■正当な権力の行使ではない。■~倫理ではなく、個人の貢献の問題~
プロフェッショナルの倫理については、企業倫理以前に2点の問題がある。 ドラッカーは、さらに第三のテーマが加えられるようになったとする。 マネジメントが、自らの時間を地域社会の活動に使うことが倫理的な 責任であるとすることだ。 しかし、この種の活動は強制されるべきものではなく、 この参加が、企業内で賞されることがあってはならない。 さらに、このことによる、報酬や昇進または参加を命じたり、 圧力をかけることは、マネジメントの正当な権力の行使ではなく 組織の力の乱用であるとする。 地域社会の活動に参加することは望ましいことである。 しかしドラッカーは、これらの活動は、企業倫理とも社会的責任とも関係のない 個人の社会貢献の問題であるとする。 「地域社会の活動に参加することは望ましいことである。 しかし倫理とは関係ない。責任とも関係ない。 隣人として、一市民としての資格における個人の貢献の問題である。 仕事の外にあるもの、マネジメントに関わる責任の外にあることである。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第4章 社会的責任 19 プロフェッショナルの倫理~知りながら害をなすな)