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■悪い組織とは?■~完璧な組織構造はありえない。~

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ドラッカーは、組織設計に必要な分析手法を示した。 では、悪い組織とはどういったものか? ≪悪い組織≫ 組織の基本単位を設計し、それを組み立てる際に見られる誤りと、 組織に重大な欠陥があるとき、もっとも多く現れる症状として ドラッカーは、次の7点を指摘する。 ◆マネジメントの階層が増加すること ◆組織構造に関わる問題が頻繁に発生すること ◆主要な人には重要でない問題や的はずれの問題に向けさせること ◆大勢の人間を集める会議を頻繁に開催しなければならないこと ◆人の感情や好き嫌いに気を使うようになること ◆実際の仕事をしない人たちを必要とするようになること ◆頻繁に組織改革を行うこと 「完璧な組織構造などありえない。  せいぜいできることは、  問題を起こさない組織をつくることである。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 32 組織の基本単位)     

■意思決定の権限や責任■~組織における仕事の位置づけ~

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組織設計で行うべき4つの分析。 NO3【決定分析】 次に必要なことは意思決定の分析である。 「成果を手にするには、いかなる種類の意思決定が必要か」 「それらの意思決定をいかなるレベルで行うか」 「いかなる活動がそれらの意思決定によって影響を受けるか」。 したがって、 「いかなる部門のマネジャーが、いかなる意思決定に参加し、相談を受け、あるいは意思決定の結果を知らなければならないか」。 この様な問いかけが、組織における仕事の位置づけを左右するとし、 次の四つの観点から分類する必要があるとする。 ◆影響する時間の長さ ◆他の部門や他の分野、あるいは組織全体に与える影響の度合い ◆考慮に入れるべき定性的要素の数 ◆問題の発生頻度 「いかなる部門のマネジャーが、いかなる意思決定に参加し、相談を受け、  あるいは意思決定の結果を知らなければならないか」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 32 組織の基本単位)     

■スタッフ活動に必要な資質■~依怙贔屓することのない者~

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組織設計で行うべき4つの分析。 NO2【貢献分析】 ◆支援活動 支援活動とは、自らは成果を生まないが、他の活動に対してインプットとなる活動である。 この支援活動には3種類がある。 その② スタッフ活動 助言活動と教育活動がこの活動に属するが、果たすべき貢献は、その活動自体が何をなし、 何をなしうるかではなく、他の活動に対していかなる貢献をなすかである。 このスタッフ活動は、極力小さくし、基本活動についてのみ設けなければならない。 そして、この活動にふさわしい人間はどういうタイプか? まず、他の人に手柄を立てさせようと手助けする心構えが必要である。 また自らは手を出さず、人が学びとるまで辛抱しなければならない。 さらに、権力に近いという自らの地位を利用して、 依怙贔屓(エコヒイキ)することのない者が必要である。 しかし、そのような資質を持つ者は少ないが、 これらの資質を持たないスタッフは害となるだけである。 ドラッカーは、スタッフ活動を長期の仕事にしてはならないとする。 長期にわたってこの仕事をさせると、そこから得られるものは堕落でしかなく、 仕事に精を出すことを軽く見るようになり、さらには、 正しさよりも頭のよさを大事にするようになるとする。 そして、その③として、法務部などの渉外活動がある。 「スタッフ活動を立派なものとするには、  他の人に手柄を立てさせることを欲する気質が必要である。  他の人がしようとしていることを、  よりよくできるよう手助けする心構えが必要である。  自らは手を出さず、人が学びとるまで待たなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 32 組織の基本単位)     

■目的と戦略からスタートする。■~組織が真に必要とする組織構造~

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組織設計で行うべき4つの分析。 その1 【活動分析】 活動分析とは、”組織の基本活動”を明らかにすることである。 ”組織の基本活動”とは何か? ドラッカーは、組織の重荷を担う部分であり、 ”組織の目標の達成と組織の戦略の成功に欠くことのできない活動” と定義する。 そして、自らの組織にとっての基本活動が何であるかを明らかにするためには、 次の三つの事柄を問う必要があるとする。 ◆まず、目的を達成するために必要となるきわめて強い分野はなにかを問う。 クラウド技術なのか、品質マネジメントなのか、教育制度なのか、、、、 ◆同時に、成果をあげられず致命的な損害を与え得る分野と、極めて大きい弱みを持つ分野はなにかを問う。 中国への店舗展開をどうするか、小学生向け学習塾事業はどうか、ファブレスはどうか、、、、 ◆最後に、本当に重要な価値は何かを問う。 品質を最優先するのか、低価格サービスを広く提供するのか、安全性を最大にするのか、、、、 これらの問いへの答えが組織の目標の達成と戦略の成功に欠くことのできない基本活動であり、 組織の基本単位となる。 そして、その他の活動は、仮に重要と見えても重要ではない。 目的と戦略からスタートした基本活動についての活動分析だけが、 組織が真に必要とする組織構造を教える。 そして、戦略を変えれば、基本活動を再分析し、その活動に対応する 組織構造の変更が不可欠となる。 逆にいえば、戦略の変更なしに”組織改革”は行ってはならない。 戦略に関わらず組織変更を行う必要があるのはそもそも組織構造がまちがっていた場合である。 「関心を向けるべきは、組織の目標の達成と組織の戦略の成功に  欠くことのできない活動に対してである。  この基本活動こそ、まず識別し、規定し、組織し、  中心に据えるべきものである。  目的と戦略からスタートした基本活動についての活動分析だけが、  組織が真に必要とする組織構造を教える。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 32 組織の基本単位)     

■組織の重荷を担う部分■~答えるべき4つの問題~

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ドラッカーは、成果こそ組織の目標とした。 そして、さらに組織設計について、回答を出すべき4つの問題があるとする。 ◆何を組織の単位とするか ◆何を一緒にするか。何を分離するか。 ◆いかなる大きさと形にするか。 ◆いかなる位置づけを行い、いかなる関係を持たせるか。 そして、そのためには次の4つの分析を行う必要があるとする。 ・活動分析 ・貢献分析 ・決定分析 ・関係分析 「われわれは組織構造に組み込むべき活動の  すべてを知る必要はない。  知らなければならないのは、  組織の重荷を担う部分、  すなわち組織の基本活動である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 32 組織の基本単位)