■多角化を一体化する■~単純さと複雑さの調和~
 
         ドラッカーは、多角化には、適切なものと不適切なものがあり、  そこには調和が必要とする。   企業は、市場や技術を選択しそこに集中しなければならない。  しかし、いかに集中が大事でも、多角化を受け入れなければ、  ”過度の専門化”に陥り、陳腐化の危機にさらされる。  同時に、いかに多角化が避けがたくとも、集中しなければ経営資源が、  分裂し分散してしまう。  単純さと複雑さ、専門性と多様性はともに必要なのである。   ドラッカーは、多角化を調和させ、一体性を保つための方法は二つしかないとする。   ◆これまで対象としてきた市場に、多角化した異なるなる事業や技術を投入すること。  ◆これまで使用してきた技術を、複数の市場に投入すること。   この市場と技術が一体性の要件で、組織内の相互理解も、この共通言語によってもたらされる。    「単純さと複雑さはともに必要である。    単純さと複雑さは事業を反対方向に引く。    この二つを対立させてはならない。    調和させなければならない。    共通の軸によって多角化を一体化することこそ、    トップマネジメントの仕事である。」   ~P.F.ドラッカー「マネジメント」   (第9章 マネジメントの戦略 41 多角化のマネジメント)