■国賊を賞賛するスピーチ■~戦争は身近だった。~

おはようございます。

青空が広がる川崎の朝です。

久し振りの好天、お出かけ日和です。

良い休日をお過ごし下さい。

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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬


観察者は育ちよりも
生まれつきのようであり、
ドラッカー自らについては、
八歳の頃にはかなりの
観察者になっていた、
とする。


本人がそれを知ったのは、
第一次大戦中の小さな
クリスマス・パーティのことで、
その秋、戦時の闇商売の摘発が
連日新聞をにぎわしていた。


そのニュースとは、
食料不足の中、
ホテルとレストランのオーナーであり、
一流のサービスを旨としていたクランツ氏が、
牛肉を闇で仕入れ、逮捕、起訴され
国賊扱いされたというものであった。


クランツ氏は高値で仕入れてはいたが、
高値で提供したわけではなく、
配給切符以上の量を
提供したわけでもなかったが、
検察は、ホテル代とレストランの
席料を高くすることによって、
事実上、闇値で肉を
売ったものとして起訴した。


パーティにいたのは、
九歳以下の上流家庭の子供たちで、
彼らがクランツ事件について話をしても、
さほどおかしくはなかった。


「戦争は身近だった。

 親戚や知り合いが出征していた。

 どの子の親も、

 新聞で戦死者リストを調べる毎朝だった。

 子供たちさえ、

 知り合いの名が載っていないかと

 新聞を覗いていた。」

~P.F.ドラッカー「ドラッカーわが軌跡」
(プロローグ  国賊を賞賛するスピーチ)






















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