほかの生徒たちの前で 叱りつけることはなかった。 エルザ先生は、 ひとりひとりの生徒の得意分野を大切にし、 それを伸ばすために、 短期長期、 両方の目標を設け、 そのあとではじめて、 弱い分野にも目を向けるのだった。 「そして、  生徒が力を伸ばし、  独力で前へ進めるように、  フィードバックを与えた。  これは後年、  ドラッカーの代表的な教えのひとつとなった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■算数がよくできますよ。■~見直しや検算の方法~

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 おはようございます。 雲が空を覆う高知の朝です。 昨晩は断続的に雨が降ったようです。 これから晴れ、 夏日予報になってます。 GW明けの火曜日、 頑張りましょう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ エルザ先生はピーター少年に、 自分で思っているよりも 算数がよくできますよと 励ました。 ほかの先生からは算数のできが悪い、 と告げられていたので、 計算が得意だと言われたのは、 ピーター少年にとっては 予想外だった。 エルザ先生は、 成績は思わしくないが、 それは算数がわかっていないからではなく、 途中で気を抜いてしまい、 しっかり見直しをしないから、 良い点数がもらえないだけだと、 辛抱強く説明した。 さらに、 ほかのみんなより 間違いが多いわけではなく、 ただ、間違いを見つけられずに いるだけなので、 今年は見直しや検算の方法を 身につけましょうと言った。 「きちんと身につくように、  あなたと同じ列と前列にすわっている  五人の計算の見直しを  お願いしますからね。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■毎週ふたつの作文を書く■~ひとりひとりの生徒と向き合う~

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 おはようございます。 曇り空の高知の朝です。 アングラ演劇の祖、 唐十郎さんが亡くなった。 寺山修司達と共に新しいカルチャーを 創造した先駆者。 自分の青年時代から影響を受けた人達が 段々と去っていくことはやはり寂しい。 しかしそういう年齢になったんでしょうね。 ゆっくりお休みください。 連休最終日の月曜、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ エルザ先生は、 学期のはじめの三週間は 試験やミニテストを行い、 生徒にどれだけ知識があるかを 確かめるとした。 その三週間の試験期間が終わると、 エルザ先生は一人ひとりの生徒と向き合い、 どの科目が一番良くできたか、 と訊いた。 ピーター少年が、 読解ですと答えると、 先生はうなずいたが、 その一方、 作文はもう少し練習 しなくてはいけないと言い、 毎週ふたつの作文を書き、 一つは先生が決めたテーマに従い、 もう一つは自分でテーマを決める、 という約束ごとを提案した。 「話し合いの最後に先生は、  『あなたは、自分で思っているよりも  算数がよくできますよ』  とも励ましてくれた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ドラッカーの恩師たち■~エルザとゾフィーの先生姉妹~

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 おはようございます。 高知の朝、晴れてますが、 少し雲がかかってます。 GW後半の後半、 気を付けてお楽しみください。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ピーター・ドラッカーは後年、 一流の教育者となったばかりか、 ハーバードほか世界的大学からの招聘を 断るまでになったとする。 ところが、ドラッカーにとって最高の師は、 実は小学校四年生のときに出会った 二人の先生だったと続ける。 その先生はエルザとゾフィーという姉妹で、 エルザ先生は、 ピーター少年が入学する12年前の開校時から、 校長先生を務めていたが、 クラス担任でもあったため、 ピーターは週に6日間、 4時間ずつ世話になっていた。 エルザ先生からは、 学期のはじめの三週間は 試験やミニテストを行い、 各生徒にどれだけ知識があるかを 確かめますとの説明があった。 「ピーターはそれを聞いておじけづいたが、  やってみると楽しかった。  なぜなら、採点は自分でするか、  ほかの生徒と互いに採点しあうのだった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■「知恵」を備えている■~素朴な価値観の実践~

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 おはようございます。 朝から青空が広がってます。 今日も夏日、 ”暑熱順化”にご注意を。 土曜日、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 「愚かな老婆」が 効き目を発揮したことを語った。 そして、自身が何年ものあいだ ナチスと言い争いをつづけていたが、 少しも効果がなかったと続ける。 それなのに、 祖母はマナーを持ち出して、 相手を説き伏せたのだ。 ドラッカーは祖母を 賢者だとは思わなかったが、 洗練、賢明さ、知性とは違う、 「知恵」を備えているのではないか、 という見方を強めていった。 そしてもちろん、 こっけいな面もあったが、 祖母の主張は 正しかったのではないだろうかとし、 結論として次のとおり語る。 「祖母は素朴な価値観を  暮らしのなかでそのまま実践した。  そのような価値観を二〇世紀に引き継ごう、  少なくとも自分のまわりの人々には  伝えようとしたのである。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■『愚かさ』の効き目■~祖母への疑問~

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 おはようございます。 今朝も快晴の高知です。 GW後半突入、 インバウンドも多く、 高知も込み合いそうです。 金曜日、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ 家族全員が、 祖母のナチス党員へのふるまいを知って 震え上がる一方、 胸を熱くしたり、 溜飲を下げたりもした。 そのころドラッカーの父親は、 ナチスを活動禁止にしようと 力を尽くしながらも、 目的を果たせずにいたため、 おばあちゃんに、 街中の路面電車に 毎日のように乗ってもらえたらいいのに と苦笑していた。 このときからドラッカーは、 祖母は本当に「愚かな老婆」なのだろうかと、 疑問を抱くようになった。 そして、 祖母の『愚かさ』が効き目を発揮したのは、 このときだけではないとし、 さらに続ける。 「第一次大戦により国境が引きなおされたあとも、  何日も行列に並ばずに  パスポートを手に入れることができた。  雑貨店では値切って買い物をした。  無法者に鉤十字を外させることにも成功した。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ハーケンクロイツを外した■~帽子をとっての一礼~

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 おはようございます。 久しぶりに青空が広がる高知の朝です。 飛行機雲が東西に走ってます。 明日からGW後半、どこに向かってんのかなぁ。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーの祖母は 路面電車に乗っているときに 若いナチス党員がつけている ハーケンクロイツについて説教をした。 それを見ていたピーターは、 どうなることかと 息を殺していたという。 ナチス党員は当時すでに、 老女を平気でひどい目に遭わせるよう 訓練されていたのだが、 幸いその若い党員は 鉤十字を外してポケットに入れ、 何分かのちに路面電車を下りると、 祖母に向かって帽子をとって 一礼したのだ。 「家族全員が、  祖母のこのふるまいを知って震え上がる一方、  胸を熱くしたり、  溜飲を下げたりもした。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■若いナチス党員■~ニキビ顔のうすのろ~

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 おはようございます。 小雨が降る高知の朝です。 このまま夕方までは降りそうです。 今日から5月、早いものですね。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーの祖母の とっておきのエピソードとして、 ピーターが祖母とともに 路面電車に乗っているときに、 鉤十字をつけた男性が 乗り込んできたときのことを あげる。 その時祖母はじっとしていられず、 立ち上がると傘の先で その若いナチス党員を突いて、 あなたがどんな政治的信条を持っていても、 わたしは気にしないし、 もしかしたら、 なかには意見が合う点もあるかもしれない、 と言った。 そしてあなたのことは、 教養と知性のある若者だと お見受けしましたと言い、 鉤十字を指して、 そのあなたが、 この印のせいで 不快な思いをする人がいることに 気づかないのかしら、 と続けた。 「他人の宗教をおとしめるのは、  ニキビを笑いものにするのと同じくらい、  卑劣な行いでしょう。  あなたも、  『ニキビ顔のうすのろ』なんて  呼ばれたらいい気はしないでしょう?」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■とっておきのエピソード■~鉤十字をつけた男性~

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 おはようございます。 曇り空の高知の朝、 雨は止んでるようです。 今日は一旦晴れ、 午後にはまた雨。 目まぐるしく変わる天気予報です。 GW前半を終えて合間の3日を 休暇にしている方も多いと思います。 気温変化にお気を付け下さい。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ 祖母はドラッカーの父親が オーストリア経済省の 高官だったのをいいことに、 経済省の職員に頼み込み、 何とイギリス、オーストリア、 チェコ、ハンガリー、 四カ国のパスポートを 取得してしまったのだ。 そしてこの行いを知った ドラッカーの父親は頭に血がのぼり、 官庁の職員は国のために働いているのだから、 私用を頼むなどもってのほかだ、 と怒鳴った。 すると祖母は、 「わかっているわ。でも、わたしも国の一員でしょ」 と平然と言ってのけた。 クレイムズは、 とっておきのエピソードは、 ドラッカーが最後に祖母に 会ったときのものだとする。 ドラッカーはこのエピソードを 『傍観者の時代』 で誇らしげに綴っている。 「ときは1930年代はじめ。  ピーターが祖母とともに路面電車に乗っていると、  鉤十字をつけた男性が乗り込んできた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■オーストリア経済省の高官■~オーストリア=ハンガリー帝国の崩壊~

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 おはようございます。 薄明るい雲が空全体を覆う高知の朝です。 これから雨が降り始め、 一日続きそうです、 今日は三連休最終日、 あいにくの天候ですがお楽しみください。 月曜日、今週もよろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーの祖母は 誰からも賢い人だとは 見られていなかったが、 ほかの人にはできない 芸当ができたとした。 そしてその一例をあげる。 1918年以前には、 オーストリア人はパスポートや ビザなしにどこへでも 行くことが許されていたが、 オーストリア=ハンガリー帝国が崩壊したあと、 政府は国境をまたぐ他国との往来に きわめて厳しいしばりを設け、 パスポートとビザの携帯を義務づけた。 これらを得るには、 何時間も列に並ばなくてはならず、 その挙句に、 手続きに必要な書類が足りないといって 追い返されるのだったが、 ドラッカーの祖母は 抜け道を考えついた。 「息子、  つまりドラッカーの父親が  オーストリア経済省の高官だったのをいいことに、  経済省の職員に頼み込み、  何とイギリス、オーストリア、  チェコ、ハンガリー、  四カ国のパスポートを  取得してしまったのだ。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■「リジー」という売春婦■~ほかの人にはできない芸当~

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 おはようございます。 朝からまぶしい陽射しの高知です。 昨日は少し肌寒くもありましたが、 今日は25度を超えそうです。 GW、お出かけの方も多いと思いますが、 急激な温度変化にお気を付け下さい。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーの祖母はすべての人を尊重し、 出会った人々については、 後々まで相手にとって 何が大切であるかを 心にとどめていたのだとした。 そしてアパートの外で客引きをする 「リジー」という売春婦にさえ、 持ち前の思いやりを示した、 と続ける。 誰もがリジーを無視するなか、 祖母は毎晩のように 「おやすみなさい」とあいさつし、 冷え込んだ夜には 「寒くないですか」 と声をかけたばかりか、 彼女に薬を手渡すために 長い階段をのぼりおりしたという。 「祖母は誰からも賢い人だとは  見られていなかったが、  ほかの人にはできない芸当ができた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ドラッカーが慕う祖母の本質■~相手にとって何が大切か~

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 おはようございます。 薄曇りの高知の朝、 小雨が断続的に降ってます。 昼過ぎには上がり、 晴れてきそうですね。 昨日は岡山県美作市への弾丸日帰り出張。 6:30出発、滞在4時間、18:00帰庁。 楽しい小旅行となりました。 運転手さんお疲れさまでした。 土曜日、良い週末をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーの祖母は、 亡夫が設立し亡くなるまで 会長を務めていた銀行に 持ち物の多くを 巨大な買い物袋に詰め込み、 持っていった。 そして買い物袋の中身を 銀行口座に預けようとしたところ、 支店長から、 お預かりできるのは金銭だけです、 と断られたため、 祖母は支店長を、 意地の悪い恩知らず、 と罵倒した。 祖母は口座を解約して わずかな残金をつかむと、 その支店を飛び出して 同じ銀行の別の支店へと向かい、 そこで口座を開いたのだという。 クレイムズは、 「愚かな老女」という呼称は、 ドラッカーが慕う祖母の本質を 一面からしかとらえていないとする。 「祖母はすべての人を尊重し、  出会った人々については、  後々まで相手にとって何が大切であるかを  心にとどめていたのだ。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■元会長の未亡人■~「スズメの涙」ほどの預金~

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 おはようございます。 未明の高知、 雲が多いですが東の空には 青空が見えています。 今日は雨の心配はなさそうです。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ピーターの祖母の奇妙なふるまいの例として、 亡夫が「巨額の資産」を遺したにもかかわらず、 オーストリアの深刻なインフレに飲み込まれ、 「教会に住みつくネズミと同じくらいの」 貧乏人になったということをあげた。 そしてこのとき、 「一族で誰よりも経済に詳しい」 ドラッカーの父親が、 インフレの概念をいくら懸命に説明しても、 結局は納得させることができなかったと続ける。 クレイムズは、もうひとつの事例をあげる。 祖母は生活が苦しくなる一方だったため、 ついには小さな部屋がふたつだけの住まいで 暮らさなくてはならなり、 身の回りのものが 住まいに収まりきらなかったため、 祖母は持ち物の多くを 巨大な買い物袋に詰め込み、 銀行に持っていった。 「口座には「スズメの涙」ほどの預金しか   残っていなかったが、  亡夫がその銀行を設立し、  亡くなるまで会長を務めていた関係上、  彼女は元会長の未亡人とし丁重な扱いを受けた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■一族の愚か者■~教会に住みつくネズミ~

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 おはようございます。 青空の広がる高知の朝です。 昨日は愚図ついた天気で 肌寒さもありましたが、 今日は一日晴れて気温上昇しそうです。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ピーターの祖母は、 「おばあちゃん」と呼ばれ、 一族のあいだでは、 おばあちゃんをめぐる お気に入りのエピソードが 語り継がれていた、 とした。 そしてそのどれもが、 彼女ならではの 奇想天外な方法で物事をこなす、 風変わりな人となりを 伝えていたと続ける。 このため彼女は 「一族の愚か者」と呼ばれていたが、 本人もそれを否定するどころか、 ことあるごとに「愚かな老女」を自任し、 それを証明するかのように、 まわりの人にすっとんきょうな問いを投げかけたり、 奇妙なふるまいをしたりしていた。 「たとえば、  亡夫が「巨額の資産」を遺したにもかかわらず、  オーストリアの深刻なインフレに飲み込まれ、  「教会に住みつくネズミと同じくらいの」  貧乏人になってしまった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■風変わりな人となり■~お気に入りのエピソード~

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 おはようございます。 今朝も小雨の降る高知です。 この雨、夕方までみたいですね。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ピーターの祖母は40歳で未亡人となったほか、 リウマチ熱とそれを原因とする心臓疾患、 重度の関節炎による指などの関節肥大にさいなまれ、 それに追い撃ちをかけるように、 極度の難聴にも悩まされていた、 とした。 ところが、これだけの健康不安を抱えながらも、 快活さを失わなかったと続ける。 ピーターの思い出のなかの祖母は、 黒い傘を杖代わりに使い、 自分の体重ほどもあるような、 重たい買い物袋を下げて、 街中を慌しく行き来していたという。 「娘や姪を含めて、  誰もが彼女を  「おばあちゃん」と呼んでいた。  一族のあいだでは、  おばあちゃんをめぐる  お気に入りのエピソードが語り継がれていた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ピーターの祖母■~波瀾万丈の生涯~

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 おはようございます。 小雨の降る高知の朝です。 今日は一日雨、 強く降る時間もありそうです。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 『傍観者の時代』には ドラッカーのひととなりが映し出されており、 著書、論文、インタビューなどからは うかがい知ることのできなかったドラッカーが、 そこにはいたのである、 とした。 というのも、 ドラッカーのような 傑出した人物の生い立ちは、 その人生に関わりを持った人々の 人生をとおして見えてくるのだ、 と続ける。 そして、 『傍観者の時代』の 最初の章でドラッカーは、 祖母について詳しく書いているが、 その祖母は、 どれほど想像力豊かな脚本家ですら 描けないような、 波瀾万丈の生涯を送ったとする。 「ピーターの祖母は40歳で未亡人となったほか、  リウマチ熱とそれを原因とする心臓疾患、  重度の関節炎による指などの関節肥大にさいなまれ、  それに追い撃ちをかけるように、  極度の難聴にも悩まされていた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ドラッカーのひととなり■~時代のありよう、空気、息吹~

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 おはようございます。 さっきまで降っていた雨で 道路が濡れています。 午後にはまた雨が降り始め 明日にかけて続きそうです。 月曜日、今週もよろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 『傍観者の時代』もまた、 読みやすいとはいえないが、 じっくり読み込むと、 そこには珠玉のエピソードが ちりばめられている、 とした。 そして、 ドラッカー自身は この『傍観者の時代』は、 短いストーリーによって構成しているが、 それぞれは独立しているが同時に、 世相を描こうという 狙いも持っていると述べている、 と続ける。 さらに戦間期のヨーロッパ、 ニューディール時代、 第二次大戦直後のアメリカなど、 最近の人にとっては 想像もつかない時代のありよう、 空気、息吹などを伝えようとしたのだ、 としている。 クレイムズは、 たしかに『傍観者の時代』は 狙いどおりの役割を果たしているが、 別の一面にも気づいたとする。 「そこにはドラッカーの  ひととなりが映し出されていたのだ。  著書、論文、インタビュー、  氏についての本などからは  うかがい知ることのできなかったドラッカーが、  そこにはいたのである。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■珠玉のエピソード■~キラ星のような知識人や文化人~

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 おはようございます。 小雨の降る高知の朝、 今日はこのまま雨の一日なりそうです。 天気は悪くても、 寒くも暑くもなく過ごし易そうですよ。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ウィーン学団や シュンペーターといった 一流の思想家の考えや 理論などに触発されて、 ドラッカー自身の哲学が 芽生えたのだとした。 くわえて、 ドラッカーが芸術、哲学、宗教、科学、 法律、社会学、ビジネス、文学など 幅広い分野に強い関心を抱いたのも、 キラ星のような知識人や文化人が 折に触れて生家に集まり、 これらのテーマについての 思い入れや考えを 披露していたからだろう、 と続ける。 そして、 このほかにも数多くの人々が ドラッカーの人生を彩ったのだが、 そのすべての人を紹介するには、 それだけで一冊の本を 書く必要があるだろうとする。 クレイムズは、 『傍観者の時代』は その役割を果たす本でもあり、 このエピローグの内容の多くも 『傍観者の時代』に由来しているとする。 「この本もまた、  読みやすいとはいえないが、  じっくり読み込むと、  そこには珠玉のエピソードがちりばめられている。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ドラッカーの学びの原点■~自身の哲学が芽生えた~

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 おはようございます。 薄曇りの朝です。 これから雲が増え、 夜には雨が降りそうです。 今は少しひんやりしますが 日中は夏日になりそうです。 土曜日、良い週末をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーの生家での会話や 議論の中身は、 当時の年齢ではあまりに高尚だったが、 ピーター少年も、 客人たちの輪のなかに入ることを 許されていたとした。 そして9時半になると、 ピーターは就寝のため自室に戻り、 10時半にはウィーン中心部へ向かう 最終電車に乗るために、 来客者たちも引き上げていったと続ける。 ドラッカーは後年、 活気溢れる議論を振り返り、 あれらの夕べこそが 学びの場でした、 と語っている。 クレイムズは、 ドラッカーの学びの原点は 間違いなくここにあるとする。 「ウィーン学団やヨーゼフ・シュンペーターといった  一流の思想家の考えや理論などに触発されて、  ドラッカー自身の哲学が芽生えたのだ。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■皇帝よりもかけがえのない人物■~脳裏から消えることはなかった~

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 おはようございます。 高知の朝は快晴です。 今は少しひんやりしますが 日中は晴れて夏日になりそうです。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 フロイトと一緒に過ごした ピーター少年は父親から、 ヨーロッパで誰よりも 重要な人物に会ったのだから、 この日を決して忘れてはいけないと 諭されたとした。 そして、 ドラッカーは父親に、 皇帝よりも大切な人なのかと問うたところ、 父親は、そうだ皇帝よりも かけがえのない人物だと答えたと続ける。 この日のフロイトとの出会いも、 生家でのパーティーをとおして 学んだことがらも、 生涯ピーター・ドラッカーの脳裏から 消えることはなかった。 「会話や議論の中身は、  当時の年齢ではあまりに高尚だったが、  ピーター少年も、  客人たちの輪のなかに  入ることを許されていた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ジーグムント・フロイトとの出会い■~この日を忘れてはいけない~

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 おはようございます。 曇り空の高知の朝です。 昨晩の地震、 帰郷してからは一番の強さを感じた。 高知市は震度3なので家の中も 何事もなく無事でしたが、 宿毛方面では震度6弱を観測、 これまで経験したことにない揺れで、 さぞかし怖かったことでしょう。 被害にあわれた方にお見舞い申し上げます。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 20世紀を代表する経済学者 ヨーゼフ・シュンペーターも、 ドラッカーの父親と 仕事上の付き合いがあり、 足しげくドラッカー宅を 訪ねてきたとした。 そのシュンペーターは 社会における企業家の重要性に いち早く着目し、 技術の変化やイノベーションを促す 彼らの役割を高く評価したと続ける。 後年はハーバード大学の教授となり、 研究開発(R&D)に多大な ヒト、モノ、カネを投じることのできる大企業こそ、 イノベーションの起爆剤である、 と論じた。 そして、わずか8歳の ピーター・ドラッカーは かのジーグムント・フロイトとの 出会いも果たしたする。 ドラッカー一家とフロイトは レストランで昼食をともにしたり、 湖畔での休暇をいっしょに過ごしたりしたが、 ピーター少年は父親からこう諭されたという。 「今日のこの日を決して忘れてはいけない。  お前は今日、オーストリア、  いやおそらくヨーロッパで誰よりも  重要な人物に会ったのだから。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ウィーン学団のメンバーたち■~経済学者シュンペーター~

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 おはようございます。 雲が多いですが、 東の空から明るくなり始めてます。 これから段々晴れて、 夏日となりそうです。 急な暑さに体調を崩さないように 気を付けて下さい。 今日は大量飛散の黄砂にもご注意を。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 週に二、三回は、 哲学者、文化人、法律家、政府高官などが ドラッカー宅を訪れ、 居間で語らいのひとときを 過ごすのだったとした。 そして、 いずれ劣らぬ錚々たる客人のなかでも、 特に際立ったのは、 ウィーン学団のメンバーたちだったと続ける。 著名な哲学者たちの集まりである ウィーン学団には、 オーストリアでも指折りの知識人が名前をつらね、 同じような信条や世界観で結ばれていた。 その信条は 「実存だけが知源泉である」 「哲学的な問題を解くための望ましい手法は、 記号論理学の助けを得た論理分析である」 というものだった。 「20世紀を代表する  経済学者ヨーゼフ・シュンペーターも、  ドラッカーの父親と仕事上の付き合いがあり、  足しげくドラッカー宅を訪ねてきた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ドラッカーの少年時代■~客人たちとの交流~

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 おはようございます。 小雨の降る高知の朝です。 このまま雨の一日になりそうです。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーが記憶にとどめ、 本などで言及した人々の 足跡をたどるために その人生を いくつかの時期にわけて 紹介していくとした。 そして、ドラッカーの少年時代は これまでにも何度も紹介されているが、 政府高官の父アドルフと、 医学を学んだ母キャロラインのもと、 ウィーン郊外の閑静な地域の 教養あふれる家庭に生まれ育った、 と続ける。 生家は、 オーストリアの名高い建築家 ヨーゼフ・ホフマンが設計した、 二棟続きの住宅(セミタッチハウス)で、 少年時代に関して特筆すべき点といえば、 何といってもやはり、 両親が自宅に招く 客人たちとの交流だろう。 「週に二、三回は、  哲学者、文化人、法律家、政府高官などが  ドラッカー宅を訪れ、  居間で語らいのひとときを過ごすのだった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■人生をかたわらから眺める■~探るために原点に戻る~

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 おはようございます。 高知の朝、 さっきまで朝焼けがきれいでしたが、 雲が急に空を覆い始めました。 これから徐々に下り坂、 午後から明日にかけては雨となりそうです。 月曜日、今週も一週間よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーの歴代大統領評価について、 その見方は異端である、 とした。 もっとも、 大統領や首相についての評価を聞いても、 肝心のドラッカーについて 何かがわかるわけではない、 と続ける。 それを探るには、 原点に戻ってドラッカーと かかわりの深かった人々、 知り合ってから何十年もののちにも ドラッカーが記憶にとどめ、 本などで言及した人々の足跡を たどらなくてはいけないとし、 ドラッカーの人生を いくつかの時期にわけて 紹介していくとする。 「とはいっても、  短い伝記のようなものを意図しているのではない。  むしろ、各時期における氏の歩みを  簡単に振り返ろうという趣旨である。  それぞれが、  氏とその人生をかたわらから眺めるわたしたちに、  重要な事柄を教えてくれるはずだ。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ドラッカーの見方は異端■~実績はゼロに等しい~

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 おはようございます。 今朝も快晴、 日中は暑いくらいになりそうです。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ルーズベルトについて、 自信に欠け、 力ある人材におびえるあまり、 自分を脅かしそうな者を 片っ端から追い落とそうとした、 と述べていた、 そして、 ジョン・F・ケネディはどうかというと、 歴代大統領のなかでも ひときわ強いカリスマ性を備えていたが、 実績はゼロに等しいとしていた。 クレイムズは、 これは意見の分かれる問題であり、 ドラッカーの見方は異端であるとする。 「なにしろ、ルーズベルトとケネディ、  とくにルーズベルトは20世紀の大統領のなかでも  とりわけ名高いのだから。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■状況こそが人を育てる■~ジョン・F・ケネディ~

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 おはようございます。 朝からまぶしい陽が射しています。 日中もおおむね晴れて、 花粉が多そうです。 お気を付け下さい。 土曜日、良い週末をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 世界史上のリーダーのなかでは、 第二次大戦時のウィンストン・チャーチルを 最高のリーダーとドラッカーは称えていたが、 それ以前のチャーチルは歴史の脇役にすぎず、 大きな役割を果たしていなかったとした。 そしてドラッカーは、 状況こそが人を育てる、 少なくともいちばんよい面を 引き出すのは状況だと考えていた、 と続ける。 歴代のアメリカ大統領のなかでは、 ハリー・トルーマンを、 「任務にふさわしい力量を身につけた」 と高く評価していたが、 フランクリン・D・ルーズベルトや ジョン・F・ケネディはあまり買っていなかった。 「ルーズベルトについては、  自信に欠け、  力ある人材におびえるあまり、  自分を脅かしそうな者を  片っ端から追い落とそうとしたと述べていた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■影響をおよぼした人々■~第二次大戦時のチャーチル~

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 おはようございます。 まぶしい陽射しの高知の朝です。 今日は一日晴れ、 紫外線、花粉にご注意を! 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーがこれほど他人に 強い関心を抱いたのなら、 まわりの人々から 大きな影響を受けたはずだ、 とする。 そして本の書き手を深く知るには、 その人の人格形成に 大きな役割を果たした人々、 人生に少なからず 影響をおよぼした人々を知る必要がある、 と続ける。 幸いにも、 ドラッカーは他の人々について語るのを好み、 インタビュー、著書、数々の論文などで、 さまざまな人物について述べている。 各界のリーダーに関しても、 尊敬に値するのは誰か、 最低のリーダー、 あるいは腐敗したリーダーは誰か、 はっきり考えを示していた。 「世界史上のリーダーのなかでは、  第二次大戦時のウィンストン・チャーチルを  最高のリーダーと称えていた。  ただしそれ以前のチャーチルは歴史の脇役にすぎず、  大きな役割を果たしていなかった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■内省する性質ではない■~著述家の人生は地味なもの~

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 おはようございます。 灰色の雲が空を覆う高知の朝です。 今日は一日こんな感じみたいですね。 でも気温は下がらないようです。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 これまで、 ただひとりとしてつまらない人間に 会ったととはない、 とした。 しかしドラッカー自身は、 他人の興味を引くようなところは いっさいない、 と続ける。 後世に何を遺すのか、 という問いにドラッカーは、 あまり内省する性質ではないから、 と答えている。 そして、何人かの優れた人々に対して、 適切な行動をそつなく取れるよう お手伝いをしたことはあるが、 自身は著述を生業としており、 著述家の人生は地味なものだ、 とする。 さらにドラッカーは、 弱々しい言葉で次のとおり語った。 「著書や業績は、  興味の対象となるでしょうが、  それとこれとはべつですからね。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■長寿よりも安らかな死■~がぜん輝く瞬間~

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 おはようございます。 未明の高知、 久しぶりに東の空が赤く染まり始めています。 少し冷やっとしますが、 日中は暖かくなりそうです。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 インタビューの当日、 ドラッカーは体調が思わしくなく、 気分もすぐれなかったために、 自身とその功績を卑下したのかもしれない、 とした。 そして2004年には、 腹部のガンを患い、 股関節の損傷にも悩まされていたドラッカーは、 長寿よりも安らかな死こそが人間の願いだ、 と繰り返していたと続ける。 インタビューのあいだ中、 自分は何よりも人間、 つまり他人に関心があるのだ、 と述べていた。 ドラッカーは、 これまで、 ただひとりとしてつまらない人間に 会ったととはないとし、 さらに続ける。 「人は、たとえどれほどまわりに流されやすくても、  古い考えにとらわれていても、  あるいは冴えないタイプであっても、  自分の取り組んでいること、  知っていること、  興味の対象などについて語りはじめると、  その瞬間からがぜん輝いてくるものです。  その人ならではの個性を放つのです。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ドラッカーの命の火■~最高傑作にはほど遠い~

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 おはようございます。 小雨の降る高知の朝です。 この雨も間もなく上がり、 日中は晴れそうですね。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは最初、 ドラッカーが自分自身を 卑下しているのかと思ったが、 死の目前にも同じことを 語っていたとした。 そして、この世を去る六カ月前に、 『ビジネスウィーク』の編集者ジョン・バーンに対して、 自身の最高傑作は1950年代の作品であり、 その後の作品を「最高傑作にはほど遠い」 と形容したのだと続ける。 ドラッカーの命の火が 燃え尽きようとするころに行われた、 このインタビューは、 わたしたちに非常に多くを 教えてくれているとする。 「インタビューの当日、  ドラッカーは体調が思わしくなく、  気分もすぐれなかった。  そのせいで、  自身とその功績を卑下したのかもしれない。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■鏡ではなくプリズム■~傍観者は歴史を映し出す~

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 おはようございます。 曇り空の知の朝、 午後にはひと雨ありそうです。 月曜日、今週もよろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 傍観者は舞台の袖に立っているため、 役者や観客には見えないものが見え、 しかも、同じものを見る際にも 違った見方をするとした。 そして、傍観者は歴史を映し出す、 と続ける。 さらに、 といってもそれは鏡ではなく、 プリズムであるため、 屈折が加わるのだ、 とする。 クレイムズは、 自分は当事者ではなく 目撃者だというこのテーマは、 ドラッカーへのインタビューでも 折に触れて顔をのぞかせたとする。 「最初わたしは、  氏が自分を卑下しているのかと思った。  ところが、氏は死の目前にも  同じことを語っていた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■舞台の袖に立つ■~見えないものが見える~

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 おはようございます。 曇り空の高知の朝、 日中は晴れ間も出そうで、 雨の心配はなさそうですね。 今日は放送大学の入学者の集い、 学びなおし始めます。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカー自身は 人々の関心を引くような人生を歩んでおらず、 回想録の執筆には値しない、 とも述べている、 とした。 ドラッカーは、 傍観者はみずから 歴史をつむぐのではなく、 歴史の舞台に居合わせてはいても、 行動の一端を担うわけではないのだ、 とする。 そして、傍観者は観客でさえなく、 劇の成否や舞台を務める ひとりひとりの運命は、 観客の反応にかかっているが、 傍観者は自分以外に対しては いっさい影響をおよぼさない、 と続ける。 「ただし、  舞台の袖に立っているため、  役者や観客には見えないものが見える。  しかも、同じものを見る際にも違った見方をする。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■生きた時代の記録■~回想録の執筆には値しない~

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 おはようございます。 高知の朝は雲の多い空模様です。 夜ににわか雨の可能性もありますが、 花曇り、暖かな一日になりそうです。 土曜日、良い週末をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカー自身も 深い思い入れを抱いていた 『傍観者の時代』は、 ドラッカーが自身のために 書いた本である とした。 そしてこの本は、 ドラッカーの人生に 大きな影響を与えた人々の横顔を、 鮮やかに描き出しているのだ、 と続ける。 プロローグでドラッカーは、 この本は自伝というより、 『同時代史』あるいは 『わたしが生きた時代の記録』である、 と記しているが、 これはかぎりなく自伝に近い本だと いえるかもしれない。 クレイムズは、 非常に謙虚であるため、 自身を主なテーマとして本を著すなど、 できないことだったのだとする。 「ちなみに、  自分は人々の関心を引くような人生を歩んでおらず、  回想録の執筆には値しない、  とも述べている。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■『傍観者の時代』■~自身のために書いた本~

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 おはようございます。 高知の朝はすっきりしない空模様ですが、 雨の心配はなさそうですね。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーの本を編集するのは、 いったいどのような経験だろうか、 とする。 そして、 クレイムズが一刻も早く読み返したいと思ったのは、 ドラッカー自身も深い思い入れを抱いていた 『傍観者の時代』(Adventures of a Bystander) だと続ける。 クレイムズは、 この作品は一般に「自伝」とされているが、 むしろ回想録に近く、 本人が述べているように、 これはドラッカーが 自身のために書いた本である、 とする。 「イギリス版には  『様々な出会いと時代状況』  (Other Livesand MyTimes)  という副題が添えられており、  この本の狙いを見事に表している。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■思考がどんどん展開する■~内なる声は聞こえない~

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 おはようございます。 昨夜の雨で道路が濡れていますが、 空は明るくなってきています。 台湾で地震が発生し、 大きな被害が出ているようです。 他人事ではない。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーは繰り返しや脱線が多いほか、 深遠すぎる考え方を紹介しているため、 ともすると読者の意識を 主題から離れさせてしまう、 とした。 そして、それはまるで、 原稿を書きながら 思考がどんどん展開してしまい、 思考に何とか追いつこうとして ペンを走らせたかのようだと続ける。 クレイムズは、 思考のおもむくままに 原稿用紙を埋めていったため、 「本題から外れないように」 という内なる声は 聞こえなかったのだろうとし、 さらに編集者は どれくらい力添えをしたのだろうか、 と何度も首をかしげたものだとする。 「おそらく、氏はすべての作品について  編集者による関与を    できるだけ避けようとし、  力添えの申し出を   断っていたのではないだろうか。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■繰り返しや脱線が多い■~ぎこちなさが目につく~

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 おはようございます。 未明の高知、 小雨が降ってます。 今日は一日雨、 満開疲れの桜や、 田植えを待つ田んぼには 恵みの雨でしょう。 休肝日明けの水曜日、 今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーはほとばしるような知性を備えていたが、 それは著述活動をするうえでは強みであり、 また一方では弱みでもあったとした。 そして、読み返してみて気づいたのは、 ドラッカーは非常に多作だが、 その作品は必ずしも 読みやすいわけでもなければ、 理解しやすいわけでもない ということだったと続ける。 クレイムズは、 素晴らしいアイデアや概念を紹介している一方、 説明には往々にしてぎこちなさが目につき、 代表作ですら、 章によっては仕上がりにムラがあり、 一部には読みづらい箇所もあるとする。 「繰り返しや脱線が多いほか、  深遠すぎる考え方を紹介しているため、  ともすると読者の意識を  主題から離れさせてしまう。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ほとばしるような知性■~強みであり弱みでもあり~

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 おはようございます。 高知の夜明けは晴れです。 少し冷やっとしますが、 日中は20度を超えそうです。 このまま晴れて夜から 明日にかけて雨が降りそうです。 遅くなる方は雨具をお忘れなく。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーは強いなまりがあったうえ、 聴力も衰えていたため、 インタビューテープ起こしを終えるまでには、 ほぼ一年を要したとした。 そして、何カ月ものあいだ、 ドラッカーの言葉を何度となく 反芻することになり、 ドラッカーの著書を読み返しもした、 と続ける。 クレイムズは、 著者から膝を交えるようにして 話を聞いたあとでは、 同じ本であっても以前とは 違う何かが伝わってきたとする。 「氏はほとばしるような知性を備えていたが、  それは著述活動をするうえでは強みであり、  また一方では弱みでもあった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■自称「著述家」■~強いなまりと聴力衰退~

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 おはようございます。 未明の高知、 昨夜の雷雨で道路は濡れていますが、 南西の空には半月が浮かんでいます。 昨日はTシャツ一枚で過ごせる陽気でしたが、 今日も夏日になりそうです。 新年度、新しい職場でのお手伝いが始まります。 楽しみです。 月曜日、今週もよろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ドラッカーはマネジメントの 実務経験を持たないまま、 マネジメントに規律を設けた人物であるが、 その実像はベールに包まれていたとした。 そして、ドラッカーのGEへの 貢献ぶりなどを知ったとき、 胸に最初に浮かんだのは、 この人物は、 なぜこれほど大きな影響力を 持っているのだろう、 という問いだったと続ける。 クレイムズは、 当代きっての名CEOたちを教え導く この自称「著述家」は、 何によって突き動かされているのか、 そんな疑問が芽生えたとする。 「ドラッカーへのインタビューが実現したあと、  長い時間をかけて録音テープの中身を書き起こした。  氏は強いなまりがあったうえ、  聴力も衰えていたため、  ほかの仕事を抱えながらテープ起こしを終えるまでには、  ほぼ一年を要した。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■ウェルチ、GE、ドラッカー■~ベールに包まれている実像~

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 おはようございます。 未明の高知、 今日も暖かです。 昨日はTシャツ一枚で過ごせる陽気でしたが、 今日も夏日になりそうです。 昨日の高知城は花見客で賑わってましたが、 今日も陽気に誘われて、 花もお酒も全開状態になるんでしょう。 日曜日、良い休日をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 自分が世間から 認められることを 目的としてきたわけではなく、 世の中を変えることを 目指してきたのだとした。 クレイムズは、 本書の執筆をはじめてから すでに五年が経過しているが、 構想そのものは1990年代はじめ、 ジャック・ウェルチについての本を 初めて編集したころから温めていたとする。 そして、この仕事をとおして、 ウェルチ、GE、ドラッカーの三者は 深いところでつながっているのだと知ったと続ける。 「ドラッカーは、  マネジメントの実務経験を持たないまま、  マネジメントに規律を設けた人物である。  しかし、その実像はベールに包まれていた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)

■巨星ドラッカーの誕生■~エピローグ~

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 おはようございます。 快晴の高知の朝です。 昨日は夏日、 今日も暖かくなりそうです。 花粉に黄砂にお気を付け下さい。 土曜日、良い週末をお過ごし下さい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 50年におよぶ著述活動をとおして、 全体構想、分権制、多様性などに 重点を置いてきたとする。 そして、 これらは考え方、 つまり抽象概念を扱ってきたもので、 企業の幹部職にある人々には、 その教えを実地に 活かしてほしいと続ける。 さらに、 一度として学問そのもの、 つまり自分が世間から 認められることを 目的とはしてこなかった、 とする。 「つねに、  世の中を変えることを目指してきたのである。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第15章 イノベーションについて)

■「過去の人」という見方■~華やかなスポットライト~

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 おはようございます。 高知の朝、 雲が空を覆ってますが、 雨は止んでます。 これから晴れますが、 雨の代わりに 黄砂が降ってきます。 お気を付け下さい。 きょう午前中でお手伝いを終了、 来週からは場所を変えて お手伝いを続けようと思います。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 アンディ・グローブと クレイトン・クリステンセンは、 市場を混乱させて 「変革か、さもなくば破滅か」 という状況に企業を追い込む嵐について 書いているとする。 しかし、グローブの「戦略の転換点」や クリステンセンの「破壊的技術」が ビジネス用語として定着するはるか以前に、 ピーター・ドラッカーが 同じような状況について語り、 警鐘を鳴らしていたと続ける。 そしてドラッカーは、 刺激的な表現は用いていないが、 その業績は、 グローブやクリステンセンに 引けをとらないほど画期的なものだったが、 メディアからはあまり 注目されなかったとする。 クレイムズは、 ドラッカーは、 職業人生、 特にその後半においては、 華やかなスポットライトとは 縁が薄かったのだとする。 「1990年代には、  ドラッカーもその著書も、  世間に知られるようになってから半世紀がすぎ、  著書が好調な売れ行きを保っていたにもかかわらず、  ドラッカー自身については  「過去の人」という見方も多かった。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第15章 イノベーションについて)

■明日は今日とは同じではない■~窓から外を眺める~

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 おはようございます。 今朝の高知は曇り空、 これから段々雨、 一晩降り続けそうですね。 木曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ピーター・ドラッカーは ビジネス書の著者としていち早く、 イノベーションというテーマを 体系的に取り上げ、 大切なのはイノベーションに適した 組織づくりだと説いたとする。 そしてドラッカーは、 窓から外を眺めないかぎり、 チャンスは目に入らないとし、 時の流れが止まることはなく、 明日は今日とは 決して同じではないとする。 さらに、将来への備えを怠れば、 世界最強の企業といえども 苦境に陥るだろうと続ける。 「平凡な企業に成り下がり、  市場リーダーの地位から転げ落ちるのだ。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第15章 イノベーションについて)

■あたかもテロリスト■~頭脳のなかで炸裂する~

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 おはようございます。 宿毛市大島の朝、 満月が残る空は快晴、 宿毛湾は輝いています。 椰子の湯、 三段の棚田状露天風呂でゆったりできました。 水曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 直感と相容れない発想に裏打ちされているからこそ、 『イノベーションのジレンマ』は読み手の心をつかみ、 書評家、経営者、研究者などから高く評価されたのだ、 とした。 そしてグローブとクリステンセンはともに、 ピーター・ドラッカーに 惜しみない称賛を贈っていると続ける。 グローブは1998年8月、 経営学会の会合に参加し、 ドラッカーの『現代の経営』を 刊行から30年ののちに読んだことを明かし、 どれほど強く感化されたかを語ったが、 クリステンセンはドラッカーを 「あたかもテロリストのようだ」と形容している。 「ドラッカーは読者の頭に爆弾を埋め込み、  その爆弾は数年後、  何らかの出来事をきっかけに、  無防備な読者の頭脳のなかで炸裂するのだ。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第15章 イノベーションについて)

■ブレークスルーに期待しない■~主戦場の外にある~

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 おはようございます。 昨日から断続的に雨が降る高知の朝です。 この雨、午後には上がりそうですね。 横浜から遊びに来ている孫を連れて、 足摺岬に遊びに行くので、 晴れて欲しいです。 火曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ブレークスルーに期待しないように、 というのも、 クリステンセンの教えであるとする。 そしてそれは、 すみやかな動きを心がけ、 主戦場の外に目を向けて チャンスを探すとよい、 との助言であると続ける。 新しい市場は主戦場の外にあるので、 製品やサービスにかつてない特性が備わり、 小さな新興市場で熱い支持を集めると、 主力市場ではそれと同じ種類の 製品やサービスの魅力度が低下するのだ。 「このような、  直感と相容れない発想に裏打ちされているからこそ、  『イノベーションのジレンマ』は読み手の心をつかみ、  書評家、経営者、研究者などから高く評価されたのだ。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第15章 イノベーションについて)

■失敗をあらかじめ織り込む■~独立した少数精鋭部隊~

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 おはようございます。 曇り空の高知の朝、 さっきまで雨が降っていたようで、 道路が濡れています。 日中は断続的、 夕方から明日にかけては しっかり振りそうです。 横浜に住む孫が遊びに来るので、 お仕事はしばらくお休みです。 月曜日、今週もよろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 『イノベーションのジレンマ』の巻末、 読者への手引きのなかで、 クリステンセンは、 破壊的技術については、 それを必要とする顧客を抱える組織に責任を負わせ、 ヒト、モノ、カネが そこに流れるようにするべきだ、 と書いているとする。 くわえて、破壊的技術の責任者や開発チームを、 主力製品を扱う部門内に置くべきではない、 とも述べている。 むしろ、 ちょっとした前進が 士気の高揚につながるように、 ほかの部門から独立した 少数精鋭部隊を立ち上げるべきだ、 と強く訴えている。 クレイムズは、 クリステンセンのこの提案は、 ドラッカーの主張とも、 ピタリと重なり合うとする。 「クリステンセンは、  『失敗をあらかじめ織り込んでおくとよい』  とも述べている。  最初からすべてをうまくこなそうとするのではなく、  破壊的技術の商用化を学習のチャンスととらえ、  必要に応じて軌道を修正するとよい、  というのだ。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 第15章 イノベーションについて)