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■補完的機会にはリスクが伴う。■~事業の定義を変える機会~

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おはようございます。 今日はうす曇りの寒々しい川崎の朝です。 特定秘密保護法案が成立した。 担当大臣は、成立後の記者会見で、 今後細かな説明を行って理解を深めたいと述べた。 本末転倒もはなはだしい。 国民が選択した、”国政の安定多数”という状況がもたらす弊害を まざまざと見せつけられた形だ。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 三つの機会。 その2 ▲補完的機会 事業の定義を変える機会である。 「1 + 1」が3にも5にもなるような新しい事業の機会を指す。 印刷会社が3D印刷技術を使用して、人工骨製造に進出する際には、 医療技術や炭素系素材の専門知識が必要になる。 その専門企業を吸収合併して医療分野に進出することなどはこれに該当するが、 この場合には、例えば炭素素材に関する知識など、 少なくとも一つの新しい知識において卓越性を獲得しなければならない。 しかし新しい分野には当然のこととして、リスクが付きまとう、だから。。 ドラッカーは、「わが社は新しい種類の卓越性を獲得し、 維持し、報奨するために、進んで自らを変える気はあるか」 と自問しなければならないとする。 「補完的機会にはリスクが伴う。  むしろリスクがないならば  その機会は幻として退けなければならない。  したがって、補完的機会は、事業全体の富の創出能力を  数倍にしてくれるものでなければ機会とはいえない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第13章 事業戦略と経営計画)     

■付加的機会とは、■~リスクは小さく~

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おはようございます。 今日も快晴、抜けるような青空です。 寒さに負けず、週末をお楽しみください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 三つの機会。 その一▲付加的機会▲ 今使っている資源をさらに活用するための機会を指す。 なので、事業の定義は従来のままである。 【CASE】 ユニクロのヒット製品であるヒートテックは、 東レとのコラボレーションで生まれたものだが、 東レはこれまでと同様に衣類素材として市場に投入している。 付加的機会を生かした例だが、 東レは既存の資源を利用するという面からリスクは小さいが、 一方で、他の素材繊維以上の利益も望めないと言える。 「ヒートテック(r)」プロジェクト | プロジェクトの意味するもの 「付加的機会に対しては、高度の優先順位を与えてはならない。  付加的機会から得られる利益は限定されており、  したがってそれに伴うリスクも小さくなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第13章 事業戦略と経営計画)     

■三つの機会■~付加的・補完的・革新的機会~

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おはようございます。 薄明かりの川崎の朝、さほどの寒さは感じません。 週末、そろそろ大掃除の準備でしょうか。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 機会には、以下の三つがある。 ▲付加的機会 既存の資源をさらに活用するための機会 ▲補完的機会 事業の定義を変える機会 ▲革新的機会 事業の基本的な性格と能力を変える機会 「いかなる機会を追求できるかは、  事業の経済的な分析から出てくる。  それらの機会を全体として検討し分類しなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第13章 事業戦略と経営計画)     

■戦略的に意思決定すべき四つの領域■~正しい機会と正しいリスク~

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おはようございます。 昨日はフェースブック高橋の会東京チームの忘年会でした。 高橋という名のもとに生まれたというだけで集まった人たち。 気軽に、楽しく交流できました。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、経営計画においては、 次の四つのことを戦略的に意思決定しなければならないとする。 ①追求する機会、進んで受け入れるリスク、 受け入れることのできるリスク。 ②事業の範囲と構造 (特に専門化、多角化、統合のバランス)。 ③目標を達成に必要な時間と資金、新事業あり方 (設立、買収、合併、合弁とのバランス)。 ④経済情勢、機会、成果達成のための計画に適合した組織構造。 そして、事業においては、リスクを最小にすべきだが、 リスク回避ばかりを考えていると、 最大にして最も不合理なリスクである、 無為のリスクを負うことになる。 なにごとも行わないというリスクである。 不確定な事業に取り組むことには、 当然のごとくリスクは付きまとうので、 リスクは行動に対する制約であるとの 認識を持つ必要があるのだ。 「リスクの有無を行動の基盤としてはならない。  リスクは行動に対する制約にすぎない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第13章 事業戦略と経営計画)     

■優先順位と劣後順位■~機会は手段よりも多い。~

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おはようございます。 特定秘密保護法案の政府の取り扱いの酷さが顕著になっている。 国民の声を聞いたという事実作りのための公聴会を今日にも開催するという。 政府としては、採決を決めた上での公聴会である。 国民をばかにしているとしか言えない。 野党も抗議行動などを行っているものの有効性がなく、 野党責任を問われなければならないだろうし、 この状況を選んだ有権者の結果責任も認識しなければならない。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 事業機会を発見したとしても、自社の持つ資源には限界があるため、 そのすべてを実行することはできない。 なので、優先順位付けが重要となる。 優先順位の決定で重要なことは、目前の確実な小さな機会は犠牲にしても、 未来の大きな機会に第一級の人材を配置すること。 そして、さらに重要なことは、決定したことは断固行わなければならないこと。 重い意思決定は誰も進んで行いたくはない。 しかしそれを回避するということは、 成長はおろか事業継続自体を危うくする。 間違いであっても、リスクに向き合い意思決定を行う方が害は少ない。 「優先順位の決定が、よき意図を成果をあげるコミットメントヘと、  洞察を行動へと具体化する。  優先順位の決定がマネジメントの視点と真摯さを語る。  そして優先順位の決定が、基本的な行動と戦略を規定する。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第12章 意思決定)     

■知識に関わる卓越性■~直ちに実行可能なもの~

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おはようございます。 東日本大震災から1000日を明日迎える。 被災地ではまだ仮設住宅に10万人が住まいを余儀なくされ、 極寒の中での年越しを迎えることとなる。 一方、東電への国からの支援金は5兆円規模、 どこを見ているのか。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 卓越性とは、事業にリーダーシップを与える知識、人間能力を指す。 この卓越性を明確に定義することは、自社にとって、重要な活動が何であり、 どうあるべきなのかを決定することとなる。 しかし、その定義が適切であるかどうかを判定できるのは経験だけであるが、 無効な定義としての判断基準はある。 例えば空気力学やリスク分析など、極端に狭い専門分野に絞ると ニーズや市場の変化に柔軟な対応ができなくなる。 逆に、法律相談から、網戸の補修までのアラカルトでは、 人並み以上の成果は望めない。 ”あらゆる方面に優れるということは、あらゆる方面に無能”だということである。 では、有効な定義とは何か? 実行可能であり、直ちに行動できるものでなければならないもの。 ドラッカーは、卓越性の定義は、昇進、採用など人事上の 決定要因の基礎になるものでなければならないとする。 「卓越性の定義は、事業に弾力性や成長と変化の余裕を  もたせることができるように、  大きく、しかも集中が可能なように範囲を  特定するものでなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第12章 意思決定)     

■事業の定義とは、■~目標と方向を設定すべきもの~

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おはようございます。 真っ青な晴天の川崎の朝、シーズン一番の冷え込みを更新しました。 インフルエンザが急激に広がっています。 移されないように気を付けることは大切ですが、 移さないマナーも大事ですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 行動に結びつく意思決定には、次の中核となるべき三つの意思決定がある。 「事業の定義」「卓越性の定義」「優先順位の設定」 「事業の定義」 事業の構想が有効であるためにはその事業が成長し変化していけるだけの大きさのものでなければならない。 【CASE】 「わが社の事業はテレビ受像機である。」では小さすぎ、「わが社の事業は娯楽である。」では一般的過ぎる。 構想は実行可能で、具体的な行動に結びつく結論を引き出せるものでなければならず、 このような有効性という要件を満たすことのできない事業の定義はそもそも間違った定義である。  事業の構想とは、次の三つの問いに対する答えの集約であり、 その回答は「目的を確立し、目標と方向を設定する」ことを導き出す。  ・わが社の事業は何か。  ・わが社の事業は何でなければならないか。  ・わが社の事業は何にならなければならないか。 「事業についての有効な定義をもてないことは危険信号である。  市場や顧客と無関係に事業を行っていることになる。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第12章 意思決定)     

■中核となるべき意思決定■~今日行わなければならない。~

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おはようございます。 今日も抜けるような青空、今シーズン一番の冷え込みの川崎の朝です。 行楽日和ですが、今日は、東京オペラシティーで、クラシックを楽しんできます。 たまにはCDではなく、生演奏も良い。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 分析結果を成果に結びつけるためには、行動に結びつく意思決定が必要である。 この意思決定により、新しいビジョンが生まれ、課題が明確になり、 具体的な仕事が明らかになる。 そして、仕事は、評価されなければならず、 そのためのベースラインが定められる。 企業は、常に今日の事業と明日の事業、その双方のための行動を行う必要がある。 しかし、企業の資源には限界があるため、現在の事業のための行動は、 明日の行動のために使える資源に影響を与える。 また、明日の事業を成功させるためには、 今日の事業に関する戦略や資源に影響を与える。 そのため、最大の成果をあげるには、 それらの仕事を一つの大きな計画として統合しなければならない。 これらの行動についてバランスが取れなければ、 ある行動がほかの行動を台無しにすることとなる。 「今日の苦しい現実を明日の約束によって曖昧にしてはならない。  同時に明日のための困難な仕事を  今日の眼前の事象のゆえに放置してはならない。  決定した仕事はすべて、今日行わなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第12章 意思決定)     

■明日は必ず来る、そして今日とは違う。■~何かを起こす責任~

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おはようございます。 真っ青な空のもと、寒い川崎の朝です。 この寒さが、紅葉とイルミネーションを際立たせます。 週末をお楽しみ下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、ビジョンを実現するためには ”全人格的な献身”が必要とした。 そして、確信を持って「これが本当に望んでいる事業だ」 ということができなければならない。   今日のビジネスで企業は当面生きながらえるかもしれないが、 明日は必ず来るし、その明日は今日とは違う。 その明日への働きかけを行っていなければ、 目の前で起こる変化を理解できなくなる。 理解できないことは、行動できないことを意味する。 その結果、理解できない変化にうろたえ、 処理できない大きなリスクを負うことになる。 ドラッカーは、このリスクを取りながら 未来のビジョンに立ち向かうことは、 マネジメントの責任であるとする。 「マネジメントたる者は、未来において何かを起こす責任を  受け入れなければならない。  進んでこの責任を引き受けなければならない。  進んでこの責任を引き受けることが、  単に優れた企業から偉大な企業を区別し、  サラリーマンから事業家を峻別する。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第11章 未来を今日築く)     

■全人格的な献身と勇気■~本当にその事業を経営したいか~

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おはようございます。 未明の川崎、昨日は西日本で初雪、ずいぶん早い。 関東地方は、紅葉狩りに打って付けの週末になりそうですよ。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 最後に、ドラッカーは、ビジョンを実現するためには ”全人格的な献身”が必要とする。 何を意味するのか? 勇気を持ち、努力し、信念を持続することができなければ この困難な活動は乗り越えられない。 未来に関わるビジョンは、思惑通り順調に進むわけではないし、 むしろ困難が伴うものでなければならないからだ。 ”確実なもの、リスクのないもの、失敗しようのないもの”は必ず失敗する。 なぜなら、確実な未来などというものはそもそも存在せず、 その不確実性には、必ず失敗するリスクが付随しているからだ。 なので、”全人格的な献身”がないかぎり、努力の継続は難しい。 「未来に何かを起こすには勇気を必要とする。  努力を必要とする。信念を必要とする。  その場しのぎの仕事に身を任せていたのでは、  未来はつくれない。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第11章 未来を今日築く)     

■経済的な成果をあげられるか■~ビジョンの有効性の基準~

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おはようございます。 薄明るい川崎の朝、青空が広がっています。 日々寒さが増してきます、何かと体力のいる年末に向けて体調にお気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、ビジョンは以下の条件を満たす必要があるとする。 一つは、実用的な有効性を持ち行動を起こすことことができること。 二つ目は、利益をあげることができ、顧客の欲求やニーズを満たすことができること。 三つ目は、社会的な改革を目的としている場合であっても、その構想の上に事業を築くことができること。 そして、ビジョンの有効性の基準は事業としての成果であり、事業としての繁栄であるとする。   「ビジョンの有効性の基準は、  選挙での得票数や哲学者からの喝采ではない。  経済的な成果であり、業績である。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第11章 未来を今日築く)     

■模倣による実現■~靴を履いた農民というビジョン~

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おはようございます。 未明の川崎の朝、今日も快晴の模様です。 特定秘密保護法の修正案が衆院を通過し、参院に送られる。 国民が選んだ国会の「安定多数」の下、成立するだろう。 国民の多くの理解は「?」だらけの中で、 急いで可決するということがさらに不信を増す。 特定秘密保護法の修正案、衆院通過 http://www.asahi.com/articles/TKY201311260439.html ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ”未来において何かを起こすには、特に創造性は必要ない。 必要なものは天才の業ではなく仕事である。” ドラッカーは、創造的アイデアは重要ではなく、 製品やプロセスの向こうにあるものを構想することが重要であり、 製品やプロセスは、ビジョンを実現するための道具にすぎないとする。 【CASE】 ・ヨーロッパの農民が靴を履かないのは、貧乏が原因ではなく、 安い靴がなかったことことに気付き、 靴を履いた農民というビジョンを実現して成功した。 ・デュポンが高分子化学の研究を始めたときには、 人造繊維を作り出すという目的を持っていたわけではなく、 有機物の分子構造の操作が何らかの成果をもたらすであろう との考えたものであった。 その研究の成果として、結果的にナイロンが出来上がった。 「イノベーションの議論において  意味なく強調されている創造性なるものは問題の鍵ではない。  すでにアイデアは、企業だけでなく  あらゆる組織体に利用しうる以上に存在している。  欠落しているのは、製品を超えて構想することである。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第11章 未来を今日築く)     

■仮説や構想を事業に転換する■~偉大なイノベーション~

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おはようございます。 雨が上がった川崎の朝、今日からは冷え込みが増してくるとのこと、 いよいよ冬に向かうか。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ”偉大なイノベーションは、理論上の仮説を現実の事業に転換することによって、こ れまで実現されてきた。” 【CASE】 フランスの社会哲学者サン=シモンのビジョンが生み出した、投資銀行。 パーキンによるアニリン染料の発見から始まった近代化学工業。 単なる仲介者としての商人ではなく、経済活動における主役としての 商人というビジョンから生まれた、三井財団。 「ドイツの企業家たちが、イギリスにはなかった企業家的な構想、  すなわち有機化学における科学的探求の成果を、  市場向けの応用に発展させるというビジョンをもって仕事をしたのだった。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第11章 未来を今日築く)     

■ビジョンを実現する■~富を生む機会や能力~

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おはようございます。 まだ薄暗い川崎の朝、今日は全国的に不調な天候の模様です。 一週間のスタート、週後半はぐっと寒くなりそう、 風邪など引かず年末に向けて頑張りましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 未来において何かを起こすということは、 ビジョンを描き、そのビジョンを新しい事業としてつくり出すことである。 しかしドラッカーは、そのビジョンは大きなものである必要はないが、 今日の常識とは違うものでなければならないとする。 そして、そのビジョンは企業活動を通じて実現できるものでなければならない。  企業家的なビジョンは、哲学者や歴史家、革命家のもつものとは異なる。 問うべきは、いかなる変化が、わが社の事業を可能とし、最大の経済的成果を可能にするかなのだ。 この狭い領域に特化しているということが活動のエネルギーを生み出すのだ。 「未来において何かを起こすということは、  新しい事業をつくり出すことである。  すなわち、新しい経済、新しい技術、新しい社会についてのビジョンを  事業として実現するということである。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第11章 未来を今日築く)     

■新しい現実が見える■~今日とは違う企業をつくる~

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おはようございます。 今日も朝から青空が広がる川崎です。 特別秘密保護法案があれよあれよという間に議決に向けて進んでいる。 このスピード感は、衆参ねじれ解消の結果であろうが、 国民の認識がこのスピードに付いていけていない。 世論調査では6割が法案成立に反対している。 法律、マスコミ、市民団体等の反対運動も多く行われている。 民意で高い支持率を得ている政権だが、 この法案の民意をどうとらえるのだろうか。 秘密保護法案:国連人権理の特別報告者 日本に懸念表明 http://mainichi.jp/select/news/20131123k0000m030094000c.html ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 「すでに起こった未来」を探さなければならない。 しかしドラッカーは、予測というものが、未来についての予測ではなく すでに起こった現実に関する見解であることが多いとする。 多くの人は、自らの目で実際見たものしか想像できないからだ。 なので、問われるべきことは、 「われわれ自身は、社会と経済、市場と顧客、知識と技術をどう見ているか。それは、いまも有効か」である。 事業活動を開始する際には、内部環境やマーケットの分析を行った。 しかし、それらは大きく、素早く変化し、陳腐化と呼ばれる後退局面は思いのほか早い。 そのためには、将来の変化が今に影響を及ぼしている変化を見出すことである。 このことにより、新しい知覚がもたらされ、自らの目で見たことのない、新しい現実が見える。 今見えた現実は、変化から起こった新しい事態だという認識を持つ必要があるのだ。 しかし、ドラッカーは、そこには大きなリスクがあるとする。 それは、起こりつつあると盲信したり、実際に起こっていると錯覚を起こすことだとする。 従って、全会一致の結論は、願望に表明でしかなく、常に疑ってかからなければならない。 このすでに起こった未来を見つけるという方法が有効なのは、 変革のための意思決定を余儀なくさせる、つまり、 今日とは違う企業をつくるための意思決定をもたらすからである。 「すでに起こった未来を見つけるという方法が有効なのは、  

■企業の内部に起こる変化■~知らずして急所に触れる。~

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おはようございます。 秋の青空が広がる川崎の朝です。 紅葉も旬になり、絶好の行楽日和ですね。 週末をお楽しみください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 「すでに起こった未来」を体系的に見つける五つの領域。 第五の領域:企業の内部   一旦軌道に乗った事業や活動は日常業務になり、企業の内部では継続的な安定を指向する。 しかし市場や顧客のニーズは日々変化する。 そこで、この変化に取り組む動きが企業内部で芽吹く。 それが顕著な活動になった時に、現在の事業との摩擦を生みだす。 ドラッカーは、この摩擦こそ、外部の変化の予兆であるとする。 この変化をとらえ、ビジョンを描き、新しい事業を立ち上げるという 勇気と信念が大切であり、逆にこの企業家精神がなければ生き残ることさえ困難となる。 「何かを導入したときもめ事が起こる。  新しい活動が組織内に変化を引き起こし、  すでに受け入れられているものと対立する。  すなわち知らずして急所に触れる。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第11章 未来を今日築く)     

■産業構造における大きな変化■~素材の始点から終点~

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おはようございます。 未明の川崎の朝、東京地方は今日も晴天の模様。 小笠原諸島の近海に火山噴火により新島ができそうだ。 島として安定すれば領海が22Km分広がるので、 メリットはあるかもしれない。 しかし、火山噴火の元にあるマグマの活性化は不気味だ。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 「すでに起こった未来」を体系的に見つける五つの領域。 第四の領域:産業構造  次に、産業構造の変化を検討しなければならない。  ドラッカーは、素材革命と言われる大きな変化を示す。 かつて、木を原料にするものは紙で、紙は木だけから作られていた。 素材の流れは一定であった。 紙は印刷物として本や新聞の素材として作られていた。 本や新聞の持つ用途は紙という素材を必要とし、紙は文字を印刷するという用途に適 合した。 つまり、木は紙を作り、紙は印刷物を作るというプロセスがあった。 しかし現在、紙と同じ機能をもつものは、ビニールやガラスや、金属など多様な物質 からつくることができる。 用途から見ても、電子メディアや映像などが、印刷物の代替物として登場している。 逆に紙は、医療品や衣服の原材料になり、製紙業はプラスチックの生産や加工の技術 を取り入れている。 そして、衣料製品産業も繊維産業も製紙プロセスを参考にしている。 つまり例えば、製紙業が、木という素材のみに関心を持たないとするなら、 その先にあるのは破滅しかないのだ。 「かつては物質そのものが問題であったが、  今日では素材としての物質が問題なのであって、  しかもその素材なるものの定義さえ難しくなっている。  しかしいずれにせよ、一つの素材をもって自らを定義する企業は、  すでに陳腐化したといってよい。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第11章 未来を今日築く)     

■ほかの産業、国、市場■~可能性が存在するところ~

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おはようございます。 今日も晴天の朝。 11月も早下旬、残すところ1月、 そろそろ締めの準備でもしましょうか。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 「すでに起こった未来」を体系的に見つける五つの領域。 第三の領域:ほかの産業、ほかの国、ほかの市場 【CASE】 日本の家電メーカ。 日本の所得水準ではテレビの普及は難しく、特に農家には買う余裕はないと考え、テ レビの生産を抑えた。 しかし他国の状況を調べて検証したところ、テレビは低所得層が簡単に手に入れられ るものではなかったが、 価格以上の大きな満足を与えていることが明らかになった。 そして、それらの国では貧しい人たちが、所得からすれば高すぎるはずのテレビの顧 客になっていた。 この他国での調査結果に基づいて、高価な大型テレビを農家に集中的に販売促進を行 い業績を上げた。 「われわれの産業、国、市場を変える可能性のあることは起こっていないか」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第11章 未来を今日築く)     

■基本的な知識の変化■~期待すべき機会は存在するか~

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おはようございます。 青空の中に、小さな満月が浮かぶ川崎の朝です。 東京地方はこのところ、好天が続きます、今日も大丈夫です。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 「すでに起こった未来」を体系的に見つける五つの領域。 第二の領域:知識  すでに起こった未来を探すべき第二の領域は、知識の領域である。 企業の卓越性は、コアコンピタンスにある。  知識とは、そのコアコンピタンスとなりうる、 技術やノウハウなどの能力を意味する。 企業は自社に関係ある知識だけを探すが、未来は予測できない。 ”バタフライ効果”のとおり、なにが自社に影響するか予測は困難なので、 あらゆる知識の領域について、すでに発生した未来を探さなければならない。 そして、そこに我社の「期待すべき機会は存在するか」を検討しなければならない。 【CASE】  印刷会社の3Dプリント技術を医療分野に適用すること。  医療分野では、高齢世代の増加によって、  老化による骨障害が増えることに対して、  患者に負担の少ない人工骨埋め込み技術などの研究を行う。  印刷会社は、医療分野の知識エリアを研究し、  自社の持つ3Dプリント技術の利活用を適用、  急速な進歩を見せている。 「知識を自らの企業に関わる知識に限定してはならない。  なぜならば、未来においては自らの企業そのものが  いまとは違うものになっているからである。」 ~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第11章 未来を今日築く)     

■ 「現実の変化」の二つの特徴 ■~変化を機会と見る~

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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ドラッカーは、社会の変化について、問題重視型の思考では、 今起こっていることが”変化”であることに気づくことができないとする。 未経験の事象は、その影響もスピードも予測が難しく、 現状を乱す”問題”と捉えてしまう。 さらにその問題は”回避すべき危機”として認識される。 未経験の事象が起こっているということは、 変化が起こっているということである。 その変化の特徴のひとつは、前回とは違う結果を生むこと、 もう一つは予想より早く起こること。 ドラッカーは、この特徴を理解することにより、問題を変化と捉え、 その変化に対応することを事業のチャンスと捉える事が可能となるとする。 「現実における変化には、二つの特徴があります。  前回とは決して同じにならないこと。  そして、机上で考える変化より先に現れること、です。  このことを理解しなければ、変化を危機と見誤ってしまうでしょう。  日本に起こっていることは危機ではありません。  --日本に起こっているのは、変化なのです。」 ~P.F.ドラッカー「ドラッカーの遺言」 (第4章 日本が進むべき道)