■企業は営利組織ではない■~利潤動機は、記録係の天使だけの問題~
ドラッカーの企業に対する、そもそも論について。。。 企業=営利組織という公式は常識として多くの人々が持っているのでは ないか。 しかしドラッカーはこの考えを、”まちがっているだけでなく的はずれ” であると厳しく批判する。 営利とは”利益を目的”にすることを意味するが、この考えは”利益”の 本来の意義を間違ったものにする危険がある。 ”利潤動機”という言葉は、「安く買って高く売る」との言葉を難しく 言いなおしたにすぎない。 ”金銭への興味が活動の唯一の動機”との解釈である。 しかし、利益は、目的ではなく、企業活動を維持するための条件として 必要なものである。 ドラッカーは、たとえ、金銭に対する興味を持たない天使を取締役にしても、 利益に対しては重大な関心を払わざるをえないとする。 さらに、企業は、高い利益をあげて、初めて社会貢献を果たすことができると指摘する。 「利潤動機なるものは、的はずれであるだけでなく害を与えている。 この観念のゆえに、利益の本質に対する誤解と、利益に対する根深い敵意が生じている。 この誤解と敵意こそ、現代社会におけるもっとも危険な病原菌である。」 ~「マネジメント」