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■マネジメントの社会的責任の限界■~企業と社会の健康~

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ドラッカーは社会の問題を事業に転換することは、 企業の機能であるが、あらゆる問題が、機会に 転換できるわけではないとする。 企業が対応できない問題、つまり社会が抱える 慢性病や退化病といえる社会の問題である。 企業は社会の中で存在する。 米や野菜は健康な田畑がなければ育たないことと同じで、 企業の健康は社会の病気と両立しない。 だからこそ、社会の問題も、企業のマネジメントにとっては 重要な問題なのだ。 そしてこれらの問題は、自然になくなることはなく、 誰かが何かをしなければ解決されない。 それでは、企業のマネジメントは、自らの影響で生じた問題ではなく、 また事業上の機会に転換することができない問題について、 どの程度まで責任をとる必要があるのか。 今の日本における社会が抱える労働力不足、高齢化社会、福祉、 食糧不足などの問題をマネジメントの社会的責任にすることはできるのか。 ドラッカーは、企業のマネジメントの持つ社会的責任の限界について問いかける。 「企業の健康はマネジメントの責任であり、  企業の健康は社会の病気と両立しないからである。  企業が健康であるためには、健全な、  少なくとも機能する社会が必要である。  社会と地域の健全さこそ、  企業が成功し成長するための前提である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第4章 社会的責任 16 社会的影響と社会の問題) Amazon.co.jp ウィジェット

■社会的イノベーション■~機会に転換すれば、もはや問題ではない。~

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ドラッカーは社会の問題をイノベーション、すなわち新事業に転換することは、 組織の機能であるとした。 しかし、イノベーションは技術面のみではない。 社会の問題を事業上の機会に転換するための最大の機会は、 社会的なイノベーションにある。 その例として19世紀の自動車メーカのフォードをとりあげている。 当時高い失業率、低い賃金、厳しい労働など、労働環境は 社会の問題として存在していた。 フォードも離職者は多く、1万人を確保するためには 6万人を雇わなければならないほどだった。 そこで、賃金を三倍にして雇用を確保するという対策を実施した結果、 退職者はほとんどいなくなった。 そして、このことにより労働者のコスト意識や生産性が向上し 大幅なコスト節減が達成され、一台当たりの利益を増大させることができた。 賃金の思い切った引き上げという負担増が、結果的に労働コストの削減に結び付いたのだ。 これは、社会的なイノベーションとして、社会問題を解決した一つの例であるが、 ドラッカーは、あらゆる問題が、このように機会に転換できるわけではないとする。 「社会の問題は、事業上の機会に転換すれば、もはや問題ではない。  しかしそうできない問題は、社会にとって、  たとえ退化病とまではいかなくとも、慢性病となる。  あらゆる問題が、業績をもたらす機会に転換できるわけではない。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第4章 社会的責任 16 社会的影響と社会の問題) Amazon.co.jp ウィジェット