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■測定対象への適合■~”蟻の穴”となる苦情~

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おはようございます。 今朝もまた厳しい陽射しの川崎です。 一挙に真夏の風情、間もなく梅雨明け宣言がでるんでしょう。 東京地方は、このままでは水不足なんでしょうね。 でも水分補給はお忘れなく。 今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ 人の組織の管理を行うための管理手段、 七つの要件。 その3点目 ◆測定適合性 管理手段は測定の対象に 適していなければならないということ。 社員から報告される苦情の件数が 毎月1000人当たり5件寄せられる。 しかもそれは、小さな部門から 集中的に寄せられるもので、 他の部門からは一つの苦情も 出ていないことがある。 小さな一つの部門からの苦情なので、 放置してしまうかもしれない。 しかし問題は、この苦情がどんな部門から 発生しているかにある。 仮にその部門が、 会社全体のボトルネックとなる 役割を果たしている場合に、 その苦情を無視すると ”蟻の穴”となり、 会社自体がつぶれることさえ ありうる。 全社的な苦情件数を測定する ということではなく、 どこで、どんな理由で、 どんな問題が潜んでいるかを 測定する必要がある。 「ごくわずかの小さな部門から  集中的に苦情が出ている。  もしその部門が、   工場の全製品が   必ず通らなければならない最終組立部門であって、  しかもそれらの苦情を無視するならば、  ストライキが起こりかねないとする。  そのようなときには、  企業そのものがつぶれることさえありうる。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第6章 マネジメントの技能  29 管理)

■成果に影響を与える事象■~瑣末なことを測定してはならない。~

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おはようございます。 今日もきつい陽が射す川崎の朝です。 昨日は厳しい陽射しでしたが、 今日も同様みたいです、熱中症予防をお忘れなく。 この調子だと、梅雨明け宣言も間近でしょうね。 今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 人の組織の管理を 行うための管理手段には、 満たすべき七つの要件が あるとする。 その2点目 ◆有意性 管理手段は意味あるもので、 成果に影響を与える重要な事象だけを 対象とする必要があるということ。 ドラッカーは、 重要な意味を持つものとして、 ”現在”と”将来”の両面から 捉える必要があるとする。 例えば、市場シェアは 現在重要な意味をもつものであり、 現在の成果を測るものである。 また、採用や教育などの人事的事象は、 将来重要な意味を持つものであり、 将来の成果に関わるものである。 ドラッカーは、このような 成果に影響を与える事象だけを 対象とすることによって、 初めて本当の管理が可能となるとする。 逆に、成果に影響を与えない瑣末な事象に 目を向けていては、 成果のために 重要な意味をもつ事象に 目が向かなくなり、 意味のある本当の管理を 放棄することとなる。 「瑣末なことを測定してはならない。  成果に影響を与える事象だけを  対象とすることによって、  初めて本当の管理が可能となる。  成果にとって意味のない事象を管理することは、  本当の管理を放棄することを意味する。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第6章 マネジメントの技能  29 管理)

■手段が少ないほど効果的■~最小限必要な情報は何か~

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おはようございます。 真夏の日差しの川崎の朝です。 週中日、今日も暑くなります、 水分補給をお忘れなく。 今日も一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 組織管理を行うための 管理手段には、 三つの特性があるとした。 そして、さらに有効な管理手段には 満たすべき七つの要件があると続ける。 ◆効率性 ◆有意性 ◆測定適合性 ◆精度適合性 ◆時間間隔適合性 ◆単純性 ◆行動可能性 1点目 ◆効率性  管理は手間暇かけて行うものでなく、 できるだけ最小限に行うべきである。 ドラッカーは、そのために まず検討すべきことは、 その最小限必要な管理を行うために 最小限必要な情報は何かであるとする。 「必要とする労力が少ないほど  優れた管理である。  管理手段が少ないほど管理は効果的である。  管理手段を多くしても、  よりよく管理できるわけではない。  かえって混乱する。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第6章 マネジメントの技能  29 管理)

■測定できるものは、過去の事実■~未来についての事実はない。~

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おはようございます。 昨日の暑さには驚きましたが、 今朝も朝から真夏の日和。 今日も熱中症にお気を付け下さい。 一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ 組織の管理手段、三つの特性。 三つ目 ◆測定不能な事象にも適用しなければならない。 管理の為に行う、測定、定量化は 組織内部の事象は可能だが、 外部で起こる事象は困難である。 しかし、その組織内部の事象にさえ、 重要であって、定量化しえないものがある。 例えば、前年度の利益は 定量的に測ることはできるが、 優秀な人財を惹きつけ引きとめるという 事象は定量化できない。 だが、優秀な人材を惹きつけ引きとめることは、 前年度の利益よりも重要かもしれない。 また、馬車のムチが市場に 受け入れられている時期には、 製造企業は衰退という変化を 測定することは困難だった。 これまで、売上が上がっているという事実は 事象として測定できたが、 これから起こる衰退という変化は ”事実”ではない。 事実でないことを 測定することは困難なのだ。 しかしドラッカーは、 管理手段は、測定可能な事象のみならず、 測定不能な事象に対しても 適用しなければならない、 とする。 「測定できるものは、  すでに発生した事実、  過去のものである。  未来についての事実はない。  しかも測定できるものは、  ほとんどが外部ではなく  内部の事象である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第6章 マネジメントの技能  29 管理)

■馬車のムチだけではつぶれる■~成果は組織の外にある。~

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おはようございます。 今日も早、夏の日が差す川崎の朝です。 熱中症に要注意、一日よろしくお願いします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ 組織管理を行うための管理手段には、 三つの特性がある。 二つ目、 ◆成果に焦点を合わせなければならない。   組織活動の成果は、 組織の外にあり、 社会、経済、顧客に対する なんらかの貢献として表れる。 同様に利益も組織の外にある 顧客が生み出す。 組織内部で行うプロセスは ヒト・モノ・カネを 費やすだけのコストセンターであり、 そこで作りだされた製品が 顧客に購入されて初めて 利益を生み出す商品となる。 マネジメントが行う管理対象は この内部工程であり、 このコストにすぎない。 この内部工程に対する管理作業は、 仕事の効率を記録し、 定量的に把握することで、 容易である。 一方の成果を生み出す活動、 外の世界に表れるものを記録し、 定量的に把握することは難しい。 いくら内部の工程を効率化して、 コスト削減しても、 市場で顧客が価値を認め、 購入されるものを 作り出さなければ その組織は存続できなくなる。 「いかに効率的であろうと、  馬車のムチだけをつくっている企業は  つぶれる運命にある。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第6章 マネジメントの技能  29 管理)

■管理手段の三つの特性■~何を測定するかが根本問題~

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おはようございます。 朝から蒸し暑い川崎の朝です。 東京地方は今日も真夏の暑さ、 花火大会には良い天気になりそうですね。 今日も水分補給には十分注意して下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 人間社会における、 組織の管理手段には 三つの特性があるとする。 一つ目 ◆客観的でも中立的でもありえない。  管理においては、 ”現象に対する測定” という行為が必要だが、 この行為は客観的でも 中立的でもありえないということ。   降雨や風速などの自然現象や 売上傾向などを測定するとき、 この測定という行為によって 現象が変化することもなければ、 測定者が変化することもない。 このような物理的な現象の測定は、 純粋に客観的であり中立的たりうる。 しかし、人間社会という 複雑な知覚の世界を扱う組織において、 この測定という行為は何らの偏りを持つ 主観的な行為であり、 客観的でも中立的でもありえない。 しかも、この組織における測定は、 測定者の知覚の経験を大きく変え、 測定者自体を変えることになる。 また、同時に測定される対象のほうも、 測定のために取り出され注目される という事実のために、 新たな価値が加えられる。 ドラッカーは、 測定対象として特定の現象を 抽出するという行為自体が、 現象の重視を表明したと同じ効果を持つ、 とする。   「管理のための測定を行うとき、  測定される対象も測定する者も変化する。  測定の対象は新たな意味と新たな価値を賦与される。  したがって管理に関わる根本の問題は、  いかに管理するかではなく何を測定するかにある。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第6章 マネジメントの技能  29 管理)

■複雑な知覚の世界■~管理能力の向上に何が必要か~

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おはようございます。 薄日和の川崎の朝です。 九州北部大雨での被害が拡大している。 「これは現実なのか」 と悲嘆にくれる被災者がいた。 皆様に心よりお見舞い申し上げます。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、 マネジメントの技能としての管理手段は いかにあるべきかについて問う。 マネジメントが”管理”を行う組織には、 様々異なる欲求やニーズを持つ人の集合という面と、 複雑な知覚の世界であるという 人間社会としての側面を持つ。 この組織における管理手段には 次の三つの特性がある。 ◆客観的でも中立的でもありえない。  ◆成果に焦点を合わせなければならない。                  ◆測定不能な事象にも適用しなければならない。 「管理手段の設計能力の向上は、  管理能力そのものの向上にいかなる意味を持つか。  管理手段の設計能力の向上を、  管理能力そのものの向上に結びつけるには、  何が必要とされるか。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第6章 マネジメントの技能  29 管理)