■企業とは、人から成るシステム■~誤りを含む事実が対象となる。~
”経営科学”は、強力な潜在力を持つ道具である。 しかし、あくまでも潜在的であり顕在的にならない。 そこには理由がある。 ドラッカーは、”経営科学”が真の貢献を果たすつもりであるならば、 まず初めに、その対象を定義しなければならないとする。 その定義には、”企業とは、人から成るシステムである”との理解が 含まれなければならない。 したがってそこには、経営者や、働く人たちが現実に考え、行動し、 誤りを犯すという事実がある。 このことを基本的な事実として、研究と分析を行うことこそが、 経営科学が意義ある成果をあげるために、まず取り組むべきことである。 ドラッカーは、そのためにはまず、あるべき姿である”公準”を 作ることが必要であるとする。 「経営科学は、真の貢献を果たすつもりであるならば、 まず初めに、その対象を定義しなければならない。 その定義には、企業とは、人から成るシステムであるとの理解が含まれる。 したがって経営科学にとっては、現実のマネジメントの前提、目的、考え、 あるいはまちがいまでが、基本的な事実とならなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (6章 マネジメントの技能 30 経営科学)