■権限を持っているか、持つべきか■~越権と無責任を招く。~
企業のマネジメントと社会的責任に関するドラッカーの指摘は続く。 ドラッカーは、社会的責任に関するもっとも重要な限界は、”権限の限界”であるとする。 そして、権限は単独に存在するものではなく、責任と一体になっているものである。 社会的責任を負うためには、常に社会的権限を要求する。 しかし自らのもたらす影響については、それがいかに偶発的かつ無意識のものであっても、 自動的に責任が生ずる。それは自らの権限のもとで行った活動の結果だからである。 また、企業が社会の抱える問題についての責任を問われたときには、 「権限を持っているか、持つべきか」を自問し、もし権限を持たず、 また持つべきでないならば、責任を負うことの是非に疑いを持つべきであるとする。 「権限を持つ者は責任を負う。 逆に責任を負う者は権限を要求する。 責任と権限は、同一のものの両面である。 社会的責任を負うということは、 常に社会的権限を要求することを意味する。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第4章 社会的責任 17 社会的責任の限界)