■知識が意味しないもの■~効用を与えるものは、テクネ~

おはようございます。
まだ雲の多い川崎の朝です。

さっき4時40分福島沖で地震発生、
岩手の一部に津波による避難勧告が出た。

特に大きな津波の様子は見られないが、
十分な注意が必要、
地域の方はお気を付けください。

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∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬



プラトンの時代以降、知識の役割についての理論は、
二つしか存在しなかった。
一つは、ソクラテスが示した、自己認識、つまり自らの知的、
道徳的、精神的成長にあるとしたもの。
もう一つは、プロタゴラスの、何をいかに言うかを知ることにあるとしたもの。

このように、知識が意味するものは異なっていたが、
知識が意味しないものについては完全な一致があった。

知識は、行動につながらず、
なにものも生み出すことはないということである。

それらをなし得るものは、技能(テクネ)だった。

テクネとは、特定分野に関する処方箋であり、
例えば、ギリシャーシチリア航路について船長が知っていることは、
他の分野に応用できなかった。

そして、テクネは、言葉や文字では説明できず、
身をもって示すものを、徒弟となり、
経験を積むことでしか学ぶことはできなかった。

”イギリスではクラフト(技能)という言葉がなく、
ミステリー(秘伝)なる言葉を使っていた。”


「知識は、行為に関わるものではなかった。

 知識は、効用ではなかった。

 効用を与えるものは、知識ではなかった。

 それは技能だった。」

~『プロフェッショナルの条件』
  (1章 ポスト資本主義社会への転換)





























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