■元会長の未亡人■~「スズメの涙」ほどの預金~
おはようございます。 未明の高知、 雲が多いですが東の空には 青空が見えています。 今日は雨の心配はなさそうです。 金曜日、今日も一日よろしくお願いします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ クレイムズは、 ピーターの祖母の奇妙なふるまいの例として、 亡夫が「巨額の資産」を遺したにもかかわらず、 オーストリアの深刻なインフレに飲み込まれ、 「教会に住みつくネズミと同じくらいの」 貧乏人になったということをあげた。 そしてこのとき、 「一族で誰よりも経済に詳しい」 ドラッカーの父親が、 インフレの概念をいくら懸命に説明しても、 結局は納得させることができなかったと続ける。 クレイムズは、もうひとつの事例をあげる。 祖母は生活が苦しくなる一方だったため、 ついには小さな部屋がふたつだけの住まいで 暮らさなくてはならなり、 身の回りのものが 住まいに収まりきらなかったため、 祖母は持ち物の多くを 巨大な買い物袋に詰め込み、 銀行に持っていった。 「口座には「スズメの涙」ほどの預金しか 残っていなかったが、 亡夫がその銀行を設立し、 亡くなるまで会長を務めていた関係上、 彼女は元会長の未亡人とし丁重な扱いを受けた。」 (『ドラッカーへの旅 知の巨人の思想と人生をたどる』 エピローグ)