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■人は弱い。悲しいほどに弱い。■~人が雇われるのは、強みのゆえ~

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マネジメントは、働く者に成果をあげさせることに関する課題を直視することがなかった。 そこには、「権限と権力の混同」と「高度な要求への恐れ」という 2つの原因がある。 「高度な要求への恐れ」 マネジメントが持つものは、責任を果たすための権限であり、 そこに必要なことは”分権化”である。 しかしトップマネジメントは分権化に抵抗した。 働く者や職場コミュニティに関する責任を与えられた者がマネジメントに対して 一切の失敗や停滞を許さないというような、高度で完全な要求をすることを恐れたのだ。 しかし、彼らは、上司も人間であることを知っている。 その上で、彼らは自らの仕事に責任を持つ者は、マネジメントが報酬にふさわしい仕事を することを要求するのだ。 マネジメントの仕事は、人の強みを発揮させることである。 だけど人は弱いもの。 それぞれ感情や、価値観、趣味や、好みや、性格や、金銭感覚や惰性などをもろもろ持ち、 それらに流されることもある。 ”それゆえ悲しいほどに弱い。” しかし人は、悲しさや退屈さや生活の必要性など“弱み”を理由にして雇われるのではない。 「人は弱い。悲しいほどに弱い。  問題を起こす。手続きや雑事を必要とする。  人とは、費用であり、脅威である。  しかし人は、これらのことのゆえに雇われるのではない。  人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。  組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、  人の弱みを中和することにある。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第3章 仕事と人間 14「人は最大の資産である」)