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■管理手段の三つの特性■~何を測定するかが根本問題~

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ドラッカーは、人間社会における、組織の管理手段には三つの特性があるとする。 ◆客観的でも中立的でもありえない。  一つ目は、管理において必要な行為である”現象に対する測定”は客観的でも 中立的でもありえないということ。   風速、雨量などの自然現象や企業の売上傾向などの測定は客観的、中立的に行えるが、 人間社会としての組織においては主観的で、偏りを持たざるをえない。 なぜなら、測定者は測定することによって、対象に対しての思い入れが経験として 加わることとなるからである。 また、測定するということは、測定者と測定対象の双方に変化をもたらす。 どういう意味か? 測定対象には、測定のために取り出され注目されるという事実のために、 新たな価値が加えられるという変化が加わる。 同時に、一方の測定者には特定の現象を抽出するという 行為そのものが、その対象を重視するということを表明したと同じ効果を 持つという変化である。 管理を行うための手段に関する根本的な問題は、どのように測定するかではなく、 何を測定するかにあるのだ。 「岩石の落下速度を測定するとき、われわれは現象の外にいる。  測定という行為によって現象が変化することもなければ、  測定者が変化することもない。  物理的な現象の測定は、純客観的かつ純中立的たりうる。」 (6章 マネジメントの技能  29 管理)