■私からあなたへ伝達するものではない。■～経験の共有が不可欠～

ドラッカーは、組織のコミュニケーションにおいて、そこに存在するギャップの解消が
重要であるとした。


そして、有効なコミュニケーションの前提となるものが”目標管理”だとする。

目標管理において、部下は上司に対して「自らの組織に対して、いかなる貢献を
行うべきであると考えているか」を明らかにするが、その考えは上司の期待どおり
であることはまれだ。

しかし、目標管理の最大の目的は、上司と部下のこの違いを明らかにすることにある。
この”目標管理”という経験を通して、それぞれの違いや立場を理解することとなる。

この”同じ事実を違ったように見ている”ことを互いに知ること自体が、
コミュニケーションなのである。


つまり、コミュニケーションが成立するには、経験の共有が不可欠。

ドラッカーは、この”経験の共有”こそが、コミュニケーションを考えていくうえで
もっとも重要な基本とすべき結論であるとする。

組織の中で、働く人達は、経験の共有を通して、”私とあなた”ではなく
”われわれ”となることにより、コミュニケーションのみならず組織の有効性を
作り上げていくんですね。


「コミュニケーションは、私からあなたへ伝達するものではない。

それは、われわれのなかの一人から、われわれのなかのもう一人へ伝達するものである。

組織において、コミュニケーションは単なる手段ではない。それは組織のあり方である。」


～Ｐ．Ｆ．ドラッカー「マネジメント」






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