投稿

ラベル(均衡と調和)が付いた投稿を表示しています

■成長と自己変革を続けるために■~いくつか簡単なことを実行する~

イメージ
おはようございます。 今日は朝から快晴、行楽日和。 昨日は阿佐ヶ谷JAZZストリート、 様々な場所での演奏、街中がJAZZであふれてました。 メジャーのプレーヤーもいましたが、 無名の演奏家がほとんど。 しかしそれらの演奏家も技術レベルは高い。 JAZZの世界で食べていくことの難しさ、 頑張って欲しい。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、この七つの経験についてその教訓を紹介したことについて、 その理由を次のとおり述べる。 ドラッカーは、コンサルタントとして、企業、政府機関、大学、 オペラハウス、オーケストラ、美術館など、いろいろな組織の人と会ってきた。 その際、何が彼らに成功をもたらしたかを聞き出してきた。 その結果わかったことは、成果をあげるにはどうしたらよいかという問いに対する答えは、 「いくつか簡単なことを実行することである」ということだった。 第一に、ビジョンをもつこと 第二に、仕事において真摯さを重視すること 第三に、日常生活の中に継続学習を組み込んでいること 第四に、自らの仕事ぶりの評価を、仕事そのものの中に組み込んでいること 第五に、行動や意思決定がもたらすべきものについての期待を、あらかじめ記録し、後日、実際の結果と比較してきていること 第六に、新しい仕事が要求するものについて徹底的に考えること 「私が知っている人のうち、長い人生において、  ずっと成果をあげてきた人のすべてが、私と同じようなことを、  どこかで学んでいるからである。  企業で成功してきた人、学者で成功してきた人もそうである。  軍人もそうである。医師や教師や芸術家もそうである。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part3 自らをマネジメントする  1章 私の人生を変えた七つの経験)

■目標とビジョンをもって行動する■~ヴェルディの教訓~

イメージ
おはようございます。 薄い曇り空の川崎の朝。 このところの朝の寒さが、 秋の深まりを感じさせる。 紅葉の便りもちらほら、 週末は絶好の行楽日和になりそう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 今日から「Part3 自らをマネジメントする」。 ドラッカーは、18歳のころハンブルグで、 ヴェルディのオベラ『ファルスタッフ』 を聴いて衝撃を受けたと語る。 そして、 ”信じがたい力強さで人生のよろこびを歌いあげる”あの楽曲が、 ヴェルディ80歳の高齢の作品であることに さらなる衝撃を受けたとする。 「80歳という年齢で、  なぜ並はずれてむずかしいオベラを  もう一曲書くという大変な仕事に取り組んだのか  との問いに答えた彼の言葉を知った。  「いつも失敗してきた。だから、もう一度挑戦する必要があった」。  私はこの言葉を忘れたことがない。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part3 自らをマネジメントする  1章 私の人生を変えた七つの経験)

■期待すべきことは何か■~部下たちが貢献すべきことを要求する。~

イメージ
おはようございます。 台風19号は間もなく九州上陸、 明後日にかけて日本列島を縦断しそうです。 十分な注意を! 今日は駒場の東京大学で、 心理学実験に参加してきます。 どんなことをするのかな、っていう 単なる興味です。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 貢献を重視できる上司は、 部下に対して貢献すべきことを要求する。 そのために次のことを聞く。 「組織、及び上司である私は、あなたに対しどのような貢献の責任をもつべきか」 「あなたに期待すべきことは何か」 「あなたの知識や能力をもっともよく活用できる道は何か」 その結果、部下は「自分はどのような貢献を期待されるべきか」 を考えるようになり、 上司は、部下の考えるこの貢献について、 その有効性を判断する権限と責任を持つことを知る。 しかし、ドラッカーは、この部下が設定する目標は、 上司が考えているものとは違うことがほとんどだが、 その違いはさして重要ではないとする。 なぜならば、 ”意味あるコミュニケーション、 しかも成果に結びつくコミュニケーションが すでに確立されている。” からである。 「部下は現実を、上司とはまったく違うように見ている。  有能であるほど、   また進んで責任をもとうとするほど、  現実や機会やニーズについての見方が、   上司のそれと違ってくる。  この違いはかなり大きい。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■唯一確実なものは変化■~人は、課された要求水準に適応する。~

イメージ
おはようございます。 朝から雨降りの川崎の朝。 台風の影響でしょうが、 本番は明日ですね。 丁度通勤時間帯になりそうです、 お気を付けください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、なすべき貢献には、三つの領域があるとした。 その3 人材の育成 2 ドラッカーは、組織は、自らの存続のために 人材を育成しなければならないとした。 社会は確実に変化を遂げる。 なので、組織にはその変化に応じた変革が必要となる。 この外に起こる変化に応じて、 なすべき貢献に焦点を合わせるということは、 それに相応しい人材を育成するということである。 ”人は、課された要求水準に適応する。” 貢献に照準を当てる人は、 ともに働くすべての人間の視点と水準を高める。   「人間社会において、唯一確実なものは変化である。  自らを変革できない組織は、  明日の変化に生き残ることはできない。」 ~『プロフェッショナルの条件』(Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■人材を育成すること■~死を乗り越える手段~

イメージ
おはようございます。 雲の多い川崎の朝。 台風が接近中、東京地方は今日はまだ大丈夫ですが、 明日からは影響が出そうですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、なすべき貢献には、三つの領域があるとした。 その3 人材の育成  第三に、組織は、自らの存続のために人材を育成しなければならない。 現在の組織がいかに苦労して人材を作り上げたものであっても、 次の世代にとっては、それが当然のこととして あるべきものでなければならない。 そして、それは、今日の水準を維持するだけではなく、 常にそれまでの水準を上回っていなければならない。 そうでなければ、その組織は適応の能力を 失ったというべきであるとする。 組織の強みは、最大な経営資源である 人が作り上げるものである。 しかし、人には、リタイアや生命の限界がある。 ドラッカーは、組織はその人材の限界性を超えて、 強みを維持し、向上させていくための手段であるとする。 「組織は、死という生身の人間の限界を乗り越える手段である。  したがって、自らを存続させえない組織は失敗である。  明日のマネジメントに当たるべき人間を  今日用意しなければならない。」 ~『プロフェッショナルの条件』(Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■価値への取り組み■~人体におけるビタミンやミネラル~

イメージ
おはようございます。 明るい空の川崎の朝。 今日は30度近くまで気温が上がりそうです。 ところにより雷雨の予報もあり、夏戻り。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、なすべき貢献には、三つの領域があるとした。 その2 価値への取り組み ドラッカーは、組織を生かすうえでは カロリーが必要となるとした。 そして同時に、ビタミンやミネラルと同じように、 ”価値への取り組み”が必要であるとする。 ビタミンやミネラルは、人体にとって 組織や機能を維持する機能を司る。 これら栄養素が摂取できなければ人は、 病気になりやがて死亡に至る。 組織にとってその栄養素は、明確な目的であり、 生み出すべき価値である。 これがなければ組織の維持は困難となる。 価値への取り組みも、明確にできない場合もある。 【アメリカ農政の例】 そこには、相容れない二つの根本的価値観が存在した。 農業の生産性の向上と、 国のバックボーンとしての家族的農場の維持である。 前者は、高度に機械化された大規模事業としての産業的農業であり、 後者は、保護された非生産的な農民による郷愁的な農村であった。 「組織には、人体におけるビタミンやミネラルと同じように、  価値への取り組みが必要である。  組織は常に、明確な目的をもたなければならない。  さもなければ、混乱し、麻揮し、破壊される。」 ~『プロフェッショナルの条件』(Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■直接の成果■~カロリーと同じ役割~

イメージ
おはようございます。 曇の多い川崎の朝。 全国的にすっきりしない天気、 来週には台風の直撃の可能性もありそうです。 御嶽山の噴火犠牲者が日々明らかになる。 昨日段階で、戦後最大の47名の死亡が確認された。 ご冥福をお祈りします。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、なすべき貢献には、三つの領域があるとした。 その1 直接の成果 明確な成果である。 企業においては、売上げや利益などの 経営上の業績であり、 病院においては、患者の治癒率、 学校においては、進学率や就職率である。 しかし、直接的といっても、全てが客観的で 明確であるとは限らない。 「直接的な成果が何であるべきかが混乱している状態では、  成果は期待しえない。  直接的な成果は常に重要である、  組織を生かすうえで、   栄養におけるカロリーと同じ役割を果たす。」 ~『プロフェッショナルの条件』(Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■三つの領域における貢献■~組織は腐り、やがて死ぬ。~

イメージ
おはようございます。 曇り空の川崎の朝。 段々下り坂の天候です。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、なすべき貢献には、三つの領域があり、 あらゆる組織がこの三つの領域における成果を必要とする。 その三つとは ・直接の成果 ・価値への取り組み ・人材の育成 である。 これら三つの領域で成果をあげなければならないが、 この三つの領域それぞれの重要度は、 組織によってあるいは一人ひとりの人間によって大きく異なる。 「三つの領域すべてにおいて成果をあげなければ、  組織は腐り、やがて死ぬ。  したがって、この三つの領域における貢献を、  あらゆる仕事に組み込んでおかなければならない。」 ~『プロフェッショナルの条件』(Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■どのような貢献ができるか■~間違った目標の設定~

イメージ
おはようございます。 曇り空の川崎の朝。 日中はいくらか日が差すんでしょうか。 日陰は涼しく、日向は暑い、 本格的な秋への移ろいか。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 【ある出版部長の退職】 ある公立研究所の出版部長が退職した後、 主たる読者だった外部の科学者たちは読まなくなった。 あるときその一人の科学者が、研究所長に 前部長はわれわれのために書いてくれたが、 新部長はわれわれに向けて書いているといった。 前部長は、広報誌の価値は、 われわれが気に入ることではなく、 外の科学者が何人研究所に入ってくれるかであり、 彼らがいかに優秀であるかにあるとした。 「『どのような貢献ができるか』を自問しなければ、  目標を低く設定してしまうばかりでなく、  間違った目標を設定する。  何よりも、自ら行うべき貢献を狭く設定する。」 ~『プロフェッショナルの条件』(Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■貢献に焦点を合わせ、結果に責任をもつ者■~組織全体の業績~

イメージ
おはようございます。 快晴の川崎の朝。 秋晴れの行楽日和、そんな中御嶽山が噴火した。 未だ全容は不明だが、多くのが方が被害を受けた模様。 気象庁は、注意警告を出せる事前情報は把握していなかった。 自然現象は、人知を超えている。 その仕組みは、ほとんど解明されていないということを改めて示している。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、貢献に焦点を合わせることの重要性について続ける。 【あるコンサルタントの例】 新しい客と仕事をするときに、 「ところで、あなたは何をされていますか」 と必ず尋ねる。 その回答の多くは、 「経理部長です」「販売の責任者です」「部下が850人います」 などと答える。 ドラッカーは、貢献に焦点を合わせる者の回答は 次のとおりであるべきとする。  ●「他の経営管理者たちが正しい決定を下せるよう情報を提供しています」  ●「客が将来必要とする製品を考えています」  ●「社長が行うことになる意思決定について考え、準備しています」 しかし、このように応える者は、きわめて稀だという。 「肩書や地位がいかに高くとも、  権限に焦点を合わせる者は、  自らが単に誰かの部下であることを  告白しているにすぎない。  これに対し、いかに若い新人りであろうと、  貢献に焦点を合わせ、結果に責任をもつ者は、  もっとも厳格な意味においてトップマネジメントである。」 ~『プロフェッショナルの条件』(Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■権限に焦点を合わせてはならない■~目標に目を向ける~

イメージ
おはようございます。 雲の合間に青空が見える川崎の朝。 今日は秋晴れのさわやかな気候になりそうです。 運動会日和ですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 成果をあげるためには、 貢献に焦点を合わせなければならない。 今目の前にある仕事から顔をあげ、 本来あるべき目標に目を向けなければならない。 問うべきは 「組織の成果に影響を与える貢献は何か」 である。 そして、その貢献こそが自らの責任であり、 そこを中心に据えなければならない。 しかし、ほとんどの人は、 下のほうに焦点を合わせたがる。 成果ではなく、 組織や上司が自分にしてくれるべきことや、 自らが持つべき権限ばかりを気にする。 その結果、本当の成果をあげられない。 「貢献に焦点を合わせることこそ、  成果をあげる鍵である。  仕事の内容、水準、影響力において、  あるいは、上司、同僚、部下との関係において、  さらには会議や報告など日常の業務において、  成果をあげる鍵である。」 ~『プロフェッショナルの条件』(Part2 働くことの意味が変わった  3章 貢献を重視する)

■一つの専門分野に優れた人■~能力を発揮させる方法~

イメージ
秋空が明るい川崎の朝。 昨日は、会社で、経営についての自主勉強会、 今日は外歩きの一日にしよう。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 組織は、あらゆる分野に優れた人たちを、 経営資源として雇い入れることを当てにできない。 そうであれば、その制約された資源で いかに成果を上げるかについての方法こそが重要となる。 成果をあげる能力は、当然のごとく組織にとって重要であるが、 個人にとっても、さらに重要である。 ”成果と貢献と自己実現を図る鍵”なのである。 したがって、成果をあげる能力が、 モーツアルトやピカソのように 持って生まれた才能であるならば、 組織や個人にとって絶望的な状況と言わざるを得ない。 そのような偉大な才能を持った人は まれにしか存在しないからだ。 なので、ドラッカーは、 成果をあげる能力に恵まれた若者を早く発見し、 育てなければならないとする。 「われわれに必要なものは、  専門分野の一つに優れた人を、  いかに活用するかを知ることである。  すなわち、彼らの能力を発揮させる方法を知ることである。」 ~『プロフェッショナルの条件』 (Part2 働くことの意味が変わった 2章 なぜ成果があがらないのか)

■知識労働の生産性向上■~学び教える組織~

イメージ
おはようございます。 今日も曇り空の川崎の朝です。 涼しい毎日、今日も10月並の気温とのこと。 過ごしやすいですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 知識労働の生産性向上に必要な二つのこと。 二つ目が、自らが教えるときにもっともよく学ぶということ。 花形セールスマンの生産性をさらに向上させる最善の道は、 セールスマン大会で成功の秘訣を語らせること。 外科医の成果を向上させる最善の道は、 地域の医者の集まりで自らの仕事について語らせること。 看護婦の成果を向上させる最善の道は、 新人の看護婦に教えさせること。 「情報化時代にあっては、  いかなる組織も学ぶ組織にならなければならないと言われる。  しかしそれは同時に、  教える組織にもならなければならない。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (Part2 働くことの意味が変わった  1章 生産性をいかにして高めるか)

■組織は上司と部下の組織ではない。■~共通の任務に対する貢献度~

イメージ
おはようございます。 蒸し暑い川崎の朝、 また天気が崩れそうですね。 傘を忘れずに。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 1980年代のアメリカでは、 数万人の知識労働者がリストラにより職を失った。 しかし、彼らの多数は、数か月後には、新しい仕事を得た。 その新しい仕事は、所得が減り、 仕事も前ほど楽なものではなくなったが、 自分たちが知識という名の資本を所有していることを知った。 ”彼らは生産手段を所有していた。” 知識という資本は知識労働者が所有しているが、 物的な資本は組織が所有している。 そして、組織と知識労働者はたがいを必要とする。 この新しい関係は、知識労働者の忠誠心は 報酬だけでは得られないことを意味する。 組織は、知識労働者に対し、知識を生かすための 最高の機会を提供することによって、 初めて彼らを獲得できる。 現代の組織は、知識労働者による組織である。 そして知識に上下関係はない。 したがって、知識労働者も上司と部下の関係で 規定される存在ではない。 「知識の位置づけは、  それぞれの知識に固有の優位性や劣位性によってではなく、  共通の任務に対する貢献度によって規定される。  現代の組織は上司と部下の組織ではない。  それはチームである。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (第2章 新しい社会の主役は誰か)

■マネジメントとは何か■~組織に備わるべき特有の機能~

イメージ
おはようございます。 梅雨明けの関東地方ですが、 窓からは 涼しい風が入ってくる川崎の朝です。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬   多くの人にとって、マネジメントと言えば 企業経営を意味するが、 理由は、単にマネジメントが最初に現われたのが 大企業だったからにすぎない。 しかし、あらゆる近代組織において、 マネジメントの必要性が明らかになっていった。 NPOであれ政府機関であれ、 企業以外の組織においてこそ、 マネジメントがいっそう必要とされている。 マネジメントが企業に限定されないことが 最初に認識されたのはアメリカだった。 今日、この認識は、あらゆる先進国において 受け入れられている。 今やわれわれは、マネジメントが、 その組織の使命に関わりなく、 組織に備わるべき特有の機能であり 機関であることを知っている。 したがって、マネジメントは知識社会 そのものにとって不可欠のものである。 「マネジメントは、  大むかしからいたるところに存在してきた。  私はよく、もっとも優れた  もっとも偉大な経営者は誰か、  と聞かれる。  それに対して、4000年前に初めてピラミッドを  構想し、設計し、建設した人であると答えている。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■経済発展のための唯一の原動力■~生産性の爆発的増大~

イメージ
おはようございます。 青空の見えない朝が続く川崎。 学校の夏休みも始まった3連休中日、 東京地方の天気は今日も不調です。 川内原発が再稼働に向けたスタートが切られた。 福島原発は未だコントロールされていない状況の中、 一気呵成に原発再稼働に向かってしまうのか。 ここでも、国民の意思が疎外されている。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 第二次大戦までの、イギリス、アメリカ、ドイツは、 新技術におけるリーダーシップによって勃興し、 日本、韓国、台湾、香港、シンガポールなどの アジア諸国は、テイラーの訓練によって勃興した。 これらの国々は、この訓練の成果として、 工業化以前の低賃金の労働力に対し、 世界一流の生産性を与えることができた。 第二次大戦後、テイラーの方法論を基礎におく訓練は、 経済発展のための唯一の原動力となった。 機械化は生産能力の増大をもたらしていたが、 働く者白身は、生産性を向上させていなかった。 テイラー以降、肉体労働者の生産性が 年率3.5%ないし4%で伸び始め、 18年で倍増するに至った。 この前例のない生産性の伸びが、 先進国における生活水準と生活の質の向上をもたらすとともに、 働く者の自由時間の増大をもたらした。 「仕事への知識の適用が、生産性を爆発的に増大させた。  物を作ったり運んだりする労働者の能力は、  数百年にわたってまったく進歩していなかった。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■熟練なるものは存在しない■~砂をシャペルですくう努力~

イメージ
おはようございます。 薄雲の川崎の朝。 九州で梅雨明け、関東地方も間もなくだろう。 いよいよ暑い夏に突入する。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ テイラーは、知識に関わる歴史において、 最も大きな影響を与えた者と言えるが、 同時に、彼ほど意図的に誤解され、 言葉が誤用された者もいなかった。 その原因は、彼の見解が正しく、 他の知識人が誤っていることを証明されたことにより 反感を招いたことにある。 他の知識人には、仕事に対する軽侮の考えが根強く残っていたのだ。 テイラーの分析活動は、砂をシャペルですくうことに似ていた。 しかし、このテイラーの苦境を招いた本質的な原因は、 仕事の研究に知識を適用したこと自体にあった。 このことは、特に労働組合にとって、 許せるものではなかった。 単純労働は、熟練ではなく、知識によってこそ その生産性を高めることができる としたことにある。 ”労働組合にとって、彼の罪は、 熟練なるものは存在しないと断言したことにあった。” 「彼にとって、肉体労働に関しては仕事があるだけだった。  そして仕事のすべてが分析可能だった。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■産業革命の本質■~社会と文明の転換~

イメージ
おはようございます。 昨日は、真っ青な空、真夏の一日でしたが、 今日は雲の多い、すっきりしない川崎の朝。 海や川での事故が増えてます、 お気を付けくださいね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 1700年以降、わずか50年間に、 テクネに体系を表わす接尾語ロジーを付けた テクノロジー(技術)が発明された。 この技能から技術への劇的な変化を示すものが 徒弟にならなくとも技能技術者になれることを目指した 『百科全書』である。 書いたのは、情報の専門家者たちである、 ヴォルテールやルソーである。 数千年にわたって発展してきた秘伝としてのテクネが、 初めて収集され、体系化され、公開されたのである。 これこそ、技術によって世界的規模で引き起こされた 社会と文明の転換の本質だった。 この技術変化の速さは、 職人では賄えないほどの資金需要を生じさせ、 量産のための工場を必要とした。 こうして、生産活動がほとんど一夜にして、 技能中心から技術中心になった。 そして、一夜にして、資本家が経済と 社会の中心に入り込んできた。 「経験を知識に、徒弟制を教科書に、  秘伝を方法論に、作業を知識に置き換えた。  これこそ、やがてわれわれが産業革命と呼ぶことになったもの、  すなわち、技術によって世界的規模で引き起こされた  社会と文明の転換の本質だった。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■知識が意味しないもの■~効用を与えるものは、テクネ~

イメージ
おはようございます。 まだ雲の多い川崎の朝です。 さっき4時40分福島沖で地震発生、 岩手の一部に津波による避難勧告が出た。 特に大きな津波の様子は見られないが、 十分な注意が必要、 地域の方はお気を付けください。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ プラトンの時代以降、知識の役割についての理論は、 二つしか存在しなかった。 一つは、ソクラテスが示した、自己認識、つまり自らの知的、 道徳的、精神的成長にあるとしたもの。 もう一つは、プロタゴラスの、何をいかに言うかを知ることにあるとしたもの。 このように、知識が意味するものは異なっていたが、 知識が意味しないものについては完全な一致があった。 知識は、行動につながらず、 なにものも生み出すことはないということである。 それらをなし得るものは、技能(テクネ)だった。 テクネとは、特定分野に関する処方箋であり、 例えば、ギリシャーシチリア航路について船長が知っていることは、 他の分野に応用できなかった。 そして、テクネは、言葉や文字では説明できず、 身をもって示すものを、徒弟となり、 経験を積むことでしか学ぶことはできなかった。 ”イギリスではクラフト(技能)という言葉がなく、 ミステリー(秘伝)なる言葉を使っていた。” 「知識は、行為に関わるものではなかった。  知識は、効用ではなかった。  効用を与えるものは、知識ではなかった。  それは技能だった。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)

■知識の意味が変わった■~関係のない数多くの発展の合成~

イメージ
おはようございます。 台風の影響は幸い少なかった東京地方だが、 各地で被害が出ている。 お見舞い申し上げます。 記録的、百年に一度、未曽有などと表現される 気象現象がこのところ多い。 認識の切り替え、心構えが必要ですね。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 歴史上の事件を見ると、その原因が一つであることは少ない。 それらは、たがいに関係のない数多くの発展の合成である。 資本主義を体制に変え、技術革新を産業革命にしたものも、 複数の関連性のない事象の合成だった。 カール・マルクスは、巨額の資本を必要とする蒸気機関が動力源となった結果、 生産手段が職人の手から資本家に移ったために、 資本主義が生まれたとした。 しかし、この変化が世界的な現象となった大きな要件は、 知識の意味が急激に変化したことにある。 「資本主義と技術革新が、  世界的な現象となるうえで欠かせない決定的に  重要な要件が一つあった。  それは、1700年ごろかその少し後、  ヨーロッパで広まった知識の意味における急激な変化だった。」 ~『プロフェッショナルの条件』   (1章 ポスト資本主義社会への転換)