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■社会セクターとしてのNPO■~市民性の創造~

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おはようございます。 雲の多い川崎の朝、 朝の風がずいぶんと涼しくなった。 しかし日中は、猛暑、スコールにご注意を! ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ 果たして、知識社会における 社会的な課題に取り組むのは誰か? ドラッカーは、それは、 社会セクターとしての NPOであるとする。 そしてこのNPOは、 市民性の創造という、 もう一つ重要な役割を 果たすようになっている。 現代社会と政治は、 あまりに巨大かつ複雑となり、 市民性、すなわち市民としての 責任ある社会参加を不可能にした。 市民としてできることは、 ほとんど投票行為と納税だけである。 だが、NPOにおいては、 一人ひとりの人間が再び 世の中を変えることができる。 「40年前あれほど広く受け入れられていた  組織一辺倒の「組織人」のモデルほど、  偽りであることがすぐに明らかになったものはない。  知識労働者は本業の仕事に満足しているほど、  本業とは関係のないコミュニティを必要とする。」 ~『イノベーターの条件』 (3章 20世紀の変化の本質は何か)  

■生産手段の所有者■~道具として組織を見る~

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おはようございます。 台風一過のような さわやかな風が心地よく感じる、 川崎の朝です。 しかし日中は、突風、雷雨の おそれがありますので、 十分な注意を! ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、社会的問題に対して、 政府も企業も取り組むことは できないとした。 それでは再度、 ”知識社会における社会的な課題には誰が取り組むのか?” を問う。 教育、医療、アルコール中毒、麻薬などの問題は、 雇用主である組織の力の及ばない問題である。 雇用主たる機関は組織であり、 その本質が変わることはない。 そのような組織と個人の関係は、 かつてのコミュニティと成員との関係のような、 二方向の絆とはなりえない。 しかも今日、高度の知識をもつ知識労働者は、 自らの目的を達成するための道具として 組織を見るようになっている。 そのため彼らは、組織の一員であることを強い、 自らの志を組織の目的や価値に 従属させようとすることには 抵抗するようになっている。 ドラッカーは、この傾向は必然であるとする。 「なぜならば前述したように、  今日知識をもつ者は生産手段の所有者であり、  自らがより大きな成果をあけられるところ、  より大さな自己実現を行えるところ、  さらにはより大きな達成の機会があるところへ  移ることができるからである。」 ~『イノベーターの条件』 (3章 20世紀の変化の本質は何か)

■二つの答え■~政府か、企業か~

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おはようございます。 湯気の混じった空気が澱むような 蒸し暑い川崎の朝、 今日は一日雨の様です。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、伝統的なコミュニティは 社会的問題に取り組む力は残っていないとした。 それでは、誰が社会的な機能を果たすのか。 ドラッカーは、今世紀、 二つの答えが現れたが、 いずれも間違いだったとする。 多数意見は、問題は政府によって 解決しなければならないとするもの。 政府は、巨大な福祉官僚機構と化し、 問題は倍増している。 政府には、社会問題を解決すべき役割があるが、 それは政策決定、基準設定、費用負担である。 社会的サービス実行者としての政府は、 ほとんど無能である。 一方の少数意見は、 新しい組織つまり企業が、 コミュニティになりうるとしたもの。 終身雇用、社宅、組合健保、慰安旅行などが、 企業が従業員にとってのコミュニティ、 村、家であることを強調した。 しかし、この試みも成功はしなかった。 また今日、働く場の運営に従業員を参画させる必要が説かれている。 「『エンパワーメント(権限委譲)』  と呼ばれるこの考えは、  私が50年前に論じたものに近い。  しかし、コミュニティをつくることまではできない。  知識社会における社会的な課題に  取り組むための枠組みとはならない。」 ~『イノベーターの条件』 (3章 20世紀の変化の本質は何か)

■知識社会は競争社会■~社会の自尊心としての恥~

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おはようございます。 70年談話について、 様々議論されている。 誰が何をどうすべきかが見えない、 主語の無い文脈が多いこの文書を コミットするってなんだろう? 安保法案の成立を進めたいけれど、 内閣支持率は危険水域に近づく。 この焦りがにじみ出ている。 ---------------------- ∬ちょこっと、ピーター.ドラッカー∬ ドラッカーは、知識社会とは、 競争社会であるとした。 競争社会は、誰もが成功者となり、 また敗北者となり得る。 知識を仕事に適用することにより、 先進国の社会を豊かなものにした。 ドラッカーは、そのことにより、 貧者、アルコール中毒者、少年非行などが 社会問題とされるようになったとする。 むかしの社会では、それらの問題は 当たり前だったが、 知識社会では社会の恥である。 正義の観念からだけでなく 社会の能力、社会の自尊心からしても恥である。 それでは、知識社会における これらの問題は誰が面倒を見るか。 もはや、伝統的なコミュニティは それらの問題に取り組む力は残っていない。 「知識社会とは、  かつてなかったほど多くの人たちが  成功できる社会である。  つまり、かつてなかったほど多くの人たちが  敗北する社会だということでもある。」 ~『イノベーターの条件』 (3章 20世紀の変化の本質は何か)