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■完全な制度は不可能■~新しい道具については何も知らない。~

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おはようございます。 雲の多い川崎の朝。 段々と晴れてくるようです。 澤穂希が引退を表明した。 お疲れ様でした。 何が良いかって、 大和撫子、配慮ができる女性だ。 世の女性たちよ、見習うところ多し。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 建国の父たちがとった方法の 三つの柱。 第三の柱「実証主義志向」 ドラッカーは、完全な制度を 発明することはできないとする。 われわれは、新しい道具については 何も知らない。 すでにわれわれは、 完全な道具というふれこみのものよりも、 完全でもなければ 期待もしていない なじみのもののほうが 役に立つことを知っている。 理想的な仕事のための 理想的な道具を 発明しようとしても無駄である。 「なじみの道具を使ったほうがはるかに賢明である。  なじみの道具ならば、  それがどのように使えるか、  何かできるか、できないか、  いかに使うべきか、  どこまで頼りになるかが分かっている。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■第三の柱、実証主義志向■~人は未来を知りえない。~

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おはようございます。 未明の川崎、 雲が少ない明るい空模様です。 週後半、天気回復しそうですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 建国の父たちがとった方法の 三つの柱。 第三の柱「実証主義志向」 実証主義とは、 人間の不完全さに対処するための 政治的な方法である。 それは単に、人は未来を 予見することはできない、 とするだけである。 人が知ることができるのは 現実の社会だけである。 したがって、人は、 理想の社会ではなく 現実の社会と政治を、 自らの社会的行動、政治的行動の基盤と しなければならない。 「人は自らの未来を知りえない。  人が知り理解することができるのは、  年月をかけた今日ここにある  現実の社会だけである。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■後世を縛らない■~何を定めるではなく、何を定めないか~

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おはようございます。 久々に明るい空の川崎の朝。 東京地方は、しばらく 師走の晴れ間が広がりそうですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 建国の父たちがとった方法の 三つの柱。 第二の柱「問題解決志向」 建国の父たちは青写真として アメリカ合衆国憲法をつくったではないか との反論がありうる。 だがあの憲法の素晴らしさは、 何を定めるかにあったのではなく、 何を定めないかにあった。 それは、いくつかの基本理念を定め、 いくつかの制度を定め、 いくつかの簡単な手続きを定めただけだった。   事実、後日憲法修正として採択された人権条項さえ、 基本的にはきわめて消極的な性格のものであって、 何をしてはならないかを定めたにすぎなかった。 「フィラデルフィア会議は、  憲法に人権条項を入れることさえ控えた。  条項に反対だったためではなく、  後世を縛りたくなかったからだった。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■第二の柱「問題解決志向」■~固執したのは、基本的な理念~

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おはようございます。 今朝も雲に覆われた暗い川崎の朝です。 今日は一日この様な天気の模様ですが、 週末に向けて段々回復しそうです。 師走も中日、胃袋、ふところに 注意して頑張りましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 建国の父たちがとった方法の 三つの柱。 第二の柱「問題解決志向」 第二に彼らは、大きな理念を持ち、 その理念については一歩も譲らなかった。 しかし、機能する制度、 問題を解決することのできる制度は 何でも取り入れた。 彼らは、ほとんどあらゆる制度が ほとんどあらゆる種類の目標を 実現できることを知っていた。 彼らが求めたものは、 目前の問題の解決策であり、 それらのものが、 彼らの理念に合っていればよかった。 「彼らが固執したのは、  基本的な理念についてだけだった。  日常の政治については、  おそろしく現実的だった。  理想的な制度や完全な制度を  つくろうとはしなかった。  具体的な解決策の詳細に  矛盾があって平気だった。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■未来の革命に勝つ■~現在と未来のための保守主義~

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おはようございます。 今朝も雲に覆われた川崎の朝。 一日曇り、深夜には俄雨も。 お気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 建国の父たちがとった方法の 三つの柱。 第一の柱「未来志向」 彼らは、過去の復活を断固拒否したがゆえに、 過激派として扱われ、 その保守主義の本質を理解されなかった。 そして、彼らは、 過去の復活に夢をかけたり、 社会的、政治的な伝統に 縛られることがなかった。 過去の復活の試みこそ、 革命と同じように暴力的であり、 絶対主義的である。 建国の父たちは、 過去のための保守主義ではなく、 現在と未来のための保守主義だった。 彼らがめざしたものは、 自由のもとにおいて機能する 商業社会を発展させることだった。 「彼らは、過去の問題ではなく  未来の問題を解こうとした。  過去の革命ではなく  未来の革命に勝とうとした。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■成功の三つの柱■~社会は不断に変化する。~

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おはようございます。 雲の多い川崎の朝。 今日は、曇り空のもと、 寒い一日になりそうです。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ アメリカの建国の父たち そしてイギリスの保守主義者たちは、 理念だけでなくその方法においても 正しかったがゆえに成功した。 そして、ドラッカーは、 彼らのとった方法は 次の三つの柱からなっていたと続ける。 第一の柱 ― 未来志向 第二の柱 ― 問題解決志向 第三の柱 ― 実証主義志向 第一に、彼らは、社会が 不断に変化していることを知っていた。 そして、自らの使命が、 過去の理念に立って新しい社会を 組み立てることだとは考えなかった。 すでに起こったことを もとに戻すことも考えなかった。 「第一に、彼らは過去を復活させなかったし、  させようともしなかった。  過去を理想化することをしなかった。  現在についても   幻想を抱くことをしなかった。  彼らは、社会が不断に   変化していることを知っていた。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■保守主義の方法論■~二つの保守反革命~

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おはようございます。 雲の多い川崎の朝。 段々と晴れてくるようです。 ぶらぶら歩きには 良い気候になりそうです。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 アメリカの建国の父たちも イギリスの保守主義者たちも、 権力の分離を信奉したとした。  そして、彼らは同じ理念に 立っていただけではなく、 自由のもとで機能する社会を 実現するために採用した方法も 同じだったとする。 いずれも同じ方法を採用し、 同じように扱い、同じように使った。 この二つの保守反革命がとった方法は、 彼らが持つ理念以上に重要な意味をもつ。 彼ら1776年の世代は、 実現するための制度的な 裏づけを持たない理念は、 理念のない制度と同じように、 政治的に無意味なだけでなく、 社会的には有害であることを知っていた。 彼らは、理念だけでなくその方法においても 正しかったがゆえに成功した。 「今日多くの政治家と政治思想家が、  理念こそすべてであって方法は問題ではないとする。  だがそれは、政治と政治行動の本質の理解において、  1776年の世代ならば決して犯すことのなかったであろう  基本的な間違いである。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■絶対真理、理性は手にできない■~権力、財産権の分離~

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おはようございます。 雨の川崎の朝。 東京地方、午前中は強い風雨が 予報されています。 お気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 このイギリスの状況は、 官僚機構が政府そのものを 意味するようになった今日では、 もはやあてはまらないとする。 官僚機構の政治権力が、 議会と内閣の政治権力と機能を削りつつ 肥大化を始めたのは1900年前後である。 今日では、これがイギリスの政治における 最大の問題であり、 中央集権的絶対専制がもたらされるおそれがある アメリカとイギリスは、異なる基盤からスタートし、 異なる現実と苦闘し、異なる社会的、 精神的土壌にありながら、 自由な商業社会を見事に発展させた。 両国は、他のことについては いかに大きな違いがあろうとも、 いかなる人間、いかなる人間集団といえども 完全たることはありえず、 絶対真理、絶対理性は手にできない との認識からスタートした。 「アメリカの建国の父たちも  イギリスの保守主義者たちも、  権力の分離を信奉した。  権力を制限するものとして、  一方において統治される者の同意、  他方において財産権を信奉した。  さらには両者の分離を信奉した。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■先見と独創ではなく、抑止と調整■~二つの政策案~

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おはようございます。 薄い雲がかかる川崎の朝。 寒い一日になりそうです。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ イギリスの内閣は、 野党のために政策案を 準備することを期待された。 その結果イギリスでは、一つの問題について、 同一の基本理念に立つ二つの政策案が 常に自動的に準備されることになった。 官僚機構は、官僚の身分の終身性、 議会と内閣からの独立、 事実上の省庁の長としての 事務次官の存在のゆえに、 議会と内閣をコントロールし、 チェックする機関となった。 他方、議会と内閣がもつ予算決定権は、 官僚機構における各部門の活動に 枠をはめることにより、 官僚機構をチェックし、制限を加えた。 官僚機構が果たすべき政治的機能は、 準司法的権力としての調整役である。 判事の役割は、先見と独創ではなく、 抑止と調整にある。 「先見性や独創性、  リーダーシップやビジョンは、  議会と内閣の役割である。  官僚機構の役割は、  議会や内閣が政治の継続性に関わる  基本原則に反することのないよう、  チェックすることである。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■イギリスの官僚機構■~継続すべきものの中断を防いだ。~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝。 快晴の一日になりそうです。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ イギリスには、議会から 完全に独立した存在としての 官僚機構があった。 この官僚機構が、明確に、 外部から議会の権力を制限した。 官僚機構は、議会をチェックするとともに、 議会によってチェックされる支配機関だった。 それは、法律上はともあれ、 事実上、議会によってつくられたり、 議会によって動かされたり、 議会に頼る存在ではなかった。 ドラッカーは、つまるところ、 イギリスの官僚機構は アメリカの法廷が果たしていたものと 似た機能をもっていたとする。 「それは、継続すべきものの中断を防いだ。  一時の脇道に対するものとしての  本道を確保した。  確立された理念に対する議会や  内閣による侵害を修正した。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■イギリスの二大政党制■~首相の権力は本源的~

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おはようございます。 薄暗い川崎の朝、 東京地方は小雨も降っていましたが、 段々晴れてきそうです。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ イギリスの首相は、 形式上は間接選挙で選ばれるが、 その権限は、事実上 国民から直接与えられている。 五年に一度の総選挙があり、 議会による選任という制約もあるが、 二大政党制のもとでは、 首相の権力は本源的であって、 委譲されたものではない。 このことによって、 議会との間には一つの均衡が もたらされていた。 ひとつは、議会の権力が及ぶ範囲と度合が 制限された。 そして、議会が首相の政策に 反対するには相当の覚悟を要し、 重大かつ困難なことだった。 「事実上、国民によって  直接選ばれた首相に反対することは、  少なくとも国民に受け入れられる代案を  用意する責任が生じることを意味した。  議会で敗れた首相は、  直接国民に信を問うことができた。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■少数派の横暴に対する防衛策■~古いものに取って代わる~

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おはようございます。 明るい川崎の朝。 今日は二十四節気の大雪、 昔はこの時期、 雪の季節だったんですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 ミニ政党の成立を容易にすることは、 政党の分裂を招き、 秩序ある政治を不可能にするとする。 このことは、自らを代表するにすぎない 極小の政党に対し、決定的な地位を与え、 交渉力を与え、権力を与え、 支持割合を上回る予算要求権をもたせる。 したがって、二大政党制は、 多数派の横暴だけでなく 少数派の横暴に対する 防衛策の役を果たす。 「新しいものは、古いものより優れ  役に立つことを自ら証明して、  初めて古いものに取って代わることができる。  ミニ政党の成立を容易にすることは、  議会制民主主義の崩壊の危険をもたらす。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■自由を守るもの■~二大政党制の役割~

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おはようございます。 まだ、雲が多い川崎の朝ですが、 段々と晴れてくるようです。 紅葉もそろそろ盛り、 お出かけ日和になりそうですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、 イギリスの憲法は、 野党さえ存在すれば 機能したとする。 このイギリスの政治体制は、 多数派による絶対支配を 阻止していることから 民主的でないと批判される。 しかしドラッカーは、 この多数派による絶対支配の阻止こそ、 イギリスの二大政党制の役割であり 目的だったとする。 そしてさらに、 この絶対支配の阻止によって 自由を守るということが 大きな目的であったと続ける。 「そのうえ、イギリスの二大政党制が  ミニ政党の成立を不可能にしていることは、  非難されるどころか称賛されてしかるべきである。  新しい政治理念や政治指導者が、  既存の大政党において  頭角を現さなければならないことは健全である。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■少数派の意思も国民の意思■~議会主権と多数派政府~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝。 東京地方は紅葉の見頃、 絶好の行楽日和ですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、ヒトラーナチスの台頭を見て、 一時期イギリスに移り住んでいた。 そのイギリスに自由をもたらしたと されているものが、 議会主権と多数派政府である。 しかし実際には、 19世紀のイギリス政治制度の核心は、 議会主権と多数派政府、少数派支配を 制限したことにあった。 この制限を可能としたものが、 野党を政治に組み込む二大政党制であり、 内閣制であり、官僚機構だった。 ドラッカーは、 若干の誇張かもしれないと前置きし、 イギリスの憲法は、政府が存在しなくとも 野党が存在すれば機能したとする。 これは常に政権交替可能な野党が 存在することを意味する。 これには、決定的な意味があった。 「イギリスの政治では、  野党たる少数派の意思は、  与党たる多数派の意思と同じように、  国民の意思とされた。  それゆえ、多数派の意思は  最終的意思でも絶対的意思でもなかった。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■反全体主義的な存在■~植民地時代にルーツをもつ。~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝です。 愚図ついた天気が続いた 東京地方ですが、 週末は回復しそうです。 しかし、強風が吹く模様です。 また北日本、日本海側では 暴風のおそれ、 お気を付け下さい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ アメリカのボランティア組織は、 植民地時代にルーツをもつ。 19世紀に自然発生的に 力を発揮し始めた組織は、 1776年のアメリカ独立宣言の 理念に基づいて発展していた。 もちろん、それら教会、 商業会議所、ロータリークラブ、 PTAなどには、自分たちが 政府などの公的機能を果たしている 意識はない。 それらに参加する会員も、 コミュニティの統治に 自らが参画しているという 特別な意識はない。 しかし彼らは、事実上 アメリカに特有の機関を通じて、 コミュニティの一員としての機能を果たし、 コミュニティとしての世論を 形成し行動を起こしている。 イギリスの小さな町へ弁護士や医者、 事業家などとしてやってきた者は、 地元の地主や紳士と接近しないと、 やりたいことは何もできない。 ドラッカーは、 現在、それらアメリカの ボランティア組織は、 世界でもっとも反全体主義的な 存在となっているとする。 「ヒトラー以前のドイツでは、  判事、警察署長、町長など  土地の役人の同意をとりつけなければ  ならなかった。  これに対しアメリカでは、  新しくやってきた者はロータリークラブ、  商業会議所、教区の教会に入る。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■ボランティア組織のルーツ■~とらえどころのない伝統~

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おはようございます。 雨の川崎の朝です。 普天間基地移設問題で、 国が沖縄県を訴えるという 異常な裁判が始まった。 政治の基盤を地方民意におく、 アメリカではありえないだろう。 翁長さんは民意を主張するが、 国は、中央集権による、 権限を主張する。 政府は、民意を生かして 地方を活性化するという政策を掲げるが、 いかがなものか。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ アメリカにおいて、 自由の守り手となった もう一つの制度が、 政治的な権力と 社会経済的な権力との分離だった。 職業政治家は腐敗し、 まともな人物が政界入り しなかったという事情はある。 紳士が政治ではなく、 企業経営の道に入っていったことは、 政治の腐敗の結果ではなく、 むしろ原因だった。 とはいえ、政治という職業の 社会的な地位と評価の低さが 政治と社会の分離を招き、 その結果いずれの側をも 絶対の支配階級にしなかったことに 変わりはない。 「アメリカの自由は、  あのとらえどころのない伝統、  自治の精神によるところが大きい。  アメリカでは政府機能の少なからぬ部分が、  地方の自然発生的なボランティア組織によって  担われている。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■絶対主義化を阻む機関■~国にありながら、政府のものではない。~

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おはようございます。 未明の川崎は雲が多く、 なおさら暗い朝です。 今日午後から、明日にかけ 東京地方は雨模様です。 傘をお忘れなく。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ アメリカでは、イデオロギーや 絶対主義に基づくプログラムではなく、 伝統、自治、党組織を基盤として 二大政党制が発達した。 これらはヨーロッパの政党と違い、 国家権力をめざす集権的体質をもたなかった。 アメリカにおける全国政党は、 自分たちの縄張りに影響が及ぶ範囲で 国政と選挙に関心をもった。 彼らの権力と関心は、 あくまでも自らの基盤とする地方にあった。 しかし、彼らの綱領も地方間の妥協を 考慮せざるをえないため、 白黒のはっきりしたプログラムに コミットすることができなくなる。 反面、反イデオロギーであるため、 ほとんどあらゆる政治信条を 受け入れる余地がある。 しかもイデオロギーから自由である という性格から、 必要であれば、どんな政策をいつでも 取り入れることができる。 人気のある政策は、 およそ何でも取り入れる。 このことにより、 政治の急激な変化は未然に防がれたり、 緩和されることとなる。 「要するにアメリカの政党は、  反中央、反権威、地域志向、反教条主義  という意味において保守的な機関であるだけでなく、  政府の絶対主義化を阻む  もっとも有効な機関となっている。  アメリカの政党は、国にありながら、  政府のためのものではない。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■制度なる名の拘束衣■~自由な社会と自由な政府の理念~

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おはようございます。 快晴の川崎の朝です。 今日から師走、 内臓と懐に厳しい時期。 心して乗り切りましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、法制度だけでは 社会に秩序をもたらすことは できないとした。 事実、アメリカの建国の父たちは 制度を通じて実現すべきことについて 憲法や法律を使おうとしなかった。 これは卓見といえる。   しかも彼らは、あえて新しい制度を つくりあげようとはしなかった。 「彼らは、制度なる名の拘束衣によって  後の時代を縛ることを嫌った。  日々の問題を解決していく過程において、  自由な社会と自由な政府の理念を発展させ、  しかも後世がよりどころとすることのできるものを用意した。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■アメリカの保守主義■~万人の認める基本理念~

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おはようございます。 雲がいくらかかかる川崎の朝ですが、 日中は晴れてきそうです。 11月最終、明日からは師走。 何かと気ぜわしい季節になりますが、 体調維持して、健康に乗り切りましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ アメリカでは、1776年の独立宣言と 1787年の合衆国憲法制定を、 合法的な側面から意味あるものと 解釈されている。 しかし、それらの偉業の意味は、 法的な側面ではなく 法の枠外でのさまざまな制度の 発展の基礎を築き、 制度の持つべき理念や、 進むべき方向、めざすべき目標を 明らかにしたところにある。 現実の社会や政治では、 それら法の枠外の制度が、 少なくとも憲法そのものと 同じように重要な意味をもつ。 「憲法は法的な骨格であって、  それ以上のものではない。  それは、政治権力の限界を定め、  その施行の手続きを定める。  だが、それだけでは社会に  秩序をもたらすことはできない。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ

■相対する二つの絶対主義■~万人の認める基本理念~

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おはようございます。 まだ雲の多い川崎の朝です。 急に朝が冷え込みだしたな、 って思ったら明後日からは 早師走なんですね。 残りひと月で2015年も締め、 こころして過ごしましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ヨーロッパ大陸では、 リペラル政党は、 理性主義であると共に、 絶対主義であり続けた。 そして、それらは 真の自由を否定するものだった。 保守政党も、理性主義、絶対主義であり、 反動主義であるにすぎなかった。 19世紀にヨーロッパ大陸が 手にした自由は、 相対する二つの絶対主義が 相手を支配しきれなかったときに、 一時的にもたらされるものだったのだ。 アメリカとイギリスでは、 自由は当然のものであり、 政党間に共通する基盤となっていたが、 ヨーロッパ大陸では、 自由は消極的な存在であって、 単に圧政下にないことを 意味するだけだった。 自由が存在できたのは、 二つの陣営が、相手方と組むよりは 自由と組んだほうがまし というときだけだった。 「自由は、万人の認める  基本理念にはならなかった。  それは、同じくらい強力な  二つの全体主義による  武装休戦の副産物にすぎなかった。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治  2章 改革の原理としての正統保守主義) Amazonプライム・ビデオ