■今世紀最大の安定要因■~工場労働こそが機会だった。~
おはようございます。 安保法制の参議院での審議が始まった。 違憲、合憲の足場の違いの中での議論である。 安倍さんは、国民から全権を付託された政権が 判断した法案は正しいという前提での説明に終始する。 野党は、そもそも憲法に違反する法律は 成立しないと責める。 土俵が違う。 そんな中で、全権を付託したはずではないとの 活動が広がっている。 高校生や十代の若者、また”制服向上委員会” というアイドルグループも注目されている。 70年反戦運動の際も、高石ともや、 岡林信康、高田渡など反戦フォークが大きなうねりを作った。 市民が自立して政治について 意思表示するという文化が途絶えて久しい。 いい機会ではないか。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ マルクス主義や急進的労組主義 (サンディカリスム)の予言に反し、 肉体労働者の台頭は 社会の不安定要因とならなかった。 それどころかそれは、今世紀最大の 安定要因として作用した。 ドラッカーは、そもそも、 農民や住込み使用人の激減が いかなる社会的危機も招かなかった原因が、 この肉体労働者の興隆にあったとする。 農民や住込み使用人たちにとって、 外国へ移住しなくとも、 生活を大幅に楽にすることのできる 絶好のチャンスが工場労働だったのだ。 そして、今日に至るまで、 先進国では世代が新しくなるごとに、 いっそうの生活水準の向上を 期待することができた。 その原因は、農民や住み込みの使用人が 容易に肉体労働者になることができ、 その肉体労働者は集団で大工場で働いた。 そのため、生産性の向上に 体系的に取り組むことができた。 「マルクスが死ぬ2年前の 1881年から今日に至るまで、 仕事や作業や道具の体系的な分析によって、 物をつくったり運んだりするという 肉体労働の生産性は、年に3%から4%向上してきた。 その結果、それらの労働の生産性は50倍に達した。」 ~『イノベーターの条件』 (3章 20世紀の変化の本質は何か)