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■飢えだけの、悲惨で意味のないもの■~安定を捨てることを求めた。~

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おはようございます。 曇り空の、川崎の朝。 今日も雷雨等、不安定な天候。 お気を付けください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、資本主義以前の 貧しく飢えた職人や農民にとって、 経済的な自由は脅威を意味したとする。 それは、なぜか? 経済的な自由は、 彼らに安定を捨てることを求めた。 その安定とは、彼らにとって、 飢えがあるだけの、 悲惨で意味のないものだったが、 それが彼らの持つ全てだった。 それすら、 経済の自由という名のもとに 奪われたからだ。 「経済的な自由は、  一人ひとりの人間に経済的な不安定をもたらし、  経済的な利益をもたらさなかった。  それは、親から譲り受けた小さな土地、  市場を守ってくれる関税、  ギルドの最低賃金を奪った。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■経済的な自由は脅威■~これが資本主義である。~

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おはようございます。 雲の多い川崎の朝、 日中は雨が降りそうです。 昨日は群馬県で突風で被害が出た。 いつどこで起きてもおかしくない状況、 気を付けましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、資本主義は、 経済の領域に 独立性と自立性を与えるとする。 資本主義において、経済活動は、 経済要因以外に干渉されることはない。 しかし、本来あるべき社会的な目的を 実現できなければ、正当化されず、 永続の可能性すらない。 資本主義の発達によって得られた 物質的、経済的な成果から見れば、 経済活動の自由というものは 望ましい形だった。 しかし、資本主義以前の 貧しく飢えた職人や農民にとって、 経済的な自由は脅威を意味した。 「経済活動は、  経済以外の要因に左右されることなく、  上位に位置づけられる。  まさに経済的な進歩が千年王国を実現するがゆえに、  経済的な目的の実現のためには、  あらゆるエネルギーを注がなければならない。  これが資本主義である。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■行動の動機としての利益■~ブルジョア資本主義の崩壊~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝、 暑い一日になりそうです。 年金機構による個人情報の流出問題、 事件発生以来、今日が初めての年金支給日。 なりすましが予想される、 受給者はお気を付けください。 しかし、結果に対する責任が曖昧だ。 8年前の消えた年金問題でも問題になった ずさんな体質が治っていない。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ マルクス主義は、 私的な利益を廃止することによって、 個人の自由と平等な社会が もたらされると期待した。 一方の資本主義は、 私的な利益を行動の規範とすることによって それらがもたらされると期待した。 ”利潤動機”は、 資本主義が発明したわけではない。 利益への欲望が 行動の動機となるということは、 どのような社会秩序のもとでも、 常に個人の動機の一つであった。 そして、今後ともそうであろう。 「しかし資本主義こそ、  自由で平等で理想的な社会を  自動的に実現するための手段として、  利益を積極的に評価した  最初で唯一の社会的信条だった。  資本主義以前の信条では、  私的な利益は、社会的には有害なもの、  あるいは少なくとも中立的なものと見ていた。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■プロレタリア自身に対する独裁■~神なき教権階級~

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おはようございます。 雲の多い川崎の朝、 今日は雨の様ですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ そのような仕組みが、 経済的な効率と生産性を 生み出すかもしれないが、 そのような社会は、 階級のない社会どころか、 敵対する階層による硬直的な社会である。 こうしてマルクス主義は、 農奴が受益者として宣言されただけの 完全な封建社会を生みだした。 12、13世紀の封建主義の時代でさえ、 当時の社会信条にもとづいて正当化されていた。 ところが社会主義国では、 この社会階層が正当化されない。 したがって、そのような社会が 必然の結果であることが明らかになったとき、 マルクス主義は、あらゆる基盤を失った。 「マルクス主義は、  ロシアにおいて真に自由な   社会主義実現の日を「無期延期」したとき、  その革命が失敗したことを   結果として認めることになった。  これを普通の言葉に翻訳するならば、  プロレタリアの名のもとに   権力を握った少数の人間が、  それをプロレタリアに返す日は   永遠に来ないということだった。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■マルクス主義の失敗■~階級のない社会の実現~

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おはようございます。 雨は降ってはいないが、 梅雨らしい暗い空の川崎の朝です。 週末をお楽しみください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 その後起こるファシズム全体主義の台頭の要因は、 マルクス主義の失敗にあるとする。 そして、それは経済の失敗ではなく、 階級のない社会を 実現できなかったことにあるとする。 マルクス主義の基本的な教義は、 ”資本主義は、生産規模の拡大に伴い 必然的に、労働者中心の社会構造になる。” というものであった。 このことから、少数の搾取者の手から 生産手段を解放すれば、 階級のない社会を もたらすことができるはずであった。 ところが実際には、 共産主義国において 特権を有する者の数は、 生産単位の拡大に伴い、 減少するどころか 幾何級数的に増加していった。 「マルクス主義が教義としての力を失ったのは、  階級のない社会を実現できず、  それどころか自由のない硬直的な階級を  必然的にもたらさざるをえないからだった。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■秩序なき大衆への賛美■~不合理の魔力に従う。~

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おはようございます。 小雨の降る川崎の朝です。 梅雨なので、雨降りは当たり前ですが、 長くは続かないようで、 関東地方の週末は良い天気みたいですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは相対主義の誤りを指摘した。 そして、さらに理念や信条しか考えない 絶対主義も間違いであるとする。 絶対主義は、社会が機能して初めて 意味をもちうること、 さらには、機能する社会の代わりとなるものは、 無秩序な大衆という社会の崩壊しかないことを 理解しようとしない。 そして、権力に正統性がなければ、 専制政治が起こる。 そのとき、個人は”不合理の魔力に従う。” 変化を約束する者でありさえすれば、 独裁者にさえ身を投げだすのだ。 「社会をもたない大衆は失うものがない。  束縛するものさえない。  しかも、理念をもたない大衆は、  彼らを思いのままにしようとする専制者に対して、  抵抗すべき組織的基盤をもたない。」 ~『イノベーターの条件』 (1章 社会の存在を当然としてはならない)

■相対主義と絶対主義の間違い■~何を目的とし、何を犠牲にするか~

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おはようございます。 昨日は、さわやかな天候の一日でしたが、 今朝は少し雲が出て、湿気が多い川崎です。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ これまでで明らかになったことは、 社会は、その成員である個人一人ひとりに対し 位置づけと役割を与えることと、 そこにおける権力に正統性がないかぎり 機能しないということである。 ドラッカーはこれは、 社会の一般理論であるとする。 そして、この一般理論というものは、 典型的に形式的である。 社会の中身である自由、平等、正義、 権利、進歩、平和、信教、 その他諸々の内包する価値については 言及しない。 社会は効率的に機能さえすれば よいということになる。 「何を目的とし、  何を犠牲にするかを考えないかぎり、  効率には意味がない。  社会は機能しさえすればよいとする相対主義は、  私のもっとも忌み嫌うところである。」 ~『イノベーターの条件』 (1章 社会の存在を当然としてはならない)