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■事実上不可能なコミュニケーション■~期待していることを聞き取る。~

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おはようございます。 曇り空の川崎の朝。 台風がまたまた接近中、 沖縄地方通過中、お気を付けください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、貢献に焦点を合わせることによって初めて、 よい人間関係がもてるとした。 このことにより、マネジメント上の中心課題である コミュニケーションが可能となる。 これまでコミュニケーションに関する研究はされてきたが、 その貧困さは変わらなかった。 これまで研究されてきたのは、上司から部下へという、 下方へのコミュニケーションだった。 しかしドラッカーは、 この下方へのコミュニケーションは事実上不可能であるとする。 「コミュニケーションは、下方への関係において行われるかぎり、  事実上不可能である。   上司が部下に何かを言おうと努力するほど、  かえって部下が聞き違える危険が大きくなる。  部下は、上司が言うことではなく、  自分が聞きたいと期待していることを聞き取る。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■よい人間関係をもつ秘訣■~温かな会話も、とりつくろいにすぎない。~

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おはようございます。 マララさんがノーベル平和賞を受賞した。 彼女は、受賞後のインタビューで、 多くの支援が明確に表明されたことへの感謝と共に、 受賞は終わりではなく始まりと強い意思を示した。 彼女がいまだに命の危機に晒されている状況に変化はない。 17歳、日本でいうと高校2年、 日本の女子高生は、マララさんの発言や行動、意思を どう感じるのだろうか。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、貢献に焦点を合わせることによって初めて、 組織においてのよい人間関係がもてるとする。 そしてまた、人間関係が生産的なものとなることが、 よい人間関係の唯一の定義であるとする。 われわれは、貢献に焦点を合わせることによって、  ●コミュニケーション  ●チームワーク  ●自己啓発  ●人材育成 という、成果をあげるうえで必要な 人間関係に関わる 基本条件を満たすことができる。 「仕事に焦点を合わせた関係において成果が何もなければ、  温かな会話や感情も無意味である。  とりつくろいにすぎない。  逆に、関係者全員にとって成果をもたらす関係であるならば、  失礼な言葉があっても人間関係を壊すことはない。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■ゼネラリストの意味ある唯一の定義■~あの進行性の病い~

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おはようございます。 ノーベル賞、物理学賞に続いて期待された 村上春樹の文学賞は残念ながら逸した。 イギリスのブックメーカーでは、 オッズ3倍の一番人気。 毎年最有力候補となるほど、 精力的に書き下ろしている。 その裏では、毎朝5時起床、夜9時すぎ就寝、 毎日10kmのジョギング、週に何度か水泳など、 書き続けるために体力維持に努めているという。 文学は体力勝負なんですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、ゼネラリストの唯一の定義は、 自らの狭い専門知識を、 知識の全領域の中に 正しく位置づけられる人のことであるとする。 複数の専門領域の知識をもつ専門家もいるが、 たとえ複数の専門領域をもっていても、 ゼネラリストとはいえない。 単に、いくつかの専門領域の スペシャリストであるにすぎず、 一つにしか通じていない人と同じように、 偏狭でありうる。 自らの貢献に責任をもつ人は、 自らの狭い専門分野を 全体の中に正しく位置づけることができる。 そして、自らの仕事の成果を活かしてもらうためには、 ほかの人のニーズや方向、限界や認識を 知らなければならないことを理解している。 「貢献に責任をもつならば、  多様性の豊かさと興奮を十分に味わえなくとも、  学者の傲慢さ、すなわち知識を破壊し、  知識から美と成果を奪う、  あの進行性の病いから身を守る免疫性は  手に入れられるはずである。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■貢献に責任をもつために■~卑しむべき衒学に貶めるもの。~

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おはようございます。 曇り空の川崎の朝。 昨晩は、Blood moonが浮かんでいた。 生憎、雲がかかったが、怪しげな色合いは確認できた。 ふと村上春樹の1Q84が浮かんだ、 今日発表される、ノーベル文学賞の行方は? ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 素人は専門家を理解するための努力をすべきだ、 と考えることは野卑な傲慢であるとした。 そしてそのような風潮は、専門家自身を無益な存在とし、 彼らの知識を ”学識から卑しむべき衒学に貶めるもの” であるとする。 なので、専門家は、顔を上げて、 組織の人たちを見なければならない。 そうすることによって、他の人が 「何を必要とし」「何を見」「何を理解しているか」 を理解できるようになる。 さらには、上司、部下、他の分野の同僚に対し、 「あなたが組織に貢献するためには、 私はあなたにどのような貢献をしなければならないか」 「いつ、どのように、どのような形で貢献しなければならないか」 を聞けるようになる。 「貢献に責任をもつためには、  自らの産出物すなわち知識の有用性に  強い関心をもたなければならない。  成果をあげるためには、  このことを知らなければならない。」 ~『プロフェッショナルの条件』(Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■ゼネラリストをつくることではない。■~野卑な傲慢である。~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝。 ノーベル物理学賞に日本人3人が選ばれた。 青色LEDの発明が評価されたものだが、 エジソンの電球発明から百数十年。 今や”発光”は、ものを明るく照らすという役割を 超えたものを人類に与える。 そのインパクト、イノベーションに対する評価だ。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、専門知識は、 それだけでは断片であり、 不毛であるとした。 必要なことは、広く薄い知識を持った ゼネラリストをつくることではない。 知識労働者が専門知識を活用して 成果をあげることである。 知識労働者は自らが生み出す断片的なものを 全体の中で、生産的な存在にするために、 それを利用する者に「何を知ってもらい」 「何を理解してもらわなければならないか」 を徹底的に考えることが重要である。 「知識ある者は、常に理解されるように努力する責任がある。  素人は専門家を理解するために努力すべきであるとしたり、  専門家はごく少数の専門家仲間と話ができれば十分であるなどとするのは、  野卑な傲慢である。」 ~『プロフェッショナルの条件』(Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■報酬の意味づけ■~成果のみならず、人間に対する評価を表す。~

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京大山中教授が前評判どうり、iPS細胞研究でノーベル医学・生理学賞を受賞した。 混沌の日本に久々の朗報だ。 記者会見で、教授は”ヴィジョン&ハード・ワーク”という言葉を示した。 ”ビジョンをはっきり持ち、それに向かってハードワークすることが 研究者の成功の条件”との信念である。 教授がヴィジョンを示し、スタッフのハード・ワークがそのヴィジョンを 形にしたのだ。 医学研究のミッションである、実用医療への適応に向けた”VW”は これからも続くであろう。 「人生はやるか、やらないか 迷った時は困難な道を」 今回の快挙を可能にしたこの決意に敬意をこめた拍手を。 ------------------ 組織のなかで働く人々が果たすべき貢献が、 共通の目標に向けられない四つの要因。 4点目 ◆報酬の意味づけ 報酬は、組織にとってはコストであり、個人にとっては収入である。 そして、それは組織や社会の中での一人ひとりの位置づけを表し、 高報酬は、組織や社会の中でのステータスを意味することとなる。 また報酬は、組織の中で個人が生み出した成果だけでなく、 個人を人間の総体として評価した結果をも表す。 ドラッカーは、報酬について公式を求めても無駄であるとし、 いかなる報酬も、さまざまな条件のトレードオフを伴う、 妥協にすぎないとする。 「いかなる報酬にしても、報酬システムが持っている  さまざまな意味合いの妥協にすぎない。  最高のシステムであっても、一方において組織を強化し、  他方において弱体化する。  一方で正しく方向づけし、他方でまちがって方向づけする。  正しい行動だけでなく、まちがった行動を奨励する。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第5章 マネジャー  24 自己管理による目標管理)