投稿

ラベル(病院)が付いた投稿を表示しています

■欲求ではなく必要の充足■~公的サービスの顧客とは~

イメージ
公的機関が成果をあげる上で必要なものは、”仕組み”であり、 その適用には、公的機関を次の三種類に分けて考える必要がある。 種類2【予算から支払いを受ける公的機関】 典型として公立の学校や病院がある。 組織は公的機関が所有して、運営は競争状態に置くというサービス機関だ。 これらの公的機関の収入は、予算として、国を通して国民から支払われるが、 国民は公的機関にとって本当の意味での顧客ではない。 国民は望むと望まざるとにかかわらず、税金、保険料などの形で 強制的に支払いをさせられている。 一方サービスを受けるのは生徒や患者であり、彼らは顧客である。 しかし、顧客は否が応でもサービスを受けざるを得ない。 顧客の欲求から生み出されるサービスではなく、誰もが持つ必要性から 生み出されているのだ。 ドラッカーは、このような特性を持つサービス機関には、成果について 最低限の基準を設けると共に、競争が必要であるとする。 しかも顧客は、複数のサービス機関から選択できることが望ましいとする。 「この種のサービス機関が生み出すものは、欲求の充足ではない。 必要の充足である。 学校や企業内サービス部門は、誰もが持つべきもの、 持たなければならないものを供給する。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」

■偉大な人物ではなく仕組みが必要■~公的機関の成果~

イメージ
ドラッカーは、公的機関が”成功”するための条件について、 自らに課すべき、六つの規律があるとした。 そして、さらにドラッカーは、公的機関の成果について続ける。 成果をあげる上で必要なものは、”偉大な人物ではなく、仕組み” であるとする。 一般企業が、成果と業績をあげるために必要とする、目的に 合致した組織構造やマネジメント体制等の”仕組み”である。 しかし、支払いの受け方が企業と公的機関は異なる。 企業は、成果と業績により顧客から支払いを受ける。 一方の公的機関は、成果に対して支払いを受けるのではなく、 計画と活動に対して支払いを受ける。 このため、”仕組み”の適用の仕方も異なる。 そして、さらにこの仕組みは公的機関を次の三種類に分けて考える 必要があるとする。 「電話や電力等の独占事業」、「公営学校や病院等の予算を受ける事業」、 「政府や地方の行政組織」 「公的機関が成果をあげるうえで必要とするのは 偉大な人物ではない。仕組みである」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」

■そこにいる者のためのマネジメント■~サービス機関の成果~

イメージ
ドラッカーは、今日の社会は多元社会であり、その中で、”サービス機関”は、 社会の構造を支える支柱であるとする。 サービス機関とは、組織が行う経済活動が生み出す余剰によってコストが まかなわれている機関、具体的には政府や病院のような公的機関や 企業に存在するスタッフ部門などを指す。 社会や企業が機能するためには、このサービス機関が成果をあげることが 必要となる。 しかしサービス機関としての公的機関を見ると、組織は巨大化し、 予算は急増し、様々な危機を抱えている状況である。 ドラッカーは、このサービス機関が成果をあげることは、 マネジメントにより可能であるとする。 「あらゆる国において、官僚主義への不満が高まっている。 貢献と成果のためではなく、そこにいる者のためにマネジメントしている との不満さえある。 しかし、公的機関を廃止する可能性も、廃止できる可能性もない。 今日の社会には、公的機関が果たすべき貢献を不要とする考えはない。」 ~「マネジメント」

■サービス部門のマネジメント■~コストセンターの成果~

イメージ
昨日で、P.F.ドラッカー「マネジメント」第一章終了、 本日から第2章スタートします。 -------------------------- 今日の社会は、企業社会というよりも多元社会である。 ドラッカーは、マネジメントは企業のマネジメントだけではないとする。 政府機関、学校、研究所、病院、労働組合、法律事務所など、 いずれも組織であり、いずれもマネジメントを必要とする。 また、企業を見ると、管理部、総務部等いわゆるコストセンターの 機能とスタッフが増加している。 そのコストセンターは企業内部においては、サービス部門である。 プロフィット部門については、その活動と成果が評価し易いが、 これらのサービス部門は経済的な生産活動を行わないゆえに評価が難しい。 しかし、それらもまた、成果をあげるべくマネジメントしなければならない。 「社会や企業が機能するには、サービス機関が成果をあげなければならない。」 ~「マネジメント」