■事業の定義は、抽象的■~具体的な目標設定~
ドラッカーは、公的機関の機能不振について三つの誤解があるとした。 【3 目的や成果が具体的でない。】 公的機関の不振理由として、目的と成果が具体的でないというものがある。 ドラッカーは、これも問題の一面しか見ていないとする。 そもそも、公的機関のみならず、企業にとっても事業の定義は、抽象的にならざるを得ない。 「"食"と"健康"でよりよい生活に貢献」とか「良いものを早く、安くお届けする」、 「消費者のための価格破壊」等の定義は具体的でない。 また”魂の救済”という教会の目的は、定量的には把握できない。 同じく、“芸術の街作り”、”子供たちをすくすくと育てる地域”との地域行政の目的も同様に 抽象 的 である。 しかし、教会への参拝者の数や、美術館の来訪者数、子供の身体能力などは測定できる。 ドラッカーは、事業定義は抽象的であっても、具体的な目標を設定し、その結果を測定して、 成果に結び付けることが大事だとする。 「全人格の発達という学校の目的は、定量的にはつかめない。 だが、「小学三年までに本を読めるようにする」との目標は具体的である。 容易に測定できる。かなり正確に測定できる。」 ~「マネジメント」