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■社会的責任はどこに生まれるか■~地域のなかに隣人として存在する。~

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ドラッカーは企業は社会的責任をマネジメントする必要があるとした。 そしてその社会的責任の問題は、自らの活動が社会に対して与える影響と、 自らの活動とは関わりなく社会自体の問題として生ずる影響、 この二つの領域において生ずるとする。 前者は、組織が社会に対して行ったことに関わる責任であり、 後者は、組織が社会のために行えることに関わる責任である。 病院の目的は、患者の病気を治療することであり、看護婦や料理人や事務職員を 雇うことではない。 だがその目的を達成するには、看護婦や料理人を必要とする。 このことは、本来の目的とは異なる諸々の問題を生み出す。 製鉄工場の目的は、顧客のための様々な建築物や機械器具などに使用される 金属を作り出すことであり、騒音を出し有害なガスを出すことではない。 しかし目的のためには、騒音を出し、熱を出し、煙を出す。 ドラッカーは、これら社会に及ぼす影響は、組織の目的に付随して起こるもので、 多くの場合避けることのできない副産物であるとする。 「現代の組織は、それぞれの分野において社会に貢献するために存在する。  それは、社会のなかに存在する。地域のなかに存在する。  隣人として存在する。そして社会のなかで活動する。そのために人を雇う。  したがって、組織が社会に対して与える影響は、  それぞれが自らの存在理由とする社会に対する貢献にとどまることがない。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第4章 社会的責任 16 社会的影響と社会の問題)

■CSR3つの社会的責任■~組織とマネジメントの役割~

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本日から「第4章 社会的責任」に入る。 組織のマネジメントには次の3つの役割がある。 ●組織に特有の目的と使命を知る。 ●仕事の生産性を上げて働く人をの力を生かす。 ●社会的責任を果たす。 この章でドラッカーは、マネジメントにとっての第三の役割である、 組織の社会的責任について触れている。 組織のマネジメントには、自らが行う活動に関して、3つの責任がある。 ひとつは当然のこととして、活動自体の影響である。 そして2つ目は、その活動が生み出す副産物についてである。 例えば、自動車メーカは自動車を製造することにより、 企業活動や市民生活を大きく変え、大きな貢献を果たした。 しかし一方では、排気ガスによる環境問題や、交通事故による犠牲者の増大などの 悪影響をも副産物として発生させた。 このような影響についての責任である。 3つ目は、自らの活動に関わりのないことである。 われわれ所謂IT企業にとって、人口減少や自殺者増加、再生エネルギー、 少子化、高齢化、医療などは直接関与することが少ない問題である。 このような社会的な問題の発生を予期し解決すること。 これがあらゆる組織のマネジメントに期待される3つ目の責任である。 組織は社会の一部として存在している。それゆえに課される責任である。 いま我々の目前に、エネルギーや医療、食糧自足、人口減少などに関する問題が きわめて具体的に明らかになってきている。 このような社会的問題を、あらゆる組織のマネジメントが 自らの責任として捉える事が求められている。 「あらゆる組織のマネジメントが自らの生み出す副産物について、  すなわち、自らの活動が人、環境、社会に与える影響について責任を持つ。  さらにあらゆるマネジメントが、社会的な問題の発生を予期し解決する、  ことを期待される。」 ~P.F.ドラッカー「マネジメント」 (第4章 社会的責任 15 マネジメントと社会)