■受益者は、資本家ではなく労働者■~豚と呼ぶのが口癖だった。~
∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬
テイラーは、分析によって得られたマニュアルどおり仕事をすれば、
誰でも第一級の工員としてその賃金を保証されることとなり、
それまでの熟練労働者の賃金を得られるようになるとした。
この時代のアメリカでは、
兵器工場と造船所の労働組合が尊敬の的だった。
テイラーの考えは、この労働組合に対する正面攻撃となり、
彼らはテイラーへの非難中傷だけでなく、
作業分析の禁止を法制化させた。
彼は、資本家を豚と呼ぶのが口癖だった。
労働組合を怒らせただけでなく、
資本家とも敵対した。
”科学的管理法の最大の受益者は、
資本家ではなく労働者でなければならない”
とした。
資本家の怒りを買ったのは、
仕事の分析は、少なくとも労働者の意見を聞いて
行うべきであるとしていたところにもあった。
この経営者への要求は、資本家にとっては、
異教とも呼べるものであり、
彼は、扇動家、社会主義者として攻撃されることとなった。
「工場における権威は、所有権ではなく
知識の優越性に基づかなければならないとした。
言い換えると、今日われわれが
プロの経営者と呼ぶものを要求した。」
~『プロフェッショナルの条件』
(1章 ポスト資本主義社会への転換)
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