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■そこにいる者のためのマネジメント■~サービス機関の成果~

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ドラッカーは、今日の社会は多元社会であり、その中で、”サービス機関”は、 社会の構造を支える支柱であるとする。 サービス機関とは、組織が行う経済活動が生み出す余剰によってコストが まかなわれている機関、具体的には政府や病院のような公的機関や 企業に存在するスタッフ部門などを指す。 社会や企業が機能するためには、このサービス機関が成果をあげることが 必要となる。 しかしサービス機関としての公的機関を見ると、組織は巨大化し、 予算は急増し、様々な危機を抱えている状況である。 ドラッカーは、このサービス機関が成果をあげることは、 マネジメントにより可能であるとする。 「あらゆる国において、官僚主義への不満が高まっている。 貢献と成果のためではなく、そこにいる者のためにマネジメントしている との不満さえある。 しかし、公的機関を廃止する可能性も、廃止できる可能性もない。 今日の社会には、公的機関が果たすべき貢献を不要とする考えはない。」 ~「マネジメント」

■サービス部門のマネジメント■~コストセンターの成果~

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昨日で、P.F.ドラッカー「マネジメント」第一章終了、 本日から第2章スタートします。 -------------------------- 今日の社会は、企業社会というよりも多元社会である。 ドラッカーは、マネジメントは企業のマネジメントだけではないとする。 政府機関、学校、研究所、病院、労働組合、法律事務所など、 いずれも組織であり、いずれもマネジメントを必要とする。 また、企業を見ると、管理部、総務部等いわゆるコストセンターの 機能とスタッフが増加している。 そのコストセンターは企業内部においては、サービス部門である。 プロフィット部門については、その活動と成果が評価し易いが、 これらのサービス部門は経済的な生産活動を行わないゆえに評価が難しい。 しかし、それらもまた、成果をあげるべくマネジメントしなければならない。 「社会や企業が機能するには、サービス機関が成果をあげなければならない。」 ~「マネジメント」

■マネジメントの責務■~資質を不問にしない~

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あるべき戦略計画について、ドラッカーは、連続したプロセスであるとした。 戦略計画とは、今の活動を見直し、リスクを取った意思決定を行うことから始まる。 そして、その計画は将来において成果を生むべき具体的な仕事に割り当てなければならない。 そこで、マネジメントが必要となる。 マネジメントの判断力、指導力、ビジョンが、戦略計画という仕事を体系的に組織化し、 そこに知識を適用することによって強化されるとみるべきである。 「戦略計画とは、判断の代わりに事実を持ってくることではない。  マネジメントの代わりに科学を持ってくることでもない。  マネジメントの能力、勇気、経験、直感の役割を小さくするものでもない。」 ~「マネジメント」

■よき意図にすぎない。■~仕事として具体化する~

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あるべき戦略計画について、ドラッカーは、連続したプロセスであるとする。 最初のプロセスは、リスクを伴う意思決定を行うことであった。 次のプロセス。 【実行に必要な活動を体系的に組織する。】 ドラッカーは、最善の意思決定をしたとしても、仕事として具体化しなければ、 それは”よき意図”にすぎないとする。 ”いいことを思いついたね!”では始まらない。 成果を上げるためには、企業が持つ「人・モノ・かね」、特に最高の人材を この活動に割り当てることが大事なんですね。 「最善の戦略計画さえ、仕事として具体化しなければ、よき意図にすぎない。  成果は、組織のなかの主な人材を割り当てることによって決まる。  戦略計画は、将来において成果を生むべき活動に資源を割り当てて、  初めて意味を持つ。」 ~「マネジメント」

■では、戦略計画とは何か。■~何を止めるか~

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ドラッカーは、”戦略計画”の必要性を理解する上で知るべきこと、 似非”戦略計画”を示した。 では、あるべき戦略計画とは何か? ドラッカーは、戦略計画とは次の連続したプロセスであるとする。 【意思決定を行う。】 ↓ 【活動を体系的に組織する。】 ↓ 【成果を比較測定する。】 まづ最初のプロセス。 【リスクを伴う起業家的な意思決定を行う。】  まず、企業が行っているあらゆる活動や製品が、 今でも有効であるかどうかを問う。 その結果が有効でなければ、それを一日も早く止め、 新しい何かを、いつ行わなければならないかを決める 必要がある。 今行っている活動を中断するという、 この意思決定にはリスクが伴う。 できれば行いたくない意思決定であるが、 このままでは、未来のニーズを満たし続けることはできない。 マネジメントの行う意思決定は、妥当な可能性を考慮に入れつつ 責任を持って行う必要がある。 現実的な可能性を考慮せずに行われると、でたらめな結果しか生まれない。 「リスクを伴う意思決定を行いたいか、行いたくないかは問題ではない。  マネジメントは、その責務からして必ず意思決定を行う。  違いは、責任を持って行うか、無責任に行うかだけである。」 ~「マネジメント」 投稿者  イラドラ   時刻:  5:53   0 コメント     メールで送信 BlogThis! Twitter で共有する Facebook で共有する   この投稿へのリンク ラベル:  リスクを冒す ,  未来 ,  確実な破 ,  経営資源

■経済活動とは、リスクを冒すこと■~確実な破滅を招くもの~

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目標を達成するには、”戦略計画”が必要であり、 そのためにまづ知るべきことは、”戦略計画”といえないものを 知ることだ。 四っ目、【戦略計画は、リスクをなくすためのものではない。】 企業は、今ある”人モノかね”という経営資源を使って、 短期の収益を上げる必要がある。 同時に、同じ経営資源を使ってこれからの中長期の成果に 結びつける必要がある。 つまり、今の経営資源を未来に賭けることである。 そしてその未来というものは、だれもが未経験で知ることができない、 不確実なものである。 不確実なもの故、未来には当然リスクが存在する。 ドラッカーは、そのリスクを冒すことが経済活動の本質であるとし、 逆にリスクを取らない、最小にしたいと考えることは、 ”不合理かつ際限のないリスクと確実な破滅”を招くとする。 これまで経験したことや今できること以外は行わないとすると、 顧客や市場の変化への対応ができず、”陳腐化”の餌食になって しまうこととなる。 ”戦略計画”とは、企業が成果を上げるための活動が、 より大きなリスクを負担できるようにすることと考えるべきなんですね。 「経済活動の本質とは、リスクを冒すことである。  リスクを皆無にすることは不毛である。  最小にすることも疑問である。  得るべき成果と比較して冒すべきリスクというものが必ずある。」 ~「マネジメント」

■今日何をなすべきか■~明日行う意思決定は無益~

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目標を達成するには、”戦略計画”が必要であり、 そのためにまづ知るべきことは、”戦略計画”といえないものを 知ることだ。 三つ目、【戦略計画は、未来の意思決定に関わるものではない。】 ドラッカーは、問題は、「明日何か起きるか」ではなく、 今行っている行動や考え方に基づいて、いかにして未来を折り込むか、 どの程度の先を考えるか、そしていかにしていま合理的な意思決定を 行うかであるとする。 「最大の問題は、明日何をなすべきかではない。  『不確実な明日のために今日何をなすべきか』である。」 ~「マネジメント」