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■無能なトップマネジメント■~乗っ取りが起こる。~

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機能する取締役会が必要とされる、三つの理由 【審査のための機関が必要】 【成果をあげられないトップマネジメントを交替させる機関が必要】 【渉外のための機関が必要】 ▲成果をあげられないトップマネジメントを交替させる機関が必要である。 脆弱なトップマネジメントは、自らの活動や、人事やポジションに対しての 権力を持つ取締役会を恐れる。 しかし、トップマネジメントは自らが無能な存在を排除できる取締役会を 作り上げなければならない。 ドラッカーは、社会は無能で成果を上げられないトップマネジメントを 許しておかないとする。 企業は社会に許されて初めて、生存できるのだ。 「トップマネジメント自らが、無能なトップマネジメントを  除去できるだけの取締役会をつくらないときには、  政府がそれをつくることになる。  あるいは乗っ取りが起こる。  乗っ取り屋が狙うのは、苦境にある企業ではない。  潜在能力を生かしきっていない企業、トップマネジメントが  成果をあげていない企業である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第8章 トップマネジメント 39 取締役会)     

■取締役会は虚構■~トップマネジメントの脅威~

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ドラッカーは、トップマネジメントがチームとして機能するための厳しい条件を示した。 続いて、そのトップマネジメントの統治機関であるべき取締役会について指摘する。 ドラッカーは、この取締役会を本来の機能を果たせない虚構であるとする。 ◆大企業の所有権は、株主の手にあり取締役会はもはや所有者を代表しない。 ◆非常勤取締役は、利害関係を持っていないので企業に対して批判的な態度をとらない。  また、徹底的な検討を行う時間もなく、統治機能を果たせない。 ◆トップマネジメントは、自らに成果と業績を要求する取締役会を望まない。  さらに取締役会が衰退し、虚構になったことに満足し、完全に消滅することさえ望む。 意味ある取締役会とは、トップマネジメントに成果と業績を要求し、  成果と業績をあげないトップマネジメントを排除する役割を持つものだ。 ”都合の悪いことを質問し、事前に報告することを要求する。 トップマネジメントの提案をそのまま鵜呑みにしない。理由を知りたがる。” これらのことが、トップマネジメントにとって、脅威となるんですね。 「不祥事が起こると、取締役会が愚鈍だった、怠慢だった、  情報を持たなかったといわれる。  だが、同じことが繰り返し起こるならば、問題は個々の取締役会ではなく、  取締役会という制度そのものにあると結論せざるをえない。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第8章 トップマネジメント 39 取締役会)