■報酬の意味づけ■~成果のみならず、人間に対する評価を表す。~
京大山中教授が前評判どうり、iPS細胞研究でノーベル医学・生理学賞を受賞した。 混沌の日本に久々の朗報だ。 記者会見で、教授は”ヴィジョン&ハード・ワーク”という言葉を示した。 ”ビジョンをはっきり持ち、それに向かってハードワークすることが 研究者の成功の条件”との信念である。 教授がヴィジョンを示し、スタッフのハード・ワークがそのヴィジョンを 形にしたのだ。 医学研究のミッションである、実用医療への適応に向けた”VW”は これからも続くであろう。 「人生はやるか、やらないか 迷った時は困難な道を」 今回の快挙を可能にしたこの決意に敬意をこめた拍手を。 ------------------ 組織のなかで働く人々が果たすべき貢献が、 共通の目標に向けられない四つの要因。 4点目 ◆報酬の意味づけ 報酬は、組織にとってはコストであり、個人にとっては収入である。 そして、それは組織や社会の中での一人ひとりの位置づけを表し、 高報酬は、組織や社会の中でのステータスを意味することとなる。 また報酬は、組織の中で個人が生み出した成果だけでなく、 個人を人間の総体として評価した結果をも表す。 ドラッカーは、報酬について公式を求めても無駄であるとし、 いかなる報酬も、さまざまな条件のトレードオフを伴う、 妥協にすぎないとする。 「いかなる報酬にしても、報酬システムが持っている さまざまな意味合いの妥協にすぎない。 最高のシステムであっても、一方において組織を強化し、 他方において弱体化する。 一方で正しく方向づけし、他方でまちがって方向づけする。 正しい行動だけでなく、まちがった行動を奨励する。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第5章 マネジャー 24 自己管理による目標管理)