■スピンオフの成功■~コストセンターの収益化~
”多角化”の問題点には、3つの内的要因がある。 ◆組織や働く人の欲求 ◆規模の不適切さ ◆コストセンターの収益化 3点目 ◆コストセンターの収益化 規模の不適切さへの対策として行う際には、 一貫化という形が必要とした。 この一貫化とは、企業活動の外部プロセスである原料調達、 物流、販売チャネルなどを整理統合し全体との調和を取ることだ。 しかし、”一貫化”であっても、複雑さは増大し、 経験のない分野に進出することに変わりはない。 したがって、活動も多角化し、新しい技術も必要となり、 新しいリスクを生み出すこととなる。 そして、これらのことは、収入と費用の均衡がとれることが前提となる。 さらに多角化の要因として、”コストセンターの収益化”があるが、 このことについて、ドラッカーは、スピンオフで成功した イギリスのJ・リヨン社を挙げている。 「イギリスのJ・リヨン社は、ランドリー部門を 社内に持たなければならなかった。 直営のホテル、レストラン、喫茶店への ランドリーサービスを外部から得ることは、 量的にも質的にも無理だった。 同社は、輸送部門も持たなければならなかった。 今日同社は、さまざまな顧客にランドリーサービスと トラック輸送を提供して利益をあげている。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第9章 マネジメントの戦略 41 多角化のマネジメント)