■試み続ける欲求■~同じことの繰り返しでは飽きる。~





ドラッカーは、”多角化”の問題点を指摘した。

さらに、多角化の持つ要因には、内的要因と外的要因があるとする。
その内的要因には次の3点がある。
◆組織や働く人の欲求
◆規模の不適切さ
◆コストセンターの収益化

1点目は、働く人や組織の持つ”欲求”である。

◆組織や働く人の欲求
働く人は、同じことの繰り返しでは飽き、違うことをしたくなり、
働くことが退屈になる。
しかし、この欲求は不真面目ではない。

組織はこのような、柔軟性を保ち、新しいことを試み続けなければ、
変化の能力が萎縮し、小さな変化さえできなくなる。

”選択と集中”は大事だが、集中には過度の専門化という危険が伴う。

なぜ危険なのか?
なぜなら、あらゆる製品、プロセス、技術、市場は瞬く間に古くなる。
売上げは増えるかもしれないが、利益はあがらなくなり、
やがて価格競争、陳腐化という坂道を辿る。

そこにのみ自社の強みを集中してしまうと、
事業や組織の危機に直面することになるのだ。


「同じことの繰り返しでは飽きる。

 違うことをしたくなる。

 働くことが退屈になる。

 この欲求は不真面目ではない。

 いかなる組織といえども、柔軟性を保ち、

 新しいことを試み続けるべきである。」

~P.F.ドラッカー「マネジメント」

(第9章 マネジメントの戦略 41 多角化のマネジメント)





   


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