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■システム型組織の登場■~構成は多種多様な組織と個人~

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5つの組織形態その5、 システム型組織の登場 この組織も、チーム型組織、連邦分権組織、擬似分権組織と同様に、特定の問題や一時的ニーズへの対応のために発展した。 しかし、システム型組織は、1960年代アメリカの宇宙開発という極めて特殊なマネジメントのための組織構造として発展した。 このシステム型組織は、チーム型組織を発展させたものである。 チーム型組織とは構成単位が異なる。 前者は個人で、システム型組織では多種多様な組織と個人である。 課題ごとに、それに適した組織設計の原則を取り入れることにより、 多様な価値観や変化への対応性が可能となる。 「システム型組織は、きわめて特殊なマネジメント上の問題、  すなわち六〇年代アメリカの宇宙開発のための組織構造として発展した。  システム型組織は、チーム型組織を発展させたものである。  チーム型組織では構成単位は個人だが、  システム型組織では多種多様な組織と個人である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 34 五つの組織構造)     

■チーム型組織の長所と限界■~原始時代の狩猟隊は七人から八人~

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5つの組織形態の持つ特色、チーム型組織。 ◆長所と限界  ≪長所≫   メンバーが全員が、チーム全体の仕事を理解し、   新しい方法やアイデアも容易に受け入れ、状況変化にも容易に適応できる。  ≪欠陥≫   明快さや安定性に欠け、経済性も悪い。   つまり、専門家の集まりなので、人間関係、仕事の割り当て、説明会、会議、コミュニケーションなど、チームの内部管理に絶えず気を配らなければならない。   このようにエネルギーの相当部分が、単に仕事を進めることに費やされる。  ≪限界≫   規模つまり、メンバーが少人数のときに有効に機能する。   大人数になると、意思決定が複雑になることにより柔軟性に欠けることとなる。   また同時に多数の専門家が集うということで、各個人の責任感が希薄になり、各人が成果をあげられなくなる。   そしてさらに、これらの組織構造上の欠陥に、多くの人の過度の関心が集まることととなり、組織にとっての致命的な障害事項となる。 「チーム型組織の最大の限界は規模にある。  メンバーの数が少ないときは有効に働く。  原始時代の狩猟隊も七人から八人だった。  あまり大きくなると、チームの利点たる柔軟性や  メンバーの責任感が急速に減少し、成果をあげられなくなる。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 34 五つの組織構造)     

■チーム型組織には上司も部下もない。■~成果はチーム全体の責任~

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5つの組織形態の持つ特色、チーム型組織。 ◆特徴 異なる技能、知識、背景を持ち異なる分野に属しながら、特定の目的を持って共に働く人の集まりである。 通常は、少人数で編成され、リーダーが存在する。 しかし実際にチームを指揮する者は、リーダーとは限らない。 仕事のプロセスや、要求事項の内容によって変わっていく。 こうだ、 設計プロセスでは”設計専門家”が、構築プロセスでは”構築専門家”、テストプロセスでは”品質専門家”が指揮を行う。 こうなる。 つまり、上司も部下ない、専門性から見たシニアとジュニアがいるだけである。 では、リーダーの役目は何か? ひとつは、目的達成に必要となる、人的資源や物的資源をプロセスに応じて調達すること。 そして、作業指揮者からの要求や支持に関しての調整を行うこと。 などである。 そして、成果はチーム全体の責任である。 「チーム型組織にはリーダーがいる。  多くの場合、リーダーは交替しない。  しかし実際にチームを指揮する者は、仕事の段階や要求によって変わっていく。  チームには上司も部下もない。  シニアとジュニアがいるだけである。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 34 五つの組織構造)     

■人が動くか、仕事が動くか■~二つの組織構造を理解する。~

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ドラッカーは、仕事を組織する方法は三通りあるとした。 そして、組織は、職能別組織とチーム型組織の一方または双方の原理に基づいて設計する必要があるので、この二つの構造を理解しておかなければならないと続ける。 ◆職能別組織 経理や人事はそれぞれ一つの技能、職能である。 経理部や人事部といった技能別組織になる。 一方生産やマーケティングはどうか。 ”生産”には、設計や組み立て、検査など複数の異なる技能が混ざり、 ”マーケティング”には、リサーチ、商品設計、プロモーションなど複数の異なる技能が混ざっている。 従ってこれらは独立した職能ではなく、市場ニーズを調査し、商品化し、市場投入し収益を上げるという基幹業務の一つのプロセスを表す概念つまりコンセプトなのだ。 これらは段階別組織と言える。 ”職能別組織においては、仕事の段階や技能の間を仕事が動く。 人は動かず仕事が動く。” ◆チーム型組織 建築、建設、情報システム構築等各種の技能と道具を持つ者が、一つのプロジェクトチームやジョイントベンチャーとして集まり仕事や課題を遂行する組織形態を指す。 「職能別組織においては、仕事の段階や技能の間を仕事が動く。  人は動かず仕事が動く。  これに対し、チーム型組織では仕事が固定される。  各種の技能と道具を持つ者が、一つのチームとして  ビルの設計や研究開発などの仕事や課題を遂行する。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 34 五つの組織構造)     

■仕事を組織する方法■~職能別組織とチーム型組織~

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引き続きドラッカーは、仕事を組織する方法について述べる。 労働は大きく分けて肉体労働と知識労働に二分できる。 しかしこの分類に関わらず、すべての仕事は次の三通りの方法で組織できる。 ◆仕事は段階別に組織できる。  米の収穫を表すと、、  「設計する」 ⇒ 設計部   ↓  「基礎工事をする」 ⇒ 工事部   ↓  「柱を立て、屋根を作る」 ⇒ 建築部   ↓  「内装を仕上げる」 ⇒ 内装部  となる。 ◆仕事は技能別に組織できる。  自動車の製造工場をイメージすると、、  「シャーシが流れてくる」 ⇒ 担当技術者が工具を使いエンジンを取り付ける。   ↓  「エンジン付きシャーシが流れてくる」 ⇒ 担当技術者がシートを取り付ける。   ↓  「エンジンと座席が付いたシャーシが流れてくる」 ⇒ 担当技術者が車体を乗せる。   ↓  「車体が流れてくる」 ⇒ 担当技術者がタイヤを取り付ける。   ↓  となる。  製造すべき自動車が、工具、作用場所や担当者間を移動して製品として作られていく。 ◆仕事自体は動かさず、異なる技能や道具を持つ人たちが一つのチームとして動く。  ネットワークシステムの構築プロジェクトは、設計、プログラミング、品質管理、テストなどの各分野の専門技術者が集まって実行される。 「仕事は、常になんらかの形において組織される。  職能別組織とチーム型組織のいずれかの設計原理に基づいて組織される。  職能別組織とチーム型組織の双方を必要とすることも多い。  したがってあらゆる組織が、この二つの組織構造を  理解しておかなければならない。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第7章 マネジメントの組織 33 組織の条件)     

■組織構造の種類■~仕事、成果、関係及び意思決定~

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続いてドラッカーは、組織構造の種類について述べる。 マネジメントの側面から見て次のとおり分類する。 【仕事中心の組織構造】  ◆職能別組織   営業部、総務部等の機能別・段階別に分割したいわゆる縦割り型組織を指す。   この組織は、自らの組織上の立ち位置が明確に理解でき、   自部門の目標も明確になるというメリットがある。   逆に、組織全体の目標が見えにくく組織の目標と自分の目標を   関連付けにくくなるというデメリットがある。   この組織構造は、単一のサービスや製品を作り出す比較的単純な工程を持つ企業に向いている。   複雑な作業が不可欠な組織には、不向きである。  ◆チーム型組織   組織内の専門分野からメンバーを集めて特定の課題に対して、チームで取り組む形態を指す。   タスク・フォース、フロジェクト・チームなどが該当する。   この組織には明確に規定された目標が必須で、デメリットとして、   意思疎通に費やす時間が長くなる傾向にあり、人数か多くなると機能維持が困難になる。 【成果中心の組織構造】  ◆分権組織   この組織は、自立的な事業体から編成され、事業部制や社内企業制などを指す。   一般的には、事業体内部に職能型組織を職能別組織を持つ。   そして、個々にマネジメント機能を所有し、自立的に事業体を運営する。   事業体が自主的に運営されるので、メンバーは事業体の目標と自分自身の目標を把握しやすくなり、   コミュニケーションや意図決定も円滑に進むこととなる。  ◆擬似分権組織   規模が大き過ぎて職能別組織では効率的に機能しない場合に採用する形態である。 【諸々の関係中心の組織構造】  ◆システム型組織   多様な価値観や変化を統合できる形態だが、明快性や経済性に欠ける。 【意思決定中心の組織構造】  ◆この組織構造は未だ開発されていないが、   ドラッカーは、これが実用化されれば、   その影響はきわめて大きなものとなると期待する。 「マネジメントには、仕事、成果、関係のほかに意思決定という側面がある。  今日のところ、この意思決定中心の組織構造は開発されていない。  可能性の域を出ない。  だが、これが実用に供しうる形で開発されるな