■顧客にとっての価値■~経営戦略は、そこからスタートする。~



おはようございます。

今日も晴天の川崎の朝です。

30数年前にデビューし脚光を浴びたロシア人ピアニスト、ラザール・ベルマン。
彼のCD「巡礼の年」が売れている。品薄状態で、CDメーカーは予想外だろう。
なにが起こったのか、原因は村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の
年』に登場するからだ。

市場、顧客はいつどのように生まれるかはわからない。
バタフライ効果と言うべきか。

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∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬

マネジメントのパラダイムの前提には二組ある。

▲事業経営上の前提
 ①技術と市場とニーズはワンセットである。

ドラッカーは、特定の知識や技術は、
必ず特定の市場や顧客を作る訳ではないとした。

そしてそれは、ノンカスタマーが顧客以上に
重要になったことを意味するとした。

さらに、企業は自らの製品やサービス、用途が、
自分たちが意図したどおりに市場に受け入れられると
考えてはならないと付け加える。

なにを中心にして考えるべきなのか?
それは、顧客にとっての価値である。
顧客は、企業が提供していると思っているものを買っているのではない。

たとえば、メガネを購入する顧客は、価格を重視する人、
デザインを中心に選ぶ人、使い心地やメーカーによる人など様々である。
いくら企業が自信をもって作ったデザインの眼鏡であろうが、
価格が受け入れられなければ顧客とはならない。

また、フェラーリ社は移動手段としての自動車を販売はしていない。
高級スポーツカーとしてのステータスを提供している。

これは、企業が作る製品やサービスの基盤となる技術や意図が、
そのまま顧客に受け入れられなくなったことを意味する。

ドラッカーは、企業の持つ技術や意図は制約条件に過ぎず、
重要なことは、顧客が何を価値と考え、家計全体の中で
いくらその製品に代金を支払っていいかと考えるかであるとする。

従って、企業の経営戦略は、そこからスタートしなければならない。

「顧客は供給者が提供していると思っているものを

 買っているのではない。

 顧客にとっての価値は、

 供給者にとっての価値や質と異なる。」

~P.F.ドラッカー「マネジメント」

(附章 マネジメントのパラダイムが変わった)



   


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