■産業革命の本質■~社会と文明の転換~
∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬
1700年以降、わずか50年間に、
テクネに体系を表わす接尾語ロジーを付けた
テクノロジー(技術)が発明された。
この技能から技術への劇的な変化を示すものが
徒弟にならなくとも技能技術者になれることを目指した
『百科全書』である。
書いたのは、情報の専門家者たちである、
ヴォルテールやルソーである。
数千年にわたって発展してきた秘伝としてのテクネが、
初めて収集され、体系化され、公開されたのである。
これこそ、技術によって世界的規模で引き起こされた
社会と文明の転換の本質だった。
この技術変化の速さは、
職人では賄えないほどの資金需要を生じさせ、
量産のための工場を必要とした。
こうして、生産活動がほとんど一夜にして、
技能中心から技術中心になった。
そして、一夜にして、資本家が経済と
社会の中心に入り込んできた。
「経験を知識に、徒弟制を教科書に、
秘伝を方法論に、作業を知識に置き換えた。
これこそ、やがてわれわれが産業革命と呼ぶことになったもの、
すなわち、技術によって世界的規模で引き起こされた
社会と文明の転換の本質だった。」
~『プロフェッショナルの条件』
(1章 ポスト資本主義社会への転換)
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