■階層の統合による政治■~経済的な公約の提示~
おはようございます。 未明の川崎、今日も雲が多く暗い朝です。 今日は七草、粥を食べて 痛めた五臓六腑を労わりましょう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 長期の間「社会による救済」だけが 脚光をあびてきたが、 それが唯一の政治原理だったわけではない。 1890年代以降、その競争相手として登場したのが、 「利害による連合」だった。 伝統的な政治用語でいえば、 階層の統合による政治だった。 それは、「社会による救済」の提示する 社会的な理想郷に対して、 経済的な公約を提示した。 この「利害による連合」の概念はローマに遡り、 それが政治の現実となったのは、 19世紀末のアメリカにおいてだった。 ヨーロッパでは、ビスマルクの福祉国家が、 階級闘争の鎮静化に成功し、 マルクス社会主義者が 社会民主主義者へと変わり、 小市民となりつつあった。 しかしアメリカでは、より過激で反体制的な 新しい政治運動たるポピュリズムが生まれ、 力を得つつあった。 「1896年の大統領選で、政治家マーク・ハナが、 繁栄という名の共通の利害 すなわち経済成長の名のもとに 経済的利害集団つまり経済的階層を統合したのは、 他ならぬこのポピュリズムがもたらしつつあった 階級闘争の危険に対処するためだった。」 ~『イノベーターの条件』 (Part3 模索する政治 4章「利害による連合」の終わり) Amazonプライム・ビデオ