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■試み続ける欲求■~同じことの繰り返しでは飽きる。~

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ドラッカーは、”多角化”の問題点を指摘した。 さらに、多角化の持つ要因には、内的要因と外的要因があるとする。 その内的要因には次の3点がある。 ◆組織や働く人の欲求 ◆規模の不適切さ ◆コストセンターの収益化 1点目は、働く人や組織の持つ”欲求”である。 ◆組織や働く人の欲求 働く人は、同じことの繰り返しでは飽き、違うことをしたくなり、 働くことが退屈になる。 しかし、この欲求は不真面目ではない。 組織はこのような、柔軟性を保ち、新しいことを試み続けなければ、 変化の能力が萎縮し、小さな変化さえできなくなる。 ”選択と集中”は大事だが、集中には過度の専門化という危険が伴う。 なぜ危険なのか? なぜなら、あらゆる製品、プロセス、技術、市場は瞬く間に古くなる。 売上げは増えるかもしれないが、利益はあがらなくなり、 やがて価格競争、陳腐化という坂道を辿る。 そこにのみ自社の強みを集中してしまうと、 事業や組織の危機に直面することになるのだ。 「同じことの繰り返しでは飽きる。  違うことをしたくなる。  働くことが退屈になる。  この欲求は不真面目ではない。  いかなる組織といえども、柔軟性を保ち、  新しいことを試み続けるべきである。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第9章 マネジメントの戦略 41 多角化のマネジメント)     

■真の管理とは何か■~賞罰、価値とタブー~

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∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、管理手段には七つの要件があるとした。 そして、さらに重要なことがあるとする。 組織は、目的を持ち、活動を行い、成果をあげ、その結果により 継続したり消滅したりする。実態としての組織である。 そして、ドラッカーは、組織は”人間社会の擬制”でもあるとするが、 何を意味するのか。 組織は、様々な理想や目的、欲求、ニーズなどを持った個人の集合である。 そして組織は、この様々な欲求やニーズを、個性を超えて組織全体に同様に 満たさなければならないということを意味する。 この個人の欲求を満たすものが賞罰であり、各種の奨励策や抑止策である。 人はいかに賞され罰せられるかによって左右される。 しかし、この個人の欲求の全てを定量化することは不可能である。 個人にとってkの賞罰は、組織の目的、価値観、 そして自らの位置づけと役割を教えるものである。 定性的なものなのだ。 ドラッカーは、この定性的な管理手段としての賞罰、価値とタブーにこそ、 ”真の管理”があるとする。 「人には、それぞれの理想、目的、欲求、ニーズがある。  いかなる組織であっても、メンバーの欲求やニーズを  満たさなければならない。  この個人の欲求を満たすものこそ賞や罰であり、  各種の奨励策、抑止策である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (6章 マネジメントの技能 29 管理)     

■コミュニケーションは要求■~全面降伏を要求する。~

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ミュニケーションの持つ4つの原則。 その3 ◆コミュニケーションは要求である。 ドラッカーは、コミュニケーションは要求であるとする。 コミュニケーションは受け手に何かを要求する。 どういう意味か? 発信者がコミュニケーションを行うとき、 そこには何らかの動機、目的が存在する。 例えば、新しく開発した商品の売り上げを拡大したい営業部長は、 部下にはっぱをかける。 ”はっぱをかける。”というコミニケーションである。 このコミニケーションは、部下に営業成績を上げる活動を期待するものである。 部下は組織人である限り、企業の目的を知り、目標を達成することを自らに求める。 そして、営業活動にも力を入れ、成績を上げたいとの思いを持っている。 しかし、部下がその商品を理解していなかったり、 営業手法に疑問を持ったり、はたまた会社理念や方針に疑問を持ったりしていると、 その部下の活動は成果に結びつくことはない。 部下の価値観、欲求、目的に合致しないのである。 営業部長が次に行うべきコミニケーションは、部下のその思いを知ることである。 その上で、部下の思いに合致するような組織改善を行うことができれば 部下は強力なパフォーマンスを発揮できるであろう。 しかし、それができないのであれば、強い動機づけで部下の思いを変化させるという コミニケーションを行う必要がある。 しかしドラッカーは、人の心は、このような変化に対し激しく抵抗するとする。 ”受け手の心を転向させることを目的とするコミュニケーションは、受け手に全面降伏を要求する。” 「コミュニケーションは、それが受け手の  価値観、欲求、目的に合致するとき強力となる。  逆に、それらのものに合致しないとき、  まったく受けつけられないか抵抗される。」 (6章 マネジメントの技能  28 コミュニケーション)     

■働く者自身の責任■~あらゆる段階における責重な資源~

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働く人に、責任を持たせるには”やりがいのある仕事”が必要であり、 そのためには「生産的な仕事、フィードバック情報、継続学習」の 3つの条件が不可欠とした。 そして、これら三つの条件は、働く者が持つ責任の基盤であるため、 それはマネジメントの責任であり、課題である。 しかし、実際にプロセス、道具、情報を利用し、 仕事をするのは働く者自身であるので、これらはマネジメントだけが 一方的に取り組むべき課題ではない。 働く者が持つ知識、経験、欲求は、自分自身が行う仕事のあらゆる段階で 必要な責重な資源となる。 なので、働く者自身がプロセス、道具、情報の検討に始めから 参加しなければならない。 このことは、実際に働く者には、仕事の仕方や、成果の量や質に対する 責任があることを意味する。 したがって、仕事、職務、道具、プロセス、技能の向上は、彼らの責任である。 ドラッカーは、これは厳しい要求だが、満たすことのできる要求であるとする。 「仕事をいかに行うべきかを検討することは、  働く者とその集団の責任である。  仕事の仕方や成果の量や質は、彼らの責任である。  したがって、仕事、職務、道具、プロセス、技能の向上は、  彼らの責任である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第3章 仕事と人間 13 責任と保障)