■オーケストラのコンダクター■~部分の和よりも投入資源の総和~
組織が成果を生み出すためにはマネジメントが必要であり、 マネジャーにとってこの成果への貢献は責務であるとした。 そして、ドラッカーは、マネジャーには二つの役割があると 続ける。 その一つ目は、 部分の和よりも大きなものを生み出す組織を作り出すこと。 オーケストラの奏でる楽曲は、指揮者のコンダクトにより、 各演奏者の音がハーモニーとなって生きた音楽となる。 マネジャーも同様に、自らの組織で働く人たちの あらゆる強みを発揮させるとともに、あらゆる弱みを 消さなければならない。 あるメンバーの持つ弱みは、他のメンバーの持つ強みで 補い組織全体を調和させること。 これこそ真の全体を創造する唯一の方法である。 さらにマネジャーには三つの役割もあるとする。 それは事業自体のマネジメントであり、働く人と仕事マネジメントであり、 社会的責任の遂行である。 そしてこの三つのうち一つでも犠牲にする意思決定や行動は、 組織全体を弱体化させるものとする。 「マネジャーは、個々の活動のみならず、 全体の成果を見なければならない。 その仕事はオーケストラの指揮者に似ている。 第ニオーボエとともにオーケストラ全体の音を聴く。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第5章 マネジャー 22 マネジャーの仕事)