■知識専門家としての中間管理職■~意思決定を行う者~
ドラッカーは、新種の中間管理職について、 彼らは知識専門家であるとする。 例えば製品、製造、工程、税務、市場調査、マーケティング、 広告の専門家である。 それまでのミドルマネジャーは命令するだけの人だった。 つまり、下に向かって、すなわち自分に報告する人間に対して 「権限」を持つものだった。 一方の新種のミドルは知識を供給する人である。 上や横に向かって、すなわち自分が命令できない人間に対して 「責任」を持つものである。 この専門家の決定と行動が、組織の方向と能力に直接影響を与える。 ラインのマネジャーではなく、スタッフでもない。 彼らの仕事は助言や教示ではなく、現業の仕事をする。 地位、報酬、職務はトップマネジメントでなくとも、 組織に与える影響に関しては、トップマネジメントと同じ責任を負う。 ドラッカーは、ミドルマネジャーとしての知識専門家を 効果的な存在とし、成果をあげさせることは、マネジメントの 中心課題であるとする。 「知識専門家とは、知識を仕事に適用し、 かつ知識を基礎として、組織全体の能力、 成果、方向に影響を与える 意思決定を行う者である。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第5章 マネジャー 25 ミドルマネジメント)