■顧客の現実を知る■~完全に不合理に見える行動は何か。~

おはようございます。

今日から10月、早いもので、今年もあと3月、みょうな切迫感を感じる。

AEONが販売した弁当などの国産表示ご飯に、中国産米が混入していたことが明らかになった。
納入業者のコスト削減のための確信的な詐欺行為だ。

加工品の出元は消費者には分らない。
このご飯が消費者に届くまでには、原料提供会社、加工会社、納入業者、AEONなどが存在する。
どこもこれを見抜けなかった。
このバリューチェーン全体が不信を買う。

---------------------- 


∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬

予期せぬものを知るための九つの問い
 その⑨顧客の現実

 九つの問いの最後。
 「完全に不合理に見える顧客の行動は何か。したがって、顧客の現実であって、わが社に見えないものは何か」

企業が自らの思惑と違う行動を顧客が行う場合、その行動はなにか?
この行動は、まぎれもなく顧客にとっての現実であり必要な行動だ。
そのことを企業には見えていないから、企業にとっての”不合理”となるのだ。

【CASE】消費財メーカーと小売業者の例
  大手の小売業者は、メーカーブランドの販売に成功すればするほど自らのブランドでそれを販売したがる。
  メーカーは、これを小売店が目前の利益を重視する近視眼的な考えであると考える。
  しかし、小売業者は、自ブランドでは、利幅は大きくとも、在庫のコストや売れ残りに伴うコストに食われてしまうことも知っている。
  メーカーはそのことについても不合理と考える。
  しかし小売店にとって、メーカーの全国ブランドに全面依存することに伴うリスクを恐れているのであって、それは完全に合理的な戦略なのである。
  これが、小売店にとっての現実なのだ。
  したがってメーカーは、OEM提供等でそれに適応したほうがよい。

「一見不合理に見える顧客の行動を理解するには、

 マーケティング的なものの見方が必要である。

 供給者たる者は、自らの論理ではなく

 市場の論理に従って行動しなければならない。」
 
~P.F.ドラッカー「創造する経営者」(第6章 顧客が事業である)



   

コメント

このブログの人気の投稿

■歴史の転換点を眺める■~情報と知識の役割~

■マネジメントの意思決定への影響■~情報技術の動向~

■ドラッカーの学びの原点■~自身の哲学が芽生えた~