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■倫理的価値の無視、蔑視■~心理学者の恩恵~

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おはようございます。 未明の川崎、雨模様です。 東京地方は概ね晴れですが、 北日本では大荒れになるとのこと、 お気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ルソーは革命を説き、 マルクスは革命を予言し、 ナチズムは革命を実現させた。 このナチズムの基礎は、 他の全体主義と同じように、 理性主義のリペラルに よってあらかじめ準備 されていたものだった。 革命の方法も、 フランス革命やロシア革命で、 実証済みであだった。 ナチズムの指導者原理は、 分析心理学者や個性心理学者の 恩恵を受けて、 爆発的ともいうべき権力を得た。 「ヒトラーが加えたものは、  倫理的価値の無視、蔑視だけだった。  そのようなことは、  ルソーやマルクスの時代には不可能なことだったが、  心理学が人間には倫理的な価値など  存在しないと教えた後では、  可能などころか、  人気さえ得るものになっていた。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 1章 理性崇拝は何をもたらす) Amazonプライム・ビデオ

■行動の動機としての利益■~ブルジョア資本主義の崩壊~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝、 暑い一日になりそうです。 年金機構による個人情報の流出問題、 事件発生以来、今日が初めての年金支給日。 なりすましが予想される、 受給者はお気を付けください。 しかし、結果に対する責任が曖昧だ。 8年前の消えた年金問題でも問題になった ずさんな体質が治っていない。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ マルクス主義は、 私的な利益を廃止することによって、 個人の自由と平等な社会が もたらされると期待した。 一方の資本主義は、 私的な利益を行動の規範とすることによって それらがもたらされると期待した。 ”利潤動機”は、 資本主義が発明したわけではない。 利益への欲望が 行動の動機となるということは、 どのような社会秩序のもとでも、 常に個人の動機の一つであった。 そして、今後ともそうであろう。 「しかし資本主義こそ、  自由で平等で理想的な社会を  自動的に実現するための手段として、  利益を積極的に評価した  最初で唯一の社会的信条だった。  資本主義以前の信条では、  私的な利益は、社会的には有害なもの、  あるいは少なくとも中立的なものと見ていた。」 ~『イノベーターの条件』 (2章 経済至上主義は人を幸せにするか)

■成果を大幅に改善する方法■~豊富にいるのは無能な人~

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おはようございます。 曇り空の暗い、川崎の朝。 日中は晴れ間が広がり、 秋らしくなりそうです。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、仕事や成果を大幅に改善するための方法は、 成果をあげるための能力を向上させることであるとする。 しかし、優れた能力や、知識を持った人を雇ったとしても、 大幅な期待をすることはできない。 経営管理者に関する本は、万能の人間を描く。 分析においても、意思決定においても、非凡な才能を持ち、 同時に、人との協働に長け、組織や力関係を熟知し、 計数に明るく、芸術的な洞察力や創造的な想像力を 備えていなければならないとする。 しかし、あらゆる分野において天才的な才能を発揮できる人は、 めったにいるわけではない。 ”人類の歴史は、いかなる分野においても、 豊富にいるのは無能な人のほうであることを示している。” 「新種のスーパーマンを育てることはできない。  現在の人間をもって、  組織をマネジメントしなければならない。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part2 働くことの意味が変わった 2章 なぜ成果があがらないのか)

■外の世界との隔絶■~マネジメントの用具たるべきコンピュータ~

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おはようございます。 曇り空の川崎の朝。 昨日は日中に発生した地震に 久々に驚かされた。 幸い大きな被害はなかたっが、 しばらくの間は、余震が予想される。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、外の世界に存在する重要な出来事は、 論理性だけでは把握できないとし、 その論理性ではコンピュータが優るが、 人間はそれを知覚的に処理するという 強みを持っているとした。 さらにドラッカーは続ける。。。。 問題になることは、コンピュータで 表現できない情報や剌激を、 軽視するようになることである。 知覚的な現実の出来事が見えなくなり、 過去の事象や情報にのみ 関心をもつようになることである。 ”こうして膨大な量のコンピュータ情報が、 外の現実からの隔絶を招く。” 組織に働く者は、組織の中で仕事をするので、 意識的に外の世界を知覚すべく努力しなければ、 外の世界が見えなくなる。 「マネジメントの用具たるべきコンピュータは、  やがては外の世界との隔絶を認識させ、  外の事象により多くの時間を割くことができるよう、  人間を解放しなければならない。 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part2 働くことの意味が変わった 2章 なぜ成果があがらないのか)

■コンピュータは論理の機械■~強みであって、弱みである。~

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おはようございます。 連休明け、曇り空の川崎の朝。 プロ野球セリーグ、今年は何といっても 広島カープが強い。 その昔、赤ヘル軍団と呼ばれる時期があった。 その時代を彷彿とさせる、強さがある。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、外の世界に存在する重要な出来事は、 知覚するものであり、定量化できるものではないとした。 コンピュータによる定量化や、分類によって、 数字は得られる。 しかし、そのような数字は現実の状況を反映していない。 ドラッカーは、コンピュータは論理の機械であり、 このことがその強みであって、弱みであるとする。 一方、人間は論理的には、 コンピュータ以上の処理を行えないが、 知覚という強みを持っている。 「外の重要なことは、  コンピュータをはじめとするなんらかのシステムが  処理できるような形では把握できない。  これに対し、人間は論理的には優れていないが、  知覚的な存在である。  まさにそれが強みである。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part2 働くことの意味が変わった 2章 なぜ成果があがらないのか)

■定量化には、概念がなければならない。■~趨勢ではなく変化~

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おはようございます。 曇り空の川崎の朝、 3連休最終日、今日は休息日。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、根本的な問題は定性的であり、 定量化できないとした。 定量化するためには、その問題についての概念が必要である。 無限ともいえる様々なできごとの集まりの中から、 特定のできごとを抽出し、名称を与え、数えなければならない。 概念を定義しなければならない。 「外の世界における真に重要なことは、趨勢ではない。  変化である。  この外の変化が、組織とその努力の成功と失敗を決定する。  しかもそのような変化は、知覚するものであって、  定量化したり、定義したり、分類したりするものではない。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part2 働くことの意味が変わった 2章 なぜ成果があがらないのか)

■内なる世界にいるという現実■~成果は外の世界にある。~

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おはようございます。 曇り空の川崎の朝。 北海道石狩地方に大雨特別警報が出された。 お気を付けください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 組織に働く者を取り巻く4つの現実。 その4 組織の内なる世界にいるという現実 誰もが自分の属する組織の内部を、 直接的な現実として見る。 外の世界で何が起こっているかは、 直接には知りえない。 しかも外の世界の現実は、 組織の中の基準によって咀嚼され、 抽象化されたフィルターを通して知らされる。 組織の中に成果は存在しない。 すべての成果は外の世界にある。 組織の中に生ずるものは、努力とコストだけであり、 顧客が自社の製品を購入してくれて初めて、 組織としての成果があがる。 ”内部には、コストセンターがあるだけである。” 「一定の業績を得るために投入した努力が少ないほど、  よい仕事をしたことになる。  市場が求める自動車や鉄鋼を生産するために、  10万人が必要だということは、  実のところ、エンジニアリング上の未熟を示すにすぎない。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part2 働くことの意味が変わった 2章 なぜ成果があがらないのか)

■新たな価値、富、行動■~人間行動にもたらす変化~

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おはようございます。 明るいの川崎の朝、肌寒さが残る。 村上春樹の震災後初の長編 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 長く、内容をイメージできないネーミング。 ファンとしてはそれ自体そそられる。 明日12日発売、予約は”1Q84”を上回る勢いで、 発売元はすでに50万部増刷したとのこと。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ ”イノベーション”は、語るだけでは意味がない。スローガンではない。 ドラッカーは、新製品や新事業として確立して、初めてイノベーションは 行われたといえるとしている。 そして、イノペーションは、科学や技術そのものではなく、 消費者、生産者、市民、学生その他の人間行動にもたらす変化である。 そして、イノベーションを行う組織には、共通して次の特徴があるとする。 ▲イノベーションの意味を知っている。 ▲イノベーションの力学を理解している。 ▲イノベーションの戦略を持っている。 ▲管理的な目標や基準とは別に、イノベーションのための目標と基準の必要を知っている。 ▲マネジメント、特にトップマネジメントの果たす役割と姿勢が違う。 ▲イノベーションのための活動を、管理的な活動のための組織から独立して組織している。 「イノベーションが生み出すものは、単なる知識ではなく、  新たな価値、富、行動である。  現代というイノペーションの時代において、  イノベーションのできない組織は、たとえいま確立された地位を誇っていても、  やがて衰退し、消滅すべく運命づけられる。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第9章 マネジメントの戦略 44 イノベーション)     

■イノベーションの歴史■~イノベーションでなく改善にすぎない。~

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おはようございます。 うす曇りの川崎の朝です。 今日は平年並み、夜は肌寒くなるとのこと。 北朝鮮の暴走発言が止まらない。 父親や祖父は引き際をわきまえていたが、 若さ故なのか、見えない。 軍部へのコントロールがきいていないのか。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピータ.ドラッカー∬ 今回から、「44 イノベーション」 まず、イノベーションの必要性は、多くの組織が強調してきた。 しかしそれらは、マネジメントや組織構造のありかたや、 なすべきかは何かについての言及がないと批判する。 多くの組織が行っていることは、未知のこと、新しいことではなく、 既知のことを継承し、改善することについてである。 イノベーションはそれ自体独立した一つの重大な課題として取り組まなければならない。 そのためには、新しいマネジメントや組織構造が必要となる。 「マネジメントや組織構造はいかにあるべきか、  何をなすべきかについてはほとんど言及していない。  その論ずるところは、もっぱら管理的機能、  すなわち既知のことを継承し、改善することについてである。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第9章 マネジメントの戦略 44 イノベーション)