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■正しい規制が必要■~貪欲な者、ばかな者が利益を得る。~

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ドラッカーは組織が社会に与える影響の除去は、 常に事業上の機会となるよう努力する必要があるとした。 しかしそれは、社会がコストとして負担していたものを、 自らが負担するこを意味し、組織にとって大きなダメージである。 これは、競業他社が同じルールを受け入れないかぎり、競争上不利になる。 なので、競業他社に同一のルールを受け入れさせるための、 公的措置としての政府規制が必要となる。 例えば、自動車業界における、速度制限や排ガス規制、メディアにおける 視聴規制などでしょう。 こいった規制がなければ、組織は社会から責任を問われると共に、 その間”良識のない者、貪欲な者、ばかな者、騙す者が利益を得る”ことになる。 規制がないから悪影響があっても売れるうちに売っちゃえって組織なんでしょう。 最終的には企業の悪事とされる。 影響を除去するためには、資源、エネルギー、資金が必要である。 なので、その効果と費用のバランスをとるための意思決定が必要となる。 トレードオフ(相殺)である。 公的機関や団体などは、このトレードオフすべき内容を理解し 判断すべき情報を持っていないので、彼らには正しい規制のための 意思決定ができない。 だからこそ、この意思決定の責任は、組織のマネジメントにあるのだ。 ドラッカーは、それは、社会に対する責任ではなく、 自らの組織に対する責任であるとする。 「影響を事業上の機会にすることが理想である。 不可能ならば、最適のトレードオフをもたらす規制案をつくり、 公共の場における論議を促進し、 最善の規制を実現するよう働きかけることが、 マネジメントの責任である。 」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第4章 社会的責任 16 社会的影響と社会の問題) Amazon.co.jp ウィジェット

■目標設定のバランス■~金があっても人がいない。~

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ドラッカーは、企業はその使命や目的を達成するためには、 目標を設定する必要があり、同時に企業は、自らが 存続するのために必要な利益を上げなければならないとした。 しかし企業が持つ資源、つまり”人モノかね”そして時間、 これらには自ずと限界がある。 そのため、目標設定には次の三種類のバランスを取る必要があるとする。 【利益と目標のバランス】  目標に費やす資源量とそこから生まれる利益 【短期目標と長期目標のバランス】  すぐにやるべきことと将来やるべきこと 【他の目標とのトレードオフ関係】  複数の目標のなかで、まずやるべきこと、当面やらなくてもいいこと 「何もかもできる組織はない。  金があっても人がいない。  優先順位が必要である。  あらゆることを少しずつ手がけることは最悪である。  いかなる成果もあげられない。  まちがった優先順位でも、ないよりはましである。」 ~「マネジメント」