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■組織全体の規範を定める。■~ピジョンと価値基準~

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ドラッカーは、トップマネジメントには6つの”役割”があるとする。 その2【組織全体の規範を定める。】 組織全体が目的やビジョンに向けて有効に活動できる”組織の在り方”を作り、 その活動結果が目的に合致しているかどうかの判断基準を定めること。 「目的と実績との違いに取り組まなければならない。  主たる活動分野において、ビジョンと価値基準を設定しなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第8章 トップマネジメント 37 トップマネジメントの役割)     

■明日のための意思決定■~事業の目的を考える~

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ドラッカーは、トップマネジメントには6つの”役割”があるとする。 その1【事業の目的を考える。】 事業の目的を考え、目標を設定し、戦略計画を作成し、 今日と将来のための”意思決定”を行う役割がある。 今日と明日、部分ではなく全体を見る者は、トップマネジメントしかいない。 「トップマネジメントには、事業の目的を考えるという役割がある。  すなわち、 『われわれの事業は何か。何であるべきか』  を考えなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第8章 トップマネジメント 37 トップマネジメントの役割)     

■トップマネジメントの多元的役割■~成功と存続に致命的に重要な意味~

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トップマネジメントの役割は、多元的である。 従ってその実行のためには、様々な能力や性格が必要となる。 ドラッカーは、トップマネジメントの役割として、次の6項目を示す。 【事業の目的を考える。】 【基準を作り、組織全体の規範を定める。】 【組織をつくりあげ、それを維持する。】 【外部組織等等との渉外活動を行う。】 【各種行事等の儀礼的活動を行う。】 【著しく悪化した問題に取り組む。】 これらのトップマネジメントの役割はあらゆる組織に不可欠であるが、 マネジメントの具体的な仕事は組織によって異なる。 個々の組織には、それぞれに固有の使命や目的があるので、 それに適合するマネジメントの仕事が必要になるんですね。 「問題は、トップマネジメントとは何かではない。  『組織の成功と存続に致命的に重要な意味を持ち、  かつトップマネジメントだけが行いうる仕事は何か』である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第8章 トップマネジメント 37 トップマネジメントの役割)     

■組織の頭脳に栄養を与える■~ボトルネックはボトルのトップにある。~

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トップマネジメントの仕事と組織に関し、 ドイツ銀行の3つの教訓を示した。 次に、トップマネジメントの組織化についてその必要性を説く。 組織の中に存在する情報や、それを伝える報告、説明、会議等は、 そのほとんどが、現業のマネジャーのためにある。 そして、トップマネジメントが入手する情報もどう程度のものでしかない。 しかしトッブマネジメントには、現業のマネジャーとは異なる 独自の課題がありニーズがある。 トッブマネジメントは、現在ではなく将来、部分ではなく全体に関わりを持つ存在である。 「われわれの事業は何か、何であるべきか」を常に問わなければならない存在である。 その問いに答えるには、現在の目標、組織、課題、情報とは異なる視角から事業を眺めなければならない。 そのために、トッブマネジメントにたいして、思考、刺激、疑問、知識、情報を提供すべき機関が必要なのだ。 ドラッカーは次のとおり表現する。 ”いったい誰が組織の頭脳に栄養を与えるのか。 誰がトップマネジメントにサービスを提供するのか。” 組織の業績はトップマネジメントにかかっており、ボトルネックのごとくボトルのトップにあるのだ。 だからこそ、トップマネジメントの仕事には、組織化が必要となるのだ。 「いかなる組織といえども、その業績はトップマネジメントにかかっている。  結局のところ、ボトルネックはボトルのトップにある。  組織内のあらゆる仕事のなかで、もっとも組織化することが難しいのが、  トップマネジメントの仕事である。  しかしそれは、もっとも組織することの必要な仕事である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (Part3 マネジメントの戦略 36 ドイツ銀行物語)     

■トップマネジメントの課題■~刺激と情報、思考の供給~

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ドラッカーは、トップマネジメントの仕事と組織について、 ドイツ銀行の成功例には3つの教訓があるとした。 教訓1 ◆トップマネジメントに特有の仕事が存在すること 組織には、トップマネジメントの取り組むべき課題が数多くあるが、 それは、トップマネジメントがトップにあり、法的な権力や権限を 持つからではない。 なぜか? それは、事業全体を見て、事業全体を考えて意思決定できる者は トップマネジメントしかいないからだ。 教訓2 ◆トップマネジメントには独自の構造が必要なこと 他の組織とは異なる、独特の組織構造を必要とする。 教訓3 ◆トップマネジメントには、独自のインプット機関が必要なこと なにをインプットするのか? それは、トップマネジメントの行う意思決定に必要となる 刺激と情報、思考だ。 これらを供給すべき独自の機関を必要とする。 「組織には、トップマネジメントの課題というべきものが数多くある。  だが、それらがトップマネジメントの課題であるのは、  トップマネジメントがトップにあるからではない。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (Part3 マネジメントの戦略 36 ドイツ銀行物語)     

■ドイツ銀行物語■~トップマネジメントとは権力か?~

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本日から、Part3、マネジメントの戦略のパートに入る。 まず、トップマネジメントつまり、事業の執行責任者の仕事と組織を分析する。 ドラッカーは、1870年代のドイツ銀行の成功プロセスを例に挙げる。 ドイツ銀行で行われたことは、まず銀行の活動を分析すること、 次に、それぞれの活動をトップマネジメントのメンバーに責任を持たせたことであった。 そして、少数の専門スタッフからなる役員室を創設した。 ここでの役割は、 ◆トップマネジメントのメンバー全員に他のメンバーの行った意思決定と活動を周知徹底させること ◆銀行全体の将来ビジョンの素案を作成すること ◆主な投資すべてについてフォローすること である。 ドラッカーはこのドイツ銀行の例から、トップマネジメントに関する3つの教訓を示す。 「トップマネジメントとは権力か。  ボスの別名か。特有の仕事というものはあるのか。  あるのであれば、それは何か。  いかなる構造を持つか。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (Part3 マネジメントの戦略 36 ドイツ銀行物語)     

■組織構造は道具である。■~健康の基準は成果~

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組織の形態を見てきた。 では、健康な組織設計は、どの様に行えば良いのか? 理想からスタートすべきか、それぞれの組織に固有の伝統、慣行、事情、ニーズからスタートすべきか。 ドラッカーは、このいずれのアプローチも必要であり、並行して使わなければならないとする。  構造を持つ組織で適用が難しくなく問題を起こさない組織構造はない。 あくまでも組織構造は道具であるので、道具自体によい悪いはない。 適切に使うか使わないかだけであって、それ以上ではない。 ではなんの為の道具なのか? 組織の目的達成のためである。 目的を達成するための組織構造とするためには、まず重要な成果を生み出す"基本活動"に焦点をあわせる必要がある。 基幹となる事業活動である。 そしてその基本活動を可能なかぎり単純に組み立てなければならない。 ドラッカーは、重要なことは、組織の目的を常に念頭に置くことであると締める。 「構造の健全さは、組織の健康の前提である。  それがそのまま組織の健康を意味するわけではない。  組織の健康を判定する基準は、構造の美しさ、明快さ、完全さではなく、成果である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 35 組織構造についての結論)